4.物理学者の魔法研究
結局一日中ベットの上でメティと話した。夜ご飯を食べると話疲れたのかメティはすぐに寝てしまった。俺も早めに寝てしまおうと思ったが、魔法について研究できるのが楽しみで全然寝れなかった。遠足前の小学生かよ、とツッコミたくなったが、俺自身は5歳と60歳の記憶…つまり人格があるわけで5歳の部分が強く出てしまったと考えるとすごく自然だ。
「おっはよー!私は元気だよ!」
「…おはよう」
「あれ、眠たそうだね。あ、私の寝顔見てたんでしょ?ダメだぞー」
「バレてたのか…」
「え、だ、ダメだよ!寝顔見られるのは恥ずかしい…」
「ふふ、嘘だよ。今日が楽しみで寝れなかったんだ」
「なーんだ。だったらいいよ!今がもう楽しいもん」
表情がころころ変わるもんだからメティを見ているのは飽きないな。
「先生に言ってくるね」
「あ、僕も行くよ」
二人で一緒に俺のお父さんのところに向かう。外出の許可を得るためだ。
「まぁ…すっかり二人とも元気だしな。あの熱は子供の頃によくある魔力暴走だったんだろう。今元気ならいいぞ。ついでにこのお菓子村長さんに持っていってくれ」
魔力暴走?少し気になる単語が出てきたが、頭の片隅に記憶しておいて後で調べることにしよう。
「わかった」
「ありがとうございました!」
よしこれから村長さんの家に行くぞって雰囲気を醸し出しているが、お風呂に入って服を着るという段階がふまれていないことに気づく。
「お風呂とかって入ってないよね…?」
「安心しろ、すでに準備してあるからな」
「わかってたんだ…」
「当たり前だ。メティスちゃんの服も用意してもらってるから一緒に入ってこい」
「え?」
え?男女でお風呂って入っていいもんなんですか?あ、5歳同士だから別に普通か…。いや、普通なのか?前世の記憶があるとはいえ、子供を育ててないし5歳のときに女の子の友達はいなかったから常識がわからない。
「まさかルイス…恥ずかしいのか?」
「だ、だって…。メティは恥ずかしくないの?」
「ううん。大丈夫だよ?パパと一緒にお風呂入ることあるもん」
「ルイスが恥ずかしいなら先にメティスちゃんに入ってきてもらうか」
「その方がいいと思う」
「えー、一緒に入った方が早くいけるよ…一緒に入ろう?ね!」
「いや、だか…」
俺に有無を言わせずお風呂場まで連れてかれてしまった。もちろん父は俺の中に60歳の記憶があるとは知らないからほのぼのとしているが、俺からしたら非常にまずい状況だ。
もちろん何事もなくお風呂を出たが、なんとなく罪悪感だけが残った。いや、一緒に入ろうと無理くり迫ったのは向こうだし俺が気を負う必要性は皆無だけど…。
「じゃ、これがお菓子な」
「行ってきます」
「またきますね!」
「はは、その時は患者じゃなくてルイスの友達としてきてくれな」
「分かってます!」
軽いジョークを交わし、我が家である病院を離れる。メティがこっちこっちと案内をしてくれる。村から少し離れた小さな丘の上にポツンと家が建っていた。
「ここが村長の家だよ」
「思ったよりも遠かったね」
「ちゃんと理由あるらしいよ〜、忘れちゃったけど」
忘れてるんかい。別にそこまで詳しく知りたいわけじゃないけど…。
「メティスですよー。ごめんくださーい」
メティが木でできた玄関の扉をこんこんと叩いてから少し経つと、中から貫禄のある白髪のお爺さんが出てきた。
「おや、メティスと…ルイス君かな?パーカーのとこの子供じゃろ?」
「そ、そうです!ルイス・パーカーです!パパからのお菓子です」
「元気に育っているのう、お菓子もありがとう。何をしにきたかは中でゆっくり話そうじゃないか」
「おじゃまします」
「おっじゃましまーす!」
ここが軽く丘になっているから気づいたが、この村は木造の家が多いな。いや、この村の周りに森があるから木造建築が多いだけか。ここだけではこの世界の時代背景はまだわかりそうにないな。
「さっきもらったお菓子と紅茶じゃよ」
「ありがとうございます」
「ありがとーございます」
「それで今日はどうしたんじゃ?」
「魔法に関しての本が読みたくて…」
「本…?ほっほっほ、いいぞい、いいぞい。知識は心と生活を豊かにするんじゃ。わしの本は少々難しいかもしれんが、わからないことがあったら聞いてくれればいいわい」
「ほ、本当ですか!」
「ほれ、そこの部屋に本がいっぱいあるじゃろ?大半が魔法についての本じゃ」
「ありがとうございます!」
感謝を伝え、魔法についての本を探すのだった。
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