表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/31

29,→肉団子が止まらない。

 

 人体半壊中のケイちゃんが、「助けてくれぇぇぇ!!」と情けない声を仲間にむかって叫ぶ。


 ところがケイちゃんの仲間たちは、あろうことか、「ひぃぃぃぃ!!」と叫んで逃げ出した!


 あなたもご存じのとおり、わたしは友情にはうるさい性格。

 人体半壊して悲鳴をあげているケイちゃんを見捨てるとは、断じて許せない。


「ケイちゃんうるさい」


 ケイちゃんの頭部に〈皆殺しのドリルドライバー〉を押し付けて、ぐぉぉぉとした。

 頭部が跡形もなくなった。


「ケイちゃんの無念を晴らしてあげるからね」


 感情豊かすぎる千佳ちゃんが、涙を流しながら言っている。


「あぁお姉さまの倫理観の尊さに、千佳は頭がくらくらします。千佳の拘束スキルを、いつでも利用してくださいね♪」


 駆け足。

 逃げる四人の頭の悪そうな大学生──何よりも()()()ケイちゃんを見捨てた薄情者たちを、追いかける。


 自慢じゃないけど、かつて小学六年生のとき──運動会のリレー大会。わたしは補欠に選ばれたくらいには、足が速い。

 しかし、さすがに息切れしてきたので、〈ローリング〉スキル解放。


 ローリングして、大学生たちを追い越す。


「まーちなーさーい。はい、とまって。ケイちゃんの死体にむかって土下座したら許してあげるから」


「畜生! こうなったら殺せ!」


 と、大学生の一人が、物騒なことを叫んできた。


 殺すとは何事だろう。人の命は、地球より重いのに!!!!!


 というわけで、その失礼な大学生の腹に〈ドリルドライバー〉叩きつけて、貫通穴を作った。

「うげぇぇえ!!」と、内臓を穴からぶちまけながら白目をむいて死んでしまった。


「分かる? 人の命は、地球より重いよ?」


 安物の低ランク魔杖──ダンジョン入口にある武具店で購入したのに違いない──を装備した〈ウィザード〉の大学生その2が、


「こいつ、キ×ガイすぎる! さてはモンスターだな! 女装したモンスターだ!」


 …………なんで、女の子のわたしが、女装するの???

 こいつ、頭、ゆで上がってるんじゃないの????


 〈ウィザード〉の大学生その2が、低級攻撃魔術〈ファイアボール〉を連射してくる。

 こんな至近距離で火炎弾が被弾したら、どうしてくれるの?


 こちら〈乱れ打ち〉スキル発動。

 次々とファイアボールを、ドリルドライバーで撃ち落とす。


 しかし一発だけ撃ち落とせず、わたしの顔面に命中した。


 大学生たちが歓声をあげる。


「やった命中したぞ! 殺してやった!」


 こちらはレベル185。

 防御力5240なのに? レベル10程度の火炎弾でダメージをくらうとでも?


 こっちが無傷なのに気付いて、大学生たちが凍り付く。

「ひぃぃぃぃぃ」「あぁぁぁぁ」「ぎゃぁぁぁあああ」


 わたしは〈皆殺しのドリル・ドライバー〉のトリガーを引いた。


「しつこいようだけど、君たちに教えてあげよう。人命の尊さを! 地球よりも、重いということを!!」


 肉団子三つ追加。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ