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24,「処女膜の恨みだぞ」と、その女子高生は言いました。

 

 さて。なんか、悲鳴が漏れ聞こえてくるけれども。


 観音開きを押し開けて、ラスボス部屋に入る。


 そこには──うーん。


 よく分からん。


 赤い鬼と青い鬼──視界表示によるとレベル280とレベル285──が、腹に穴のあいた鬼を抱きかかえている。むせび泣きながら。


「あぁ……なぜこんなことに、百眼鬼さま」と赤鬼。

「しっかりしてください、百眼鬼さま」と青鬼。


 ははぁ。腹に穴のあいているのが、百眼鬼かぁ。

 どうせダンジョンボスともなれば、HPも何万もあるんでしょ。まだ瀕死程度で、大袈裟だな。


 というか百眼鬼は、妙に白い肌で、裸。

 それはギリシャ彫刻のような肉体美であり──


 まてよ。

 裸、だと?


 百眼鬼とやらが苦しそうに言う。


「赤鬼、青鬼よ。離れろ。まだ、真の戦いは、これからだ。不意打ちを受けて、《生者殲滅》領域は解除されちまったが……立ち上がるのに手を貸せ」


 そして赤鬼と青鬼の手を借りて、百眼鬼が立ち上がる。


「貴様が、志廼沙良か。ダンジョン部屋の『外』から攻撃してくるとは、卑怯な手を使うじゃねぇか。だが、おれはまだ斃れちゃいねぇ。ダンジョンボスを甘く見るんじゃねぇぞ。ここからが、本当の闘いのはじまりだ──」


 赤鬼が、なんか必死な形相で怒鳴ってくる。


「おい人間の小娘! 百眼鬼さまが話されてるのだ! 傾聴しろ!!」


 百眼鬼。

 人型形態の裸なので、当然ながら、股の間にはアレがある。丸見えで。


 乙女心を身につけた年齢になってからは、こんなもの、初めて見るんだけど(そりゃぁ女児時代は、家族とお風呂入ったり、混浴風呂に入ることもありましたけども)。


 というか、

 おまえは、

 なんてものを、


「見せてるんだ、この変態がぁぁぁぁぁ!!!」


 《突撃》発動。


 赤鬼が両手に棍棒を召喚しながら駆けてくる。怒りのあまり涙を流しながら、


「貴様ぁぁぁぁぁぁあ変態とは何事だぁぁぁぁぁぁ!!!」


「ドリィィィィィィィィィイルドライィィィバァァァァァァァァァァァァァア!!」


 〈皆殺しドリル・ドライバー〉で一撃必殺。

 消滅する赤鬼。


「うぉぉぉぉ赤鬼どのぉぉぉぉ!!」


 こちらも変なテンションで、魔炎を両拳にまといながら突撃してくる青鬼。


「ふんぬっ!!」


 〈皆殺しドリル・ドライバー〉で一撃必殺。

 消滅する青鬼。


 百眼鬼の全身から、エネルギー槍が射出される。

 それも凄まじい射出速度で連射してくる。


 ステ振りしていないわたしの防御力では、一撃受けても即死は確実。

 ならば〈皆殺しドリル・ドライバー〉で撃ち落とすのみ。


「ドリドリドリドリドリドリドリドリドリドリドリドリドリドリドリドリドリドドリドリドリドリドリドリドリドリドリドリドリドリドリドリドリ!!!!!!!!!」


 そして《跳躍》。


 百眼鬼がエネルギーシールドを展開しながら叫んだ。


「てめぇ! 一体全体、何がしてぇんだ! てめぇのその暴力の原動力は、一体なんなんだぁぁぁぁぁ!!」


「わたしの、処女膜の、恨みだぞぉぉぉ!!!」


「な、んの、話だぁぁぁァァァァアアアアアアアア!???!!」


〈皆殺しドリル・ドライバー〉を叩きこんだ。


 ぱーんと、百眼鬼の肉体が弾け飛ぶ。


 あとには欠片も残らなかった。

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