表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/31

23,《職人魂》ということ。

 

──主人公の視点──


 ふいに視界内に、


『これより最下層、ダンジョンボスの部屋となります。準備を整えましょう』


 という表示が出た。


 わたしは《ローリング》を解除する。

 見やると、眼前にはとつもなく巨大な観音開きの扉がある。


 なるほど。この扉の先が、ダンジョンボス百眼鬼が待つラスボス部屋、というわけだね。


 ……というか、もう最下層に来ていたんだ……なんか、途中からモンスターが一体も出てこなくなったような。もう、このダンジョン、欠陥だらけだぞ。


 さて準備ねぇ……準備体操とか?


 そういえば、あとひとつ、スキルスロットが残っているんだった。


 現在のスロット入りスキルは、《突撃》、《ローリング》、《視認》、《跳躍》。


 もちろん一度セットしたスキルでも、好きに変更はできる。

 ただけっこう各スキルは連動しているので、ひとつを外すことで、ほかのスキルにも影響が出たりするんだよね。


 たとえば《ローリング》の可能時間がいま半永久なのは、スキル内容に『AGIの影響を受ける』とあるため。

 そしてこのAGIは、《突撃》スキルによって、∞と化しているわけだね。


 だから《突撃》を外すと、《ローリング》がちょこっとしかできなくなるという。


 現在、取得可能なスキルリストを開いたところ──


 とんでもない膨大な量のスキルが出てきた。


 そういえば、いまのわたしはレベル125なので、取得できる汎用スキルも大量にあるんだっけ。


 というかステ振り用のステータスポイントが、25480も溜まっている。ステ振りって、なんで手動なのかなぁ~。


 さて。

 数多のスキルは、ひとつを除いて汎用スキルだった。

 ところが一つだけ、ジョブスキルが解放されている。


 つまり、わたしの〈穴をあける者(レジェンド)〉というユニークジョブ専用のスキルが。


 その名は、《職人魂》。


 ふむ。唯一無二のジョブスキルだぞ。

 というわけで、能力内容を読むまでもなく、まずは取得。


 スキルスロットに装着してから、初めて《職人魂》のスキル内容を一読してみた。


《職人魂》──『任意の対象を一体、選択する。対象のレベルが装備者よりも()だった場合。

 穴をあけることができる。

 対象との距離は、関係ない。ただし、同じ階層にいる必要がある』


 えーと。

 つまり、好きなモンスターを思い浮かべて、そのモンスターのレベルが、わたしのよりも上だったら──


 穴をあけることができる??


 わたしは肩をすくめた。


「まぁ、試してみなきゃ、こういうスキルって、分からないよね」


《職人魂》、発動!


 対象──百眼鬼!!


 百眼鬼のレベルはわたしより上のはずだし、いまは同じ最下層にいるから、発動条件はクリアしているよね。


 すると、右手にもった〈皆殺しのドリル・ドライバー〉の超小型ドリルが、ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉと響かせながら、回転しだす。


 そして、ゆっくりと停止した。


「え? これだけ?」


 なんだろう──?

 この先のラスボス部屋から、妙に悲嘆にくれた悲鳴が聞こえてくるんだけど。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ