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卵を取り戻せ1

「ここではありませんね」


 ショウカイたちはソリアの要請に応じることにした。

 どう考えても絶好の機会。


 状況を進展させるためにはソリアの話に乗る他今はなかった。

 テラリアスナーズとマギナズは冒険者ではなかったので直接ソリアが3人を雇う形になった。


 ソリアの話ではまだ裏オークションの場所は完全に内偵出来ていなかった。

 時間ギリギリまで調査を進めて、怪しいところをしらみつぶしに探していくつもりでいた。


 そこでショウカイは1つの提案をした。

 裏オークションは表のオークションの裏で行われる。


 もう残された時間はなく商品となる品物はおそらく運び込まれているはず。

 そして卵のような大きな物はバレることや破損のリスクがあるので頻繁に移動させられるものでもない。


 つまり会場か会場近くに卵があるはずだと思った。


 ショウカイはソリアにテラリアスナーズには強力な魔道具を感知するスキルがあるとウソをついた。

 正確にはテラリアスナーズは自分の子供である卵の気配を感じられるのだから全部が全部ウソでもない。


 裏オークション会場候補は結構な数あるリストアップされていた。

 それでもそれなりに数を絞ってはいた。


 テラリアスナーズならそこに行けば卵があるか分かる。

 つまり会場があって商品が保管されていればテラリアスナーズには分かる可能性があった。


 会場内偵作業を手伝うことをソリアに申し出たのだ。


「ここも違いますか……」


 女性が町の地図にバツを付ける。


 朝からショウカイ、テラリアスナーズ、マギナズ、そしてソリアが信頼を置いているという冒険者の女性のカリオロスは町を歩き回っていた。

 町の端から候補だと思われるところの周辺を探る。


 不思議なメンツだけれど犯罪組織を探っているようには見えない。

 何かお店でも探しているようなそんな雰囲気が自然と出ているので内偵作業にもちょうど良い。


 何ヵ所か回ってきたけれどテラリアスナーズは卵の気配を感じられないでいる。

 魔道具を感じるスキルというということでその精度に疑問符は付くが候補地も多くて全てを丁寧に内偵することができないのでテラリアスナーズの感覚を信じてある程度候補を消すしかない。


 ソリアはあまりに顔を知られすぎているので表立って行動することが難しい。

 途中で発覚した問題のために大規模な調査を行うことも困難であった。


 ショウカイも本当にテラリアスナーズが卵に近づけば気配が分かるのか不安にすらなってきた。


 ソリア側はソリア側でも内偵作業は行なっている。

 

 可能性が低いところから潰して回り、残るはいくつかの可能性が高い候補が残された。

 そしてオークション当日となった。


 候補の内の1つをショウカイたちは任された。

 スーハッフルスの治安維持部隊の者が数名とカリオロスも同行している。


 逮捕することが理想なのだけれど候補地にそれぞれ人を送り込むために人員が足りず、かつ激しい抵抗が予想されるために無理な逮捕はせずに上層部っぽそうなの以外は殲滅することになった。


 ショウカイたちが任されたのはスーハッフルスで活動している商人の邸宅。

 邸宅そのものも会場になりそうな規模だし、地下があると事前の調査で判明した。


 少なくともスパルタスに関わりがあることも分かっていて候補地の中でも可能性が高いところとされていた。


「……感じません」


 しかし、ここではなさそうだった。


 テラリアスナーズには卵の気配を商人の邸宅からは感じられないでいた。

 オークション当日となって感じられないのであれば近くにはないだろう。


 けれども怪しい男たちが出入りしていると監視していた治安維持部隊が言っていたので何かしらの情報ぐらいは手に入るかもしれない。


「では突入します!」


 治安維持部隊の男性を先頭に商人の邸宅に向かう。


「何の用だ!」


 門を守る警備が物々しい雰囲気で近づくショウカイたちを警戒する。


「我々はスーハッフルスの治安維持部隊だ!


 現在この邸宅には犯罪者が潜んでいるとの情報がある。

 門を開けてもらおうか!」


 身分証を見せながら近づく治安維持部隊の男性。


「くそっ、来るんじゃ……ねぇ」


 剣を抜こうとした警備の男にカリオロスが瞬く間に接近して切り捨てる。

 目的は殲滅で逮捕ではない。


 大人しく降伏しなかった時点でもうそれ以上の警告もすることはない。


「相手も大人しく協力するつもりはないようです。


 総員事前の指示通り敵の殲滅を優先してください」


 門を開け邸宅に走る。

 マギナズが玄関を蹴破るとそこには剣を抜いた男たちが待ち受けていた。


「全員剣を捨てて降伏せよ!


 そうすれば……」


 治安維持部隊の男性は自分の職務に忠実に相手に降参を促した。

 帰ってきた返事は1本の矢。


 胸を射抜かれて治安維持部隊の男性が倒れたのを皮切りに戦いが始まった。


「好きに暴れていいんだよなぁ!」


「むしろ俺に被害が及ばないように暴れまくってくれよ」


 ワッと押し寄せる男たちは人を殺すことにも抵抗がなさそうだ。

 ショウカイはマギナズとテラリアスナーズの後ろに陣取るようにして無理はしないことにした。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

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頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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