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オークションの裏で4

 あまり待たせても悪い。

 これ以上何かを探ることも難しい。


 ショウカイは一度町を出てみんなのところに行った。


「どうだった?」


 ショウカイはテラリアスナーズとマギナズに推測でもとりあえず分かったことを言う。

 何も言わなくて町を攻撃し始めたら困るからである。


 ただ確定的な情報がないことはテラリアスナーズたちにも分かっている。


「……そうですか」


 テラリアスナーズは静かに目を閉じた。

 とりあえずショウカイの得た情報をもとに考えるしかない。


 ひとまずその裏オークションがあるとするとまだ卵は無事。

 少なくともその取引が終わるまでは卵に手を出すことは考えられないし卵はこのスーハッフルスにあると考えてもよい。


「私が行くしかありませんね」


 卵の気配は感じ続けている。

 人間の町は気配が雑多で詳細な位置まで感じることは出来ないけれど近づけばわかるかもしれない。


「えっ!?


 それはちょっと……」


 テラリアスナーズの見た目は巨大な亀。

 今は魔法で姿を隠しているけれど町中にテラリアスナーズが入り込めるようなスペースはない。


 やはり町を根こそぎ破壊して探すというのかとショウカイの顔が青くなる。


「心配する必要はありません」


 テラリアスナーズの体が光る。

 その質量がどこにいくのかみるみるとテラリアスナーズが小さくなっていって、人の形になる。


「マギナズに出来て、私に出来ないはずがありません」


 少しドヤ顔をするテラリアスナーズはおっとりした顔をした美人だった。

 声のイメージがよく似合っていてマギナズとは違って最初から服を身につけている。


 ゆったりとした服を着ているのに豊満な体のラインを隠しきれていない。

 優しいお姉さんな感じがしてその眼差しにドキリとしてしまう。


「どうかしら?」


「えっと、とても綺麗です……」


「あら?


 うふふっ、私は子持ちよ?」


 クルリと回ってみせるテラリアスナーズは服がショウカイから見ておかしくないか聞いたつもりだった。

 ショウカイは服の感想なんて聞かれているなんて思わずストレートにテラリアスナーズの容姿について答えてしまった。


「おい、私の時は何もなかったじゃねえか?」


 第一声が服を着ろだったマギナズは牙を剥き出す。

 一応マギナズもメスなのだ。


「……マギナズさんも可愛かったですよ」


「……やめれよ、照れんじゃねえか」


 複雑な乙女心。

 クマの状態だと照れてるのかも判別不可だけど照れてるんだろう。


「きっと近づけば私の子の気配は分かります。


 破壊して探すのは人間さんに免じて少しだけ待ってあげます。


 なので私も人間の町に連れて行ってください」


「王女様がいくなら私も行くぜ!」


 マギナズも人間の姿になる。

 もう何回も人間の姿になっているのでマギナズの方もちゃんと服を着ている。


「大丈夫かな……?」


「バレたら逃げればいいである」


 そう簡単にいくとは思えない。

 なんとかバレないように自分が何とかするしかないとショウカイはため息をついた。


 まず第一に設定が必要だ。


 テラリアスナーズがショウカイのことを人間さんと呼び、マギナズがテラリアスナーズのことを女王様と呼ぶ。

 人間さん呼びも女王様呼びも周りで聞いていて違和感がありすぎる。


 テラリアスナーズはとりあえずショウカイのことを名前で呼んでもらうことにした。

 ずっと人間さん呼びも気になっていたのでいいタイミングだ。


「はぁっ!? 女王様のことを名前で呼べって?


 んなことできるわけねーだろうが!」


 なんていうかマギナズは意外と忠誠心が高い。

 テラリアスナーズのことを崇拝していると言ってもいい。


 女王様呼びはいらぬ注目を集めかねないと説明してもマギナズはテラリアスナーズのことを名前で呼ぶのは拒否した。


 恐れ多くてできないと断固拒否。


「マギナズ……これは必要なことなのです」


「ですが女王様……」


「じゃあ、お姉ちゃん、でもいいですよ」


「い、いや、それこそ呼ぶわけにいかないだろ……」


「どうしてかしら?


 私はあなたよりもだいぶ年上だしいいと思うのだけれど」


「わかりました……姉貴と呼ばせていただきます」


「うーん、ちょっと語感が強そうだけどしょうがないわね」


 お姉ちゃんや名前呼びはダメで姉貴はオッケーなのか。

 姉貴っぽいのはマギナズの方だと思う。


 マギナズの基準がいまいち分からないけれど呼び方はそれで構わないだろう。


 そして次に関係性。

 一応スーハッフルスに入るのには検査がある。


 怪しくなきゃ通してもらえるので大丈夫だと思うのだが、若干の不安が残る。

 お祭りのためにきたと言えばいいけどショウカイと2人の関係性を聞かれたら答えに困ってしまう。


「まあ無難なのは弟だよな」


 姉2人とお祭りに来た。

 似てる似てない云々はよほどのことがない限り人様のお家の事情なので突っ込んでくることはない。


「あら、ショウカイさんもお姉ちゃんって呼ぶ?」


「必要な時はそう呼ばせていただきます」


 こんなお姉ちゃんなら欲しかったなと思わせる圧倒的お姉ちゃんオーラを放つテラリアスナーズがいれば問題はない。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

ブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントをいただけるととても喜びます。


頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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