表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/340

オークションの裏で1

「し、死ぬかと思った……」


 いや、実際に何回か意識が飛んだ。


 マギナズとテラリアスナーズが聞き出した情報によるとスーハッフルスという都市に卵は持っていかれたらしい。

 物が物であるだけにしっかりとした鑑定の元大きな都市で卵の取引をするつもりであった。


 ショウカイはマギナズからそれを聞いてスーハッフルスという都市をギルドで調べた。

 かなり南方にある都市でワダエよりもはるかに大都市。


 囮にされた男が時間を稼ぎ、ワダエでもヤンから情報を引き出すのに数日を費やした。

 卵を見失ってからの時間は思いの外過ぎてしまっていたのだ。


 宿を引き払い、荷物をまとめたショウカイは急ぎスーハッフルスに向かうことになった。

 問題はその移動方法。


 のんびり歩いていたのでは間に合わない。

 ショウカイは馬に乗れないしスーハッフルスまで馬車を雇って急いでくれなんて事情も説明せずに受けてはくれまい。


 それにスーハッフルスまでの道のりは真っ直ぐでなく森を避けたりするために蛇行していて、パッパッと行けるものでもない。


 そこでトンデモナイ解決策が提示された。


 馬も必要ない、道も必要ない、全てを無視した強行軍。

 テラリアスナーズの背中に乗って移動するというアホみたいなやり方。


 ノワールとシズクも乗って荷物を抱えて、そんなみんなをさらに後ろからクマの姿のマギナズが支える。

 ノワールも近くにいて、マギナズに覆われるような形にネコのバスのようなイメージを持っていざ走り出したテラリアスナーズ。


 ふわふわふかふかのネコのバスどころか地獄の特急列車。


 ショウカイのマントにかかってる魔法のさらに一つ上の姿すら認識できなくなる魔法をかけてテラリアスナーズは爆走した。

 景色は飛んでいき、ショウカイの意識も飛んだ。


 マギナズが後ろで支えてくれていなかったらショウカイは走り出して置いて行かれていた。


 道を無視して大体の方向をひたすら真っ直ぐに直進した。

 ものすごい風圧に意識が戻ってもストップをかけられずにまた気を失った。


 止まったのは人の町が近づいてからであって、それもショウカイが行ってみると別の町だった。

 スーハッフルスの場所を聞いて方向を調整して再び爆走することになった。


 結局何日かかったのか不明だけどスーハッフルスと思わしき大都市近くまで来た。


「あれがスー……スーワッフルだっけか?」


「確かめて来ますか……」


「いえ、その必要はありません」


 少し小高い丘から見える大都市を見るスーハッフルスの目に涙が浮かぶ。


「ここに私の子供がいます。


 感じるんです」


 そうしてショウカイたちはスーハッフルスに来ることになったのであった。


「ヒャ〜死ぬかと思ったである」


 ちなみにシュシュも付いてきてくれていた。

 風圧で張り付く服の中で潰れそうになりながらシュシュも耐えていた。


 ノワールは尻尾を振り、シズクは跳ねている。

 この2匹はあの爆速が楽しかったようだ。


「ワタクシは歳なのでもっとゆっくりがいいであるな……」


 まずは例によってショウカイが潜入する。

 もといショウカイは普通に人間なので普通にスーハッフルスに入る。


 高い城壁に囲まれた都市でワダエよりも大きい。


 なんでも3カ国の大きな都市のちょうど中間地点にあって、交易の中心であるために大きく発展を遂げた都市であるらしい。

 3国の合意によってあらゆる税が低く設定されていてそのために人が集まりやすくなっている。


 1つの国家都市のような存在、それがスーハッフルスである。


 自由が大きい分犯罪も蔓延りやすくなる。

 そのために警備も厳しくなる。


 ショウカイは冒険者の身分がある。

 これまでの経歴もコツコツと真面目にやってきたので簡単な荷物検査も滞在の目的を聞かれただけで済んだ。


 怪しい者はもっと細かに荷物をひっくり返されたり身体検査まで受けていた。

 袋の中にいるシュシュが見つからなくてよかった。


 しかしそんな都市でもスパルタスは活動しているし、卵の取引まで行われようとしていることは忘れてはならない。

 大きい都市が故に目が行き届かない部分もあるのだろう。


 町に入ってまずやることは宿探しである。

 タイミングというものもあるがいい宿はさっさと探さないと早めに埋まってしまう。


 場合によってはマギナズも同行することを考えると広めの部屋をとっておく必要もある。


 そして宿の情報を得るのに1番いいのは冒険者ギルドに行くことである。


 他の情報にしても結局冒険者ギルドに行くことがいいのでとりあえず冒険者ギルドに向かうのが冒険者の大体の行動である。

 スーハッフルスはとても広い都市なので町中に主要なものの場所を教えてくれる案内板がある。


 当然冒険者ギルドの場所も載っている。

 冒険者ギルドそのものも広いために2箇所も設置されていた。


「すごい広いであるな〜」


 地図を眺めながらシュシュが感心したように言う。

 この世界における都市の規模でいえば前の世界の大きな都市にも比肩する。


 拡大することを前提にしながら作られた都市であるので主な道は広く確保されて綺麗に区画整理されている。


 ショウカイは時折案内板を確認しながら冒険者ギルドに向かった。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

ブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントをいただけるととても喜びます。


頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ