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狙うもの8

『ヤタ

 性別:オス

 長い間を生き残りハイクロウへと進化を遂げた。

 性格はズル賢く、残虐で、サイコパスな一面がある。

 自己陶酔型で自尊心が高い。

 本来強い魔物ではなかったが知識を使って生き残り、長い時間をかけて力を蓄えて進化をし、強力な個体となった。

 虫が好物でさらなる進化を狙って上位種の虫種を狙っている。

 たまたまアラクネのことを聞きつけて探していた。

 人間のことは見下している。』


 詳細鑑定にウソはつけない。

 とんでもない性格のクソ野郎なのは鑑定を読んですぐ分かった。


 仮に助けてやるなんて言われても信用が一切できない。


 鑑定の結果ヤタの目的はショウカイに筒抜けで、到底受け入れられるものではない。


「いいか、よく考えろ。貴様のような矮小な存在が私に勝てると思うのか?

 私が寛大な態度を見せているうちに……」


「……どうせ逃すつもりはないんだろ?」


「なに?」


「お前、ミクリャを引き渡したとしても俺たちのことを逃すつもりもないんだろ」


「…………どうして分かった」


 面白い。ヤタの目が歪んだ弧を描いて笑う。

 人間を見下した残虐なサイコパスがおいそれと人間を逃すわけがない。


 ゆっくりとショウカイは立ち上がる。


「見れば分かるさ」


「はっはっ……殺しがいのある人間だな」


 ヤタの目から感情が消える。

 魔力による圧力が強まりショウカイの体が硬直する。


「じゃあこうしよう、アラクネとクモと、そこのウルフ。


 そいつらを全て私に引き渡せば人間なぞ見なかったことにしてやる」


 なぜかノワールまで引き渡す側に入っている。


「どうだ?

 これが最後の提案だ」


 ショウカイが答えられるように魔力を少しだけ弱める。


「そんなの……受け入れられるわけないだろ!」


 ショウカイは立ち上がる時ポケットに入れていた煙爆弾を取り出して手に握りしめていた。

 1回限りの使用なので試したりできず、どれぐらい煙爆弾にどれくらい魔力を込めたらいいとか分からない。

 どれぐらい煙が出るかとかも分からない一発本番。


 ここで魔力をケチってしょぼい煙しか出なかったなんて笑えないのでそれなりに魔力を込める。


 これは賭け。


 地面に煙爆弾を叩きつける。


「なんだと! 下手な小細工を……」


 地面に煙爆弾がぶつかった瞬間煙爆弾が弾けて煙が広がる。

 一瞬で噴き出た煙はショウカイを包み、ヤタまで巻き込み、木が切り倒された周り全体を覆い隠すほど広がった。


 相当量の魔力を込めた煙爆弾は最大に近い能力を発揮して煙を撒き散らした。


「くだらん!」


 攻撃が来るかもしれないと待ち構えていた。

 しかしいくら待っても攻撃は来ず、煙も中々消えないので相手が逃げたことを察する。


 翼を広げて一振りすると風が巻き起こり、煙が吹き飛んで晴れる。


「くっ……人間風情がふざけたマネを!」


 目の前からショウカイは既に逃げ去っている。

 煙の効果で一時的に相手の気配が察知できないのだとヤタは思っていた。


 しかし煙が晴れてもショウカイの気配をヤタは感じ取れないでいた。

 まだ近くにいるはずなのにどこに行ってしまったのか全く感知ができない。


 ハイクロウになったヤタには人間の気配なんて簡単に分かるはずなのに。


「探せ! この森のどこかにいるはずだ!」


 ヤタの後ろの森から一斉にカラスが飛び立つ。

 何十羽というヤタの部下のカラスがショウカイを探しに森の上空に広がっていった。


「逃げられると思うなよ、人間が」


 ヤタ自身も翼を羽ばたかせショウカイを探しに飛び立った。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

ブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントをいただけるととても喜びます。


頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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