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狙うもの1

 クモ系の魔物の上位に位置するアラクネのミクリャはかなり優秀だった。

 動きは素早く普通の魔物では捉えきれない。


 学習能力が高くシュシュのマネをして糸で敵を妨害したり糸で相手の首を絞めたりと応用も見せたりしていた。


 奇しくも現在は良いとされる4人パーティー。

 4「人」ではないけれどショウカイとノワールが前で戦い、シュシュとミクリャが後ろからサポートしてくれる。


 本来想定される人間のパーティーとは違うけれど役割分担のあるバランスの取れた戦い方ができている。

 相当戦いやすく、パーティーを組むことの大切さを思い知った。


 戦い終わった後は魔物死体を処理するようにした。

 本当の最初は放っておいたのだが糸を使ってのサポートがあったのでクモの痕跡が残ってしまうことに気がついて処理するようにした。


 ノワールの噛み跡とクモの糸、剣の切り傷があったら明らかに不自然。

 長いこと放置して置かれれば魔物が処理してくれるが人に見つかると面倒なことになる可能性もあるとシュシュと話した。


 ノワールに浅く穴を掘ってもらって死体をそこに入れてショウカイが火をつける。

 とりあえず糸が燃えて無くなればよいので軽く燃えたことを確認したらノワールに土をかぶせてもらう。


 わざわざ焼け焦げた死体を掘り起こして傷跡を確認する物好きはいないだろう。


 なんだかんだちょっとした魔物との戦いなら問題はなく、人に会うこともなくワダエの町に着いた。


 流石に一国の首都であるタウモーズに比べてしまうとそれほどの賑わいは見られないが国境に近く、隣国との交易の中心でもあるのでそこそこ賑わいがある。


 例によってノワールはワダエの外でお留守番。

 宿が決まって部屋の中で呼び出すまでは隠れていてもらう。


 シュシュは相変わらず袋の中。

 意外と暗くて狭いところは落ち着くらしくて袋の中は嫌いじゃないみたい。


 ミクリャは袋の中に入るのを嫌がったのでショウカイの服の中にいる。

 クモの足を引っ掛けて上手く落ちないようにしていて、時々ショウカイの胸元から目だけ出して周りをうかがったりしている。


 とりあえず宿を探してノワールを呼び出した。

 その後冒険者ギルドに行こうとしたのだがミクリャはショウカイの服の中から出て行かなかったのでしょうがなく連れていくことになった。


『ノワールが寂しがっています!


 ノワールが嫉妬しています!』


 ノワールよ、ちょっと大人になってくれ。

 ミクリャだけ連れて行ったことに納得いかなかったのか早いうちから表示が出る。


 ショウカイだってノワールを連れて行けるものなら連れて行きたい。

 どうしてもそうするわけにはいかないので慣れてもらうしかない。


 今後もこうして宿に置いて行かざるを得ないので不満でも我慢して欲しい。

 まあ、今回はミクリャのことがあるからかもしれないが。


 ワダエの冒険者ギルドの中は酒場というより食堂に近い感じがしている。

 普通に食事をしている人もいて、ちょっと値段を見てみると安かった。


 このギルドでは社員食堂などみたいに安く早くそれなりの品質の食事を出していた。

 何なら冒険者証を出せば後の依頼料にツケて食事を取ることもできる。


 酒場の感じよりも明るくてショウカイはこの方がいいなと思った。


 ギルド部分も雰囲気が異なっている。

 壁に貼られた依頼書もバラバラに貼られているのではなく整然と綺麗に貼られている。


 量的にはタウモーズには及ばないけれど流石にサルモスが一掃してくれた後よりは多い。


 依頼の感じはあちらになかったようなものもあって薬草もタウモーズとは違うものもチラホラ見える。

 当然依頼の穴あきも無い。


 受けてもよさそうな依頼は意外と多い。

 確認も済んだので次は受付に向かう。


 ワダエ周辺の地図を見せてもらう。

 目的地はワダエそのものに着くことではない。


 ワダエ周辺にあるという森の中にあるというアラクネのところである。

 ミクリャの親の姉なら叔母とでも言うのか。


 地図を見せてもらうと近くにある森は3つ。

 しかし候補になりそうなのは2つである。


 まず候補にならなそうなのはタウモーズからワダエまで来る途中の道にかかる森。

 真ん中を道が通っていて森の規模として小さいのでアラクネの巣があるようには見えない。


 残る2つの森はそれよりも大きな森で奥の方までは道がつながっていない。

 ワダエの近くに1つと離れたところに1つ。


 可能性的には町の近くよりも遠いところだろうなとは思いつつ探すならまずは近くからだなと思う。


 探索するところは決まったのでその森周辺で出来そうな依頼をいくつか受けてその日は宿に帰ることにした。


「なあ、聞いたか?」


「あ? 何をだよ?」


 プラプラと歩いていると後ろにいた冒険者らしき2人組の会話が聞こえてきた。


「南の方に出たオーガキングを剣帝が倒したらしいぜ」


「マジかよ? オーガキングなんて言ったらAクラスの魔物だろ?」


「まっ、剣帝はSランクだしな。

 しかも今度そのオーガキングの魔石をオークションに出すらしいぜ」


「へぇ〜、俺たちには到底関係のない話だな」


「お前もオーガキングの魔石を吸収できたら少しは役に立つんじゃないか?」


「ウッセ! オーガキングの魔石なんか買おうと思ったら破産するわ」


 炎帝の話を聞いた時にどこかで聞いたような気がする剣帝。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

ブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントをいただけるととても喜びます。


頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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