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マンドラゴラ講座

 マンドラゴラはショウカイでも何となくイメージがある。

 抜くとヤバいやつじゃなかったかなと思う。


 人型の根っこで無理やり引き抜くとこの世のものとは思えない叫び声を上げる。

 その叫び声を聞いてしまうと死ぬ。


 みたいな感じだった。


「その印象は間違っていないですね。


 マンドラゴラは無理やり引き抜こうとすると叫んで自衛することがある。

 ただ無理やりじゃなきゃそんなに危険なものじゃない」


 マンドラゴラ採取、引き受けちゃった。

 ただそんなに行ったり来たりする面倒なものではない。


 ビクシニアン国内にマンドラゴラの生息地があってそこで採取してくればいい。

 採取した後も戻らずに別の製薬会の支部がある都市に行って納品すればいいということになった。


 じゃあ紹介してくれる件はどうなったかというと先に紹介状を書いてくれた。

 先んじて手紙も送って伝えておいてもくれるらしい。


 そんなことしたら逃げてしまう可能性もあるのにと思うけど逃げたら製薬会に追われることになる。

 ということで他のヘビス族とは別れてジザルデスと共に旅をする。


 ビクシニアンは東西へ横に伸びた形をしていて東側がユニシア王国と接している。

 ショウカイたちがいるのは南西付近でマンドラゴラの生息地は中央寄りの西側の北に存在している。


 だからショウカイたちは北東に斜めに進んでいく形で北上していた。

 道中始まるマンドラゴラ講座。


「マンドラゴラは意外と協力的な魔物なんだ」


「そもそもマンドラゴラは魔物なのか?」


「マンドラゴラは魔物だ。


 植物型の魔物になるな。


 タイプ的にはトレントなどと同じになる魔物だ」


 ショウカイのイメージとしてはマンドラゴラっていうとなんか植物のイメージだったけど叫ぶ植物がただの植物な訳がない。

 マンドラゴラも魔物である。


 攻撃性はなくて他のものを襲うこともしないのでほとんど植物と変わりないのであるけれど意思はある。

 基本的には地面に根を張っているので移動もしない。


 触れなきゃ危険は全くない。


「そしてマンドラゴラの根を採取して使うのだけどその点においては……妖精みたいなものだ」


「妖精ってどういうことですか?」


「妖精も妖精の粉を採取して使うことがある。


 妖精は友好的でわざわざ倒して粉を採取するのではくて交渉なり物々交換して粉をもらうのだけどマンドラゴラも似たようなものなんだ」


 どういうことなの分からなくてショウカイは首を傾げる。


「マンドラゴラも妖精と同じように危害を加えなきゃ友好的で根っこの先なら採取させてくれるのだ」


「へぇ」


 ならそんなにマンドラゴラの根の採取に問題はないだろうと思う。

 国内にマンドラゴラの生息地もあって倒さずとも採取できるのになんで不足するなんてことになるのだろうか。


「考えていることは分かる。


 どうしてマンドラゴラが不足することになっているのか疑問なんだろう?」


「まあ、そうですね」


「それは理由があるんだ。


 なぜか分かっていないがマンドラゴラと魔人族は相性が悪いんだ」


「そういえばそんなこと前も言っていましたね」


「不思議なことにマンドラゴラは魔人族に対して怯えてしまって協力してくれないのだ」


「魔人族に怯えてしまう……んです?」


「そうだ。


 魔人族がマンドラゴラを引き抜いてしまうと漏れなく叫んでしまうのだ」


「他……人族だと違うんですか?」


「全ての人族に対してではないが気に行った相手には心を許してくれるようだ。


 そこまで行かなくても悪くない人になら伸びすぎた根を切らせてくれるのだ。


 だからこの国にいるマンドラゴラも時々人族がきて採取していた。

 今はこのような状況で人族も来れなくなって、採取も輸入もできなくなってしまったというわけだ」


 マンドラゴラは不思議な生き物である。

 地面に根を張って動かないのだけど全く動かないのでもない。


 地面から抜け出て移動することもある。

 そうなった時に根が伸びすぎて強く根が張られすぎていると困るので人に切ってもらうことがある。


 そうしてマンドラゴラの根は採取されるのだけどなぜなのかマンドラゴラは魔人族には心を開かない。

 怯えてしまって触れられることも許さないのである。


「妖精も気に入ったら妖精の粉をもらえるからそうした点で妖精とマンドラゴラは似ているのだ。


 ショウカイさんがマンドラゴラに気に入られるかは分からないけどしばらく人の手が入っていないので根ぐらいは切らせはくれるだろう」


「そうですね」


 とは言いつつもマンドラゴラが魔物ならチャンスはあるとショウカイは思った。

 もしかしたらマンドラゴラにも話が通じる可能性も十分にあり得る。


 デラインスはショウカイの能力なんて知りはしないと思うが意外なことにショウカイはマンドラゴラの根の採取にもっとも適した人なのかもしれない。 

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

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頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


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