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アラクネもの1

 炎帝とは三帝と呼ばれる冒険者の1人で冒険者の中で最高ランクであるSランクに上り詰めた天才。

 名前の通り炎を扱う冒険者であり剣帝や獣帝と呼ばれる冒険者たちに並ぶ強者である。


 相当有名な冒険者で名前を聞くと簡単にみんな教えてくれた。

 何でも積極的に魔物を倒して回るので冒険者の鏡だの言われている。


 神出鬼没でどこにいるか分からない冒険者でもある。


 近くにいて、会ったと言うと興奮している冒険者もいた。


 そんなにすごい人なら詳細鑑定でスキルでも覗き見してみれば良かったと思った。

 忙しく動き回っている人のようなので2度と出会うこともないだろう。


「おめでとうございます。

 ショウカイ様のご実績が認められましてFランクへの昇格となりました」


 サルモスに出会ってから数日、ところどころ焦げたような森でゴブリン狩りに精を出した。

 慣れてしまえばゴブリンに何かを感じることもなくなり、一気に10体のゴブリンを相手にしても怪我なく勝つことができた。


 連日1人でゴブリンを見つけ出してそれなりの数倒して持ってくることに受付は驚いていた。


 そしてある日、今日は少なかったかななんて思いながらゴブリンの耳を受付に納品するとこう言われた。


「これで一人前の冒険者と言ってもいいですね」


 これまでの冒険者の身分証は簡易的なもので単にカードだったのだが今度渡された身分証は同じカード状でもちゃんとしたものであった。


 これまでは半人前扱いだったのかと雑な作りの身分証を見て納得する。

 新しい身分証は前のものとは比べ物にならない。


「今後の実績などはこちらの身分証に記録されますので無くさないように気をつけてください。

 再発行には料金もかかりますし、過去の実績が分からなくなる可能性がありますので。


 こちらの新しい身分証に魔力を注いでください」


 身分証に触れて魔力を注ぐ。

 ポッと一瞬身分証が光る。


「はい、これで登録となりました。


 改めましておめでとうございます」


「ありがとうございます」


 このカード型の身分証は過去に行った依頼とか持ち主の魔力にしか反応しないようになっている魔法とか様々な最先端技術が集まってできている。


 何の前兆もなかったので驚いたけれどFランク昇格は嬉しい驚きである。


 Fランクにもなるとグッと依頼の幅も広がる。

 近くの町や遠くの町での依頼や一部では他の国にまで行くような依頼まで混じってくる。


 町周辺での依頼はあまり増えたとは言えない。

 首都なんて大きな都市周辺では出る魔物もそれほど多くはないのだ。


 それでもGクラスの時に比べれば選択肢は増えたと言える。

 中にはウルフの討伐依頼もある。


 受けるつもりは当然ない。

 同族嫌悪しているノワールなら喜んでやりそうだけどショウカイにとってはノワールの顔がチラつくのであまり気は進まない。


 それにノワールを見ているとウルフって強いんじゃないかと思える。

 1人と1匹のパーティー、無理は禁物です。


 どの魔物が危険なのかとかどれぐらい強いのかショウカイには分からない。

 なので分かりやすい基準を参考にすることにして、依頼を選ぶ。


 依頼書に魔物の危険度なんて親切なこと書いていない。

 基準にするのは貰える依頼料である。


 考えてみれば当然のことで危険なほど貰えるお金は高く、そうでなければ安い。

 貰える依頼料はちゃんと記載されているのでそれを参考にして高いものには手を出さず、低いものから徐々に上げていけば良い。


 ということで安い依頼から見ていく。

 流石に安いものだとGランクと変わりがなく違いがわからない。


 チコニソウではない別の薬草の採取や貴族の雑用みたいなものもある。

 薬草の名前はチコニソウを探している時にも見たことがあるので受けてもいいかもしれない。


 鑑定スキルがあれば探し放題なので複数でもこなしきれる。


 少しずつ依頼料を上げて依頼を見ていく。


 討伐系の依頼にも2種類ある。


 魔物には食料や素材になるものも多い。

 そうした魔物そのものが目的であって討伐を依頼するものがある。


 もう1つは魔物が脅威で取り除いてほしいというもの。


 前者は魔物が目的なので倒した魔物を持ち帰らなければいけない。

 しかも綺麗に魔物を倒す必要がある。

 その分依頼料も高額になっている。


 後者であっても自分で持って帰ってきたり解体して素材を持ち帰ってくれば買い取ってくれる。


 ショウカイには魔物を持ち帰る方法も解体する技術もない。

 必然的に単純に駆除する方の討伐しか受けられないということになる。


 ショウカイはFランクの中でいくつかの薬草採取依頼と西の森のゴブリン討伐、コボルト討伐を受けた。


 犬っぽい見た目のコボルトはちょっとだけ心配だけどこれ以上は依頼料高めゾーンに入ってしまうので仕方がなかった。

 ちなみにウルフ討伐はコボルト討伐と同じくらい、ゴブリンより1つ上の依頼になる。


 ウルフとコボルトが同格なら危ないかもしれないから気を引き締めていかなければいけない。


 西の森のゴブリン討伐は先日まではなかった新しい案件。

 受付に聞いたところ東の森でのサルモスの活躍と西の森でウルフが積極的に討伐されたことで勢力図が変わってしまったらしい。


 何にしても西の森ならちょうど良い。

 そう思った。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

ブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントをいただけるととても喜びます。


頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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