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魔人族ってなんだろな

 魔人族の国は魔人族と呼ばれる種族がより集まって出来た国である。

 魔人族とは神の祝福を受けない種族などと言われたりもする。


 その理由としては職業やスキルを持たないのである。

 ショウカイあればサモナーであるような職業やサモナーのスキルは神からの祝福や贈り物だとされる。


 人の成長の方向性をある程度決めてしまう代わりにその方向の能力を大きく伸ばしてくれる。

 人々はそれを神の祝福で人が魔物などの脅威と戦ったり対抗するために与えてくれたものだと感謝している。


 ショウカイはどうなのかと思う。

 ある程度道を決めてくれるがどんな道でも自由に歩むことが出来ないということでも裏を返せば言えてしまう。


 ショウカイも今では魔物を仲間にすることに成功したからよいがそうでなければただ使えない職業を与えられてどうしようもないところだった。

 しかしどうであれ職業やスキルは神から与えられた祝福で職業やスキルを持たない魔人族は神の祝福を受けない種族であるとされる。


 ちなみに普通の人は人族と言うのだけど魔人族に対して本当の人という意味で真人族と言ったりもする。

 あくまでも人族からの発信であるが。


 そうして魔人族は職業がないのだけどその分魔人族は能力と自由度が高い。

 魔人族は職業に縛られない。


 剣を極めたければ剣を取り、魔法を極めたければ魔法を練習する。

 どんなことでも自由である。


 さらにその上基礎的、総合的な能力を見ると魔人族の方が普通の人よりも高い。

 ただしやはり職業やスキルによる上達の早さは職業持ちが強い。

 

 剣の技量だけを見ると剣の最上級職業を与えられた人族と比べると剣を極めた魔人族はやや劣りやすい傾向にある。

 魔力や身体能力か魔人族の方が高いので強さ的に見れば差はなくなるけれど。


「俺が思うにはな、嫉妬だよ」


 種族が違うこと、職業を持たないことの違い。

 差別的な意識はどうしても生まれる。

 

 だけれど魔人族は能力が高くて自由である。

 そこに嫉妬や妬み、そして職業が故にどうにもならない自身への閉塞感や劣等感などが生まれる。


 そうしたことから人族と魔人族はあまり仲が良くない。


「ここ何十年も安定してたんだけどな……」


 必要なのは情報。

 魔人族の国に入る前に魔人族についての情報を集める。


 アステラを連れて酒場で話を聞く。

 美人が隣に座って酒の一杯でも奢ると人の口は途端に軽くなる。


 魔人族について聞いてみるとすらすらとみんな話してくれる。


「俺は魔人族に会ったことがあるが別に他の奴と変わりゃしない。


 むしろ良いやつが多いぐらいなのにな」


「どっかのバカ国が戦争なんかふっかけるせいで他の国に対しても鎖国だもんな」


「しょうがねえよ。


 俺は魔人族の方を支持するが人族のスパイかどうか判別できねえもんな。


 関わってやらねえ方があいつらのためだ」


 そして色々と話を聞いてみて分かったこととしては意外と魔人族を支持する人もいるということだ。

 冒険者なんかは魔人族に対して寛容な人が多い。


 魔物の討伐などで魔人族と接することもあるらしく実際そうした人は魔人族は悪いものでないと言う。

 逆に接したことのない人は魔人族のせいで戦争になったとか近くにいない方が良いとかそうした意見を持っている。


 とりあえず戦争状態にあることは確かなようだけどその発端や原因の詳細はさまざまな話があってどれも強い根拠がない。

 ただ一定数魔人族の王だから魔王だと認識している人もいた。


 魔人族について正しく知識もなく偏見だけで恨みを持っている。

 そんなこともあるので情報や噂が錯綜している。


「ウソに惑わされず真実を見極めることは政治において必要で私もそうした能力はあるつもりでしたが今回ばかりは何が本当か分かりませんね……」


 みんな用に色々と食べ物を買い込んで帰る。

 歩きながら情報を整理しようにもある人の意見とある人の意見を比べると真反対だったり、どうにも矛盾していたりと順序立てて整理することが難しい。


「……ちなみにショウカイ様は事実を知ってどうなさるおつもりですか?」


「どうするか……」


 そう言われても困る。

 なんだか最初に聞いていた話と異なっているから気になって来てみたけどその先にどうするのかよく考えてなかった。


 戦争というか先に攻撃を仕掛けてきたのは魔人族で対抗するためにショウカイは呼び出されたと説明を受けた。

 それが違っていたのならショウカイはどうして呼び出されたのかという話になる。


 もし仮に先に攻撃を仕掛けたのがユニシアの方であった場合にその正義はどこにあるのだ。

 そもそも相手も正確な話では魔王ではない。


「もし……あの国が不義理なことをしているというのなら俺はそれを許さない」


 勝手に呼び出して殺そうとして、ショウカイは逃げ出した。

 今だって胸の奥にくすぶる思いがある。


 復讐で誰かを殺すってのもちょっと違う気がする。

 仮に勇者を呼び出した目的が私利私欲のためであったならそれを暴いて戦争の邪魔してやろうと思う。


 ショウカイは魔人族を救うとかそんな御大層な人間ではない。

 けれど魔人族が欲のために戦争を仕掛けられているなら助けることも悪いことじゃないし魔人族を助けることで復讐にもなる。


「……だからどうするかは魔人族にも聞いてからだな」

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

ブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントをいただけるととても喜びます。


頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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