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秘密のパートナー1

『ノワール(従属)

 性別:メス

 性格:甘えん坊、寂しがり屋、孤高、マスター至上主義、同族嫌悪、肉好き、ポーション嫌い

 スキル:牙術、爪術、体術、潜伏、鋭い嗅覚、疾走』


 ちょっとだけ負けた気分になった。

 ノワールはなんと戦闘系スキルを持っていた。


 魔物がスキルを持っているとは意外だった。


 ショウカイよりもよっぽど戦い向きで嫉妬してしまう。


 性格は予想通りのところもあるけれどよくわからないものもあった。

 孤高なのに甘えん坊だったりマスター至上主義とは何なのか。


 同族嫌悪とかは怪我をした経緯に関係していて、ポーション嫌いはきっと無理矢理飲ませたことが原因だろう。


 ショウカイはノワールを従属させた次の日、準備をしっかりと整えてノワールのところに来ていた。

 準備とはテントや寝袋など外で寝るための準備。


 ノワールを町中に入れるわけにいかないのでショウカイが外で寝ることにしたのである。

 幸い空洞はそれなりの広さがあって住めるといえば住める。


 宿のベッドは惜しいけどずっと寂しがっている表示が出て落ち着かないのでそうすることにした。


 悪戦苦闘しながら1人でテントを立てた。

 火の心配はあったけど入り口近くで軽く燃やしてみたら上手く煙が外に出てくれたので空洞の中で燻されることはなさそうだ。


 ノワールは作業している間もずっとショウカイの側を離れない。


 とりあえず1人で準備する大変さを噛みしめながら野営の準備を終えてノワールの能力を詳細鑑定で確認した。


 戦える仲間と言って良い。


「まずは……」


 実戦で確認といこうか。


 ノワールを連れて外に出る。

 少し周辺を歩き回り、森の中を探索して見つけた。


 因縁の相手。ホーンラビットである。


「よし、ノワール、あれを取って……来るんだ」


 ノワールがスキルの疾走を使う。

 走り方が適正化されて全身が魔力で強化される。


 ホーンラビットがノワールに気づいた時にはもうノワールの牙が首にめり込んでいた。


 早い。

 まるで一陣の風のようにあっという間にホーンラビットに接近して仕留めてしまった。  


 想像を遥かに超えて戦力になってくれそうだ。


 その日は1日狩りに時間を費やした。

 スキルにある通り鼻が優秀で耳もよいのでノワールはホーンラビットを簡単に見つけ出してくれた。


 流石に牙の跡があってはギルドに提出できないと思って途中からはノワールに追いかけてもらってショウカイが仕留めるという方法を取った。

 最初は上手くいかなかったけれど段々とショウカイとノワールも要領がわかってきてホーンラビットを何匹か狩ることができた。


 同様にノワールの能力で森に来ている人も避けることができた。


 感知範囲が非常に広く斥候役としても活躍してくれそうである。


「よし、こんなもんかな」


 暗くなってしまったのでホーンラビットは翌日納めに行くことにして空洞に戻った。


 ショウカイはまだ葉っぱのついた枝なんかを拾ってきて入り口を軽く隠した。

 完全に塞いでしまうと焚き火の煙が逃げないので見えにくくする程度ではあるけれど穴丸出しよりはいいだろう。


 本日の晩御飯は買ってきたお肉を焼く。

 ノワールにも分けつつだがノワールは自分で狩ったホーンラビットも食べていた。


「そういえば……」


 従属スキルは魔物を懐柔すれば従属させられる可能性を感じた。

 そしてもう1つスキルがあったことを思い出した。


「召喚!」


 召喚スキルである。


「おわっ!」


 使った瞬間ショウカイの後ろで焼いたお肉を食べていたノワールがショウカイの目の前に現れた。


 ショウカイもノワールも何が起きたのか分からずポカンとしてしまった。

 まさしくノワールが目の前に召喚されたのだ。


「ごめんごめん。お肉食べてて」


 ノワールの食事を再開させて召喚スキルについて考える。

 図鑑では魔石から呼び出すためのスキルのように書かれていた召喚スキル。


 これもまた誤って記載されていて従属させた魔物を呼び出すことができるスキルだったのか。

 しかし図鑑の記載が間違っていたとは限らない。


 魔石から召喚スキルで魔物を呼び出して従属スキルで従わせることができるということもできないとはまだ言い切ることができない。


 まあ何であれノワールを召喚スキルで呼び出すことが出来る。

 これはたった今確認できた。


「……待てよ?」


 チラリとノワールを見る。

 焼いたお肉が美味しかったのかノワールは食べ終わった後のお皿を綺麗に舐めていた。


 まだ判断を下すには早計である。


「よし、ちょっと試してみるか」


 ショウカイが立ち上がり歩き出すとノワールも慌てて付いていく。


「ちょちょちょ、ノワール、あっちで待っててくれない?」


 これじゃ試したくてもできない。


 ノワールには空洞の端の方にいてもらい、ショウカイは空洞の真ん中に立つ。


「召喚! よしっ!」


 端にいたノワールがショウカイの前に一瞬で移動する。


「ノワール、また端に行ってくれる?」


 ノワールにまた端に行ってもらい、今度はノワールのいる端の逆側の端まで行く。


「召喚!」


 再びノワールがショウカイの前に現れる。

 目の前に来るたびに尻尾を振ってくれる可愛い奴め。


「これなら……イケるかも?」


 ショウカイはとあることを思いついていた。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

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評価ポイントをいただけるととても喜びます。


頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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