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協力を取り付けよう1

「お呼びたてしてすいません」


「いえいえ、重要な情報があると聞いては来ずにはいられません」


 ゲーリジェンに戻ってきたショウカイたち。

 どうすべきか悩んだのだけどショウカイたちだけでバンシークイーンを倒すのは不可能だと判断した。


 実力のある冒険者たちの力を借りられるならその方がいい。

 今回の討伐のリーダーでもある魔帝ニンファスにまず話をしてみようと思った。


 ギルドを通して話したいことがあると伝えると周りの魔物を討伐するのから戻ってきてすぐに席を設けてくれた。

 Cランクの冒険者にわざわざ会ってくれるなんてありがたいことである。


「それで相談したい重要な話とはなんでしょうか?」


 ギルドの一室、ニンファスの切れ長の目がジッとショウカイを見据える。

 ニンファスはショウカイの情報を頭に思い出していた。


 不思議なCランク冒険者。

 活動履歴も奇妙でコツコツと積み重ねてCランクに上がったのではなくSランク冒険者である剣帝と協力してSランク犯罪者やSクラスの魔物を倒したとされている。


 そのくせランク昇格の簡単な依頼はクリアするのに長い時間をかけている。

 冒険者としての実力を剣帝の強い推薦があると書いてあったのでCだけど内情を伝えてみた。


 もしかしたら剣帝に話でもしてきてくれれば儲け物だと思った。

 冒険者としても単独であると聞いていたがどうやらそれは間違いだったみたいである。


 ただ連れている仲間も奇妙。

 威圧感のある鎧の騎士と褐色肌の獣人を仲間として連れている。


 どちらも弱くなさそうだが鎧の騎士は全く話さないし獣人の方は理解できない言葉を時々話している。

 それに加えて今回はもう1人連れている。


 フードを深く被っていて顔は良く見えないが女性。

 しかも容姿はかなり良さそうだ。


 剣帝と知り合いじゃなかったら直接会うこともしなかったが今回は剣帝の顔を立てて会ってみた。


「単刀直入に言うとバンシークイーンを倒す方法が分かりました」


「なんですって?」


 ニンファスが驚きに眉を寄せる。

 未だにニンファスでもバンシークイーンの倒し方は分からない。


 どこかにライフベッセル的なものがないかと検討でもつけようとヴァルシュゲルフェン城の設計図なども探している。

 けれどもなんせ占領されてから久しい城でまともな資料も残っていない。


 幸い周りにいる魔物の数は多くてまだ時間稼ぎはできるがどこまでそんなことをしていられるかとなってきていた。


「あなたが、バンシークイーンを倒せるとでも?」


 悪いがショウカイにバンシークイーンが倒せるとは思わない。

 ニンファスも実力者なので相手の強さをある程度押し測ることができる。


 ショウカイはあまり強くない。

 ショウカイが連れている2人の方は強いがバンシークイーンを倒せるほどではない。


 いきなり離脱したと思ったら一体何をしていたのだ。

 ニンファスの目に疑念の色が混じる。


「誰も私が倒せるとは言っていません。


 倒す方法が分かったと言ったんです」


「そうでしたね」


 いささか結論を焦った。

 別にショウカイが倒せるとも倒すとも言っていない。


「倒す方法とは?」


 そう言うということは通常では倒せないことも逆説的に言える。

 疑いつつもショウカイの言葉には僅かな期待を寄せる。


 そうなるとバンシークイーンを倒せなかったのは己の実力不足が原因ではなかったのだから。


「前におっしゃいましたね。


 バンシークイーンはリッチのようなものではないかと」


「……そうですね。


 あくまで1つの仮定としてですが倒せなかったのには理由があるのではないかと思っていました」


「その仮定あながち間違ったものでもありませんでした」


「あなたは何を掴んだのですか?」


「バンシークイーンの正体です」


 バンシークイーンを倒せることはわかった。

 けどそれを実際に実行できるかはまた別問題だった。


 アステラがバンシークイーンと1つになって動きを邪魔できるかも不明で、邪魔できたとしてもショウカイたちにバンシークイーンを倒せるとは限らない。

 ニンファスは前回の討伐で実質的にバンシークイーンを倒した。


 アステラがいたので復活再生してしまったけれど火力は十分である。

 その上アステラをバンシークイーンのところまで連れていく必要もあるのだ。


 考えれば考えるほどに冒険者、特にSランクのニンファスの協力は必要である。

 だからショウカイやライム、アステラは考えた。


 ライムやアステラの正体やその経緯を伝えずにうまく誤魔化してアステラを連れてバンシークイーンのところまで行けばバンシークイーンを倒せる可能性があると伝える言い訳を。

 少しショウカイは感動した。


 誰かと相談しながらアイデアを捻り出すことの素晴らしさよ。

 ショウカイが1人で悩んでいる時みんなは大体邪魔はしないようにはしている。


 ノワールがそこらを走り回っていたり、シュシュやミクリャが出した糸でブランコしてたりと要は遊んでるんだけど。

 シュシュなんかは時々知恵を出してくれるけど基本はショウカイ1人で頭をひねるのであった。


 しかし今回はライムやアステラもいた。

 あーでもないこーでもないと考えをブラッシュアップ出来る。


 1人でこんなでいいだろうかと不安に思いながら恐る恐る試す必要がないのだ。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

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頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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