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囚われの女王5

 驚いたショウカイが一歩たじろぐ。

 入ってきたショウカイたちに気づいたように中央のローブのスケルトンが顔を上げた。


「ログダルケイオス……」


 額に黄色い宝石が埋め込まれているローブのスケルトンが声を出した。

 眼球もなくどこを見ているのか分からないスケルトンに顔を向けられて気味の悪さをショウカイは感じていた。


 よく見るとスケルトンたちの後ろに扉がある。

 あたかもスケルトンたちはその扉を守っているように見えた。


「何を言ってるである?」


「シュシュにも分からないってことは魔物の言葉だからってわけじゃないみたいだな」


 ローブのスケルトンが発した言葉はショウカイに理解できない単語なので特殊な魔物の言葉かと思った。

 けれどシュシュやスーにもその言葉の意味がわかっていなかった。


 意味を持った言葉でショウカイたちがそれを知らないから分からないのだ。


 その言葉の意味をライムは理解していた。


「それは口に出すのもはばかられる堕落した神の名前です」


 ライムが剣を抜いてローブのスケルトンに突きつけるように向けた。


「……侵入者だ。


 倒すのだ」


 ローブのスケルトンが手を上げると左右に控えていた鎧を着たスケルトンたちが動き出す。


「みんな、戦闘だ!」


「気をつけてください。


 あいつはリッチで、周りのはスケルトンナイトです!」


 ローブのスケルトンはライムによるとリッチだった。

 周りのスケルトンも単に装備を身につけているだけでなくスケルトンよりも強いスケルトンナイトであった。


 スケルトンなのにこれまでのものとは違ってきびきびとした動き。


「ふん!


 くっ!」


 一歩踏み込んでノワールがスケルトンナイトの頭目がけて拳を突き出した。

 これまでのスケルトンなら容易く頭を砕かれていた。


 けれどスケルトンナイトはノワールの拳をかわし、剣を繰り出した。

 間一髪剣をかわしたノワール。


 このスケルトンナイト只者じゃない。


 4体いたスケルトンナイトのうち1体がノワールに向かい、1体はショウカイに向かった。


「お、俺だって!」


 熊公を抜いてスケルトンナイトと戦うショウカイ。

 両手持ちの大きめの剣を片手で振り回すスケルトンナイトは剣の回転も早く力も強い。


 なんとか剣を受けるショウカイ。

 受けられるだけ成長した方だけどそのまま戦っていたらすぐに負けてしまうことは目に見えるほど実力差がある。


「だけど俺は1人じゃないんだよ!」


 カッコよくセリフを吐いたけどショウカイの体勢は剣を弾かれて大きく胸を空けた状態。

 剣を手放さなかっただけ偉い。


 ショウカイを真っ二つに切り裂こうとスケルトンナイトは横に剣を振ったがショウカイの胴体に当たった剣はピタリと止まった。

 ショウカイのセーフティーネットシズクのおかげである。


 シズクも進化を経て成長している。

 単純に物理的な打撃攻撃には圧倒的に強いがそれ以外には弱い。


 斬撃は防げないし魔法にはかなり弱くて致命的である。

 そこでシズクは魔法の耐性はともかくとして斬撃に対する耐性を上げることにした。


 魔力を込め柔らかく包み込むようにして剣を受け止める方法を編み出した。

 まだまだ連続攻撃には対応できないけど最初の一撃だけならほぼほぼ防げるぐらいになっていた。


 真剣白刃取りみたいなものだ。

 ほぼなので心配はあったけどショウカイの実力でスケルトンナイトの剣を防ぎきれなかったのでシズクを信じるしかなかったけど大成功。


「動くなである!」


「吹き飛べー!」


 スケルトンナイトに対するのはショウカイだけではなくシズクもいた。

 そしてさらにシュシュとスーもいる。


 スケルトンナイトの体がシュシュの糸に絡め取られて動かなくなる。

 隙を伺っていたスーがスッとショウカイの影から飛び出して両手を目一杯に伸ばして魔力を集める。


 ピカっと光ってスケルトンナイトの頭が吹き飛んで体が後ろに倒れる。

 スーの光魔法だ。


 1人に見えて実は4対1の戦い。

 見事な連携でスケルトンナイトを1体撃破した。


 危なげないとは言えない戦いだったかもしれないけど勝ちは勝ちだ。


「砕けろ!」


 一方でノワールもスケルトンナイトを倒していた。

 速度でノワールを上回るスケルトンナイトはノワールの攻撃を巧みにかわしていた。


 相変わらずノワールは物理的な攻撃しかできない。

 殴る蹴る、あるいは狼形態での噛み付くなど攻撃の種類としては非常にシンプルだ。


 体術スキルがあるためにある程度補えているけれどそれも直接戦闘スキルではないので補助にしかすぎない。

 けれど速度の差もわずかで疲れを知らないように攻撃を続けて潜り込んでくるノワールにスケルトンナイトも反撃の糸口を見出すことができていない。


 大きく上半身を回すように繰り出されたフックを上体を逸らしてかわすスケルトンナイト。

 拳は風切り音を立てて目の前を通過していった、はずなのに。


 脇腹に衝撃を受けてスケルトンナイトの体が横に流れる。

 スケルトンナイトも魔力を感知して動いているので見なくても分かっているのに思わず顔を向けてしまった。


 脇腹に当たったもの。

 それはノワールの尻尾だった。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

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評価ポイントをいただけるととても喜びます。


頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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