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首無し騎士の首はどこ3

「そ、そうであるが……」


「助けられたら恩を返すのは魔物でも変わりませんよね?」


「えっ?


 うーん、他はどうか知らないであるがワタクシは返したいと思うであるぞ」


「なら1つ恩を返してはいただけませんか?」


「ワタクシに出来ることならするである!」


 こうして奇妙な黒騎士とシュシュは出会ったのであった。


 ーーーーー


「ほーん……それで恩返しはしたのか?」


「力及ばずワタクシには恩返しはできなかったである……」


「そうなの」


「ですがシュシュさんが代わりに力になってくれる者を紹介してくれると言ってくださいました」


「お前自分でなんとかできないからって……」


「ま、まあ話だけでも聞いてあげてほしいである!」


 勝手に安請け合いした挙句、勝手に他人を紹介することを約束するなんて調子のいいものである。


「私のお願いは私をヴァルシュゲルフェン城まで連れて行ってほしいということなのです」


「ヴァ……なんだって?」


「ヴァルシュゲルフェンです」


「そのヴァルナントカ城に行きたいのか?」


 お城って、と思う。

 そんなところ人がいて、魔物が行ったら大騒ぎになるのではないか。


「おっしゃりたいことは分かります。


 しかし大丈夫ですし、行かなければならないのです」


「なんで大丈夫だって言えるんだよ?」


「ヴァルシュゲルフェン城は城主のいない城……今ではダンジョンと呼ばれる古城なのです。


 よくあるダンジョンとは違いますが魔物が闊歩していてボスがいるっていうところは同じなのでほとんど変わりはありませんが、異次元のような空間のダンジョンではなくてヴァルシュゲルフェン城は現実に存在している城なのです」


「要するに長い間放置されてダンジョンみたいに魔物がいるから人はいないってことか?」


「まあ、そんなところです」


「なら大丈夫か……」


 それに村の周辺に出る魔物を遠ざけなきゃいけないのでちょうどよい。


 ただし、いろいろな疑問は残る。


「そうだな、なんかたくさん聞きたいことがあるんだけど……」


「私にお答えできることなら」


「……まずあんたは何者だ?


 人の言葉を話す魔物がいないわけじゃないからいいんだけどライムも変な魔物だよな」


「私も同じ質問をしたいところですが……私は今はデュラハンという魔物のライムです。


 人の言葉が話せるのは……その、もう少しショウカイさんのことが信用できそうだと思ったらお話ししてもよろしいでしょうか?


 これは私の過去に関わる話で、ちょっと話すのに勇気がいるので」


「分かった。


 無理に話すことはないよ」


 なんの理由もなく何となくではなく、それなりにちゃんと理由があるならそれでよい。


「なんでそのナントカ城に行きたいのにこんなところをウロウロしてるんだ?」


 人に頼まずともナントカ城に行けばいいのにと思わざるを得ない。


「それには大きな事情があるのです。


 まず道が分かりません」


「ほう?」


「それと私は夜になると理性を失って魔物になってしまうのです」


「おっと?」


 話の雲行きが怪しくなったぞ。


「というのも……うぅ……ああっ!」


「な、なに?


 まさか理性を今失うのか?」


「上手く説明できません!」


「あんだって?」


「なんか格好つけて勇気いるとかもったいつけましたがこれを話さずして何もちゃんと説明できません!」


 細かな事情を説明しないでお願いの内容を伝えようとしたけれどぼかしていうのも限界がある。

 事情は言えないなんて言った手前引っ込みがつかなかったが上手く伝えられる方法が思いつかなかった。


 仮に今人だったら顔が真っ赤になっていただろうとライムは思った。


「全部お話しします!」


「あ……はい……」


「ショウカイ様のこと信用します。


 うぅ、そんな顔しないでください!」


 今自分がどんな顔をしているのかショウカイ自身にも分からない。

 ただ困惑してたり、呆れてたり、魔物になるっていう恐怖とか色々な感情が入り混じっている。


「その感情のない微笑みもやめてください!」


「もうどうしたらいいか分かんないから早く話して……」


「ひょんなことからデュラハンになった私は……」


「おい待てこら」


「何ですか!


 いいところなのに!」


「なんでこっちが悪いみたいなんだよ。


 ひょんなことのひょんの部分の割合きっとすごいデカいだろそれ」


「言ったでしょ、信用しないと話しませんって」


「さっき信用して全部話すって言ったじゃん?」


「はて?


 記憶にないですね、頭がないので」


「……シュシュ、お前がこいつ何とかしろ」


「わわっ、待ってください!


 ここまで来て聞いていただけないのもなんだか悔しいです!

 ひょんのところは色々あるのでお願いだから聞かないでください……本当に言いにくいのです……」


「ショウカイさまぁ……」


「分かったからじゃあさっさと話せ!」


 段々とライムがふざけてるんだか、真面目なんだか分からなくなってきた。


「まあその、とりあえずデュラハンになり、バンシークイーンを封印した私ですが」


 なんかデュラハンになってからの情報足されているが根気強く続きを聞く。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

ブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントをいただけるととても喜びます。


頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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