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首無し騎士の首はどこ1

 魔物はどこにいるのか分からない。

 人を見ると襲いかかってくる可能性があるしどんな魔物なのかも調べもできなかった。


 ショウカイは一晩マーリンの家に泊まって次の日に早速出発した。


「謎の魔物か……」


 どんな魔物を探せばいいのかも分からない。


 ただわずかながら情報はある。

 村人がやられたのは斬撃による傷だという話だった。


 爪や牙でなく、剣やナイフで付けられたような傷であり魔物がやるには珍しい。

 剣などの武器を持つ魔物か、そのような身体的特徴を持つ魔物である。


 見た目には分かりやすいはずだ。


「ノワールの鼻とかで探せないかな?」


「知らない魔物の臭いだと分からないですが強い魔物なら見つけられるかもです」


「じゃあちょっとお願いしてみようか」


「お任せください!」


「まあまずは結界からぁ!」


 今口に出していたばかりなのに。

 リュックの中のシズクが魔物除けの結界に引っかかり、引っ張られたように倒れるショウカイ。


「いてて……境界線が見えるわけじゃないから油断してた」


 まずはシズクを手元に呼ぶ。

 これでリュックが魔物除けをすり抜ける。


 お尻ついた土を払ってノワールとスーも呼び出す。


「でもなんだか抜けた人だけどこの魔物除けはすごいよね。


 ノワでも壊せなかったんだもん」


「まあ確かにな」


 ノワールに圧倒はされたが咄嗟の魔法の発動など魔法の実力はあるけど実戦経験がないのかもしれない。

 占い師として生活できてるなら危ないことする必要ないもんな。


「シュシュ?」


 魔物探しも大事だがシュシュも大事だ。

 ざっくり言えばシュシュも魔物だからこれも魔物探しと言える。


 村を抜けた先にある結界の外で落ち合うはずなのでなんの問題もなければ近くにいるはず。

 シュシュの性格なら今か今かと待ち侘びていると思ったのに姿も見えず、声をかけても反応がない。


 まさか件の魔物にやられてしまったのかと不安になるショウカイ。

 ちょっと待ってみるもシュシュは現れない。


 シュシュを置いてはいけないが入れ違いにもなりそうで動くこともできない。

 どうしたものか。


「シュシュのにおいがします」


 鼻をひくひくと動かしたノワール。

 

「おっ、本当か?」


 スーあたりにちょっと周りでも見てもらおうと思っていたらシュシュが来たようだ。


「ショウカイ様ー!」


「シュシュ、どこに……ぎゃあああ!」


「どうしたであるか?」


 声のする方を見てビックリ。

 黒い鎧がそこにいた。


 やたらと威圧感のある頭のない黒い鎧からシュシュの声がして、ショウカイは思わず叫んだ。


「どうしたも何も、お前がどうしたんだよ!」


「ぬっ?


 何がであるか?」


「あっ……よかった。


 いや、よかったじゃねーよ!」


 てっきりシュシュがこの黒い鎧なのかと思ったらひょっこりと肩からシュシュが顔を覗かせた。

 ホッとしたのも束の間、それならこの鎧はなんなのかということになる。


 首がないのにそれでもショウカイと同じ大きさもある黒い鎧は剣を片手に突っ立っている。


「あの……僕はどうしたらいいですか?」


「へっ?


 今の声……誰…………まさか」


「はじめまして、シュシュさんからお話は聞いています。


 デュラハンのライムです」


 頭はないけど頭を下げるデュラハンのライム。


「……シュシュ?


 説明してくれるか?」


 武器は剣。

 デュラハンといえばアンデッド系の強力な魔物である。


 つまりだ。

 コイツが今村を脅かしている魔物なのではないか?


「な、なんでそんな怖い顔するであるか!」


「そりゃお前、いきなり正体不明の魔物連れてきたら誰でもビビるだろうが!


 つか、大丈夫なのかソレェ!」


「もちろん大丈夫である!」


「はい、昼間は大丈夫です」


「おい、なんか聞き逃しちゃいけない条件言ってきたぞ!」


「まあまずは話を聞いてほしいである。


 今襲わないのであれば大丈夫だと思っても大丈夫である」


「……分かったよ。


 ただもうちょっと村から離れるぞ」


 結界のギリギリのところではいつ人が来るか分からない。

 首無し鎧ではごまかしようもなく魔物であるので人目につかないところまで移動する。


 後ろから付いて来られるのは不安なので先を歩いてもらう。

 せめて剣ぐらい鞘に納めて持ってくれればいいのになんで抜身なのだ。


 結界から離れて、道を逸れて森の中に入る。

 ノワールもウルフの姿になってシズクも外に出てのびのびとしている。


 みんな気を抜きすぎだぞ。


 ショウカイはいつこのライムが襲いかかってくるのか気が気でならなかった。


「ここら辺でどうでしょうか?」


 人気の完全になさそうなところでライムは立ち止まる。


「人間……いや、ショウカイ様。


 この私にお力をお貸しいただけないでしょうか!」


 膝をついてショウカイに首を垂れるライム。


「ショウカイ様ならなんでも出来るので任せておくである!」


「おい待て、まずは全部、ちゃんと、話せ!」


 とりあえずシュシュが何かを安請け合いしようとしていることは察した。

 ショウカイは熊公に手をかけ、距離を保ったままライムの話を聞いてみることにした。


 ノワール、体を擦り付けて撫でを要求してるところ悪いんだけど今そんな場合じゃないんだ。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

ブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントをいただけるととても喜びます。


頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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