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何故飢餓に喘ぐのか4

 ちょっとドキリとした。

 まさかそんな方法でノワールのことを魔物だと見抜く人がいるなんて思いもしなかった。


「ま、まあそのことについてはいいでしょう」


 下手に突っ込むとヤブヘビになりかねない。

 今ならまだノワールは一応人だと思い、スーしか出てないのでなんとでも言い訳ができる


「何があったのか……いや、何今が起きているのか教えてもらえますか?」


「分かりました。


 私でお答えできることはなんでもお教えします」


 スーのことも気になるけどまた水をかけられては体を壊してしまう。

 魔女は温かいお茶を飲みながら何が起きたのかを説明し出した。


「まずは自己紹介から。


 私の名前はマーリンと言います。


 しがない占い師ですがそれなりに当たるって評判なんです」


 占星術士という職業のマーリンは占いのかたわら薬草を使った薬などを村人に安く売ったりしていた。

 ある時村人が相談したいことがあると言ってマーリンのところを訪れたのだが占った結果驚きの結果が出た。


 強い死の気配。

 命を脅かす死の星が占いの結果見えたのである。


 慌てたマーリン。

 村人にも原因が思い当たらずに困っていたけれど他の村人にも死の星が見えることが分かった。


 村全体が死の気配に覆われている。


 こんなことになるのはおそらく魔物の襲来ぐらいしか考えられない。

 マーリンは村に警告をした。


 強力な魔物が迫っているかもしれないと。


 しかし田舎町にどうして強力な魔物が出るんだと村人は真面目に取り合ってくれなかった。

 少しは警戒してくれたけれどその程度であった。


 そうして最初の被害者が出た。


「私も死体を見ました。


 確かにその傷は切られたような跡でした。


 けれどその傷には魔物の魔力が残っていました」


 魔物がやったのだと魔女が言い、村人もようやくそれを信じ始めた。

 次は周りを警戒していた村の若者が帰ってこなかった。


 すでに警戒していて、足もある若者が1人も帰ってこられない。

 魔物の強さがそこからも推しはかれる。


 周辺にこの村の規模を受け入れられるところはない。

 冒険者ギルドも周辺にはなく、すぐには助けも求められない。


 依然として村には死の気配がありこのままでは村がやられてしまう。


「なので魔物除けの結界を張ったのです。


 強力な魔物でも防ぐことができる結界を張ってしばらく耐えれば魔物は立ち去るだろうと思ったのですが……」


 いつまで経っても魔物は去らなかった。


 村と魔物との我慢比べが始まった。


「耐えきれず外に助けを求めに行った人もいるのですが未だ帰って来ず、食料もなくなり始めて村の気力も無くなっていきました……」


 取った方策が間違いだったかもしれない。


「おそらくまだ魔物は村の近くをうろついています。


 どうしたらいいのか……」


「話は分かりました。


 ちょっと俺が見てきてもいいですか?」


「見てくるって魔物をですか?」


「はい。


 うまくいけば俺たちが魔物を引きつけて村から離します」


「そんな危険なこと……」


「どっちにしろこの村に入ってしまった以上危機にさらされているのは変わらないですからね」


 というかそんな危険なのになんの警告もないなんてと思うけれどここで引き返せと看板を立てたところでさほど効果もないか。


「……ここで意地を張るほどの余裕ももはやありません。


 どうにかできるならお願いできますか?」


「やるだけやってみます」


「お礼できるようなものもありませんが……もし成功したらタダで占います。


 結構評判なので期待してもいいですよ」


「ありがとうございます。


 ちなみに1つ聞いてもいいですか?」


「何でしょうか?」


「今俺に死の星は見えますか?」


「そうですね…………そういえば見えないです」


「じゃあ大丈夫そうですね」


「……お願いします。


 村をお救いください」


 ひょんなことからただ軽く人を見に来るだけのつもりだったのに、こうしてショウカイは謎の魔物探しをすることになったのであった。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

ブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントをいただけるととても喜びます。


頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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