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村に入れぬ訳3

「それで改めてみんなのスキルを確認してちょっと使ってみようかななんて思ってさ。


 みんなのスキル、ちょっと借りてもいいかな?」


「もちろんです!


 私のものはご主人様のものです!」


「主君のお力になれるなら!」


「んー、分かんないけどやってみたらいいと思うよ?」


「もちろんである!」


「いや……シュシュは俺に従属してる魔獣じゃないだろ?」


「ハッ……である!」


 シュシュは未だにミクリャの親であるアラクネに忠誠を誓っている。

 ほとんどショウカイの魔獣であるのと変わりはないけど魔獣ではないのでシュシュのスキルを借りることは出来ない。


 特に魔獣になれと強制するつもりもないので別に構わない。

 優秀な戦闘系スキルがあったら今ごろ先頭切って戦っていそうだし、多分ないんだろうなと思っている。


 シュシュはムードメーカー兼参謀、相談役みたいなものだしぶっちゃけ期待していない。


『ノワール(従属)


 スキル:牙術、爪術、体術、潜伏、鋭い嗅覚、疾走、巨大化、縮小化、擬態、主守之時』


 詳細鑑定を使ってノワールのスキルを確認してみる。

 そういえばミクリャとかスーのスキルも見てないなと思った。


 どんなスキルでどんなことが出来るのか、ちゃんと把握していなかった。

 どんなことができても、できなくてもみんなはみんなで大切な仲間だけどこの機会にしっかりと把握しておこうと思った。


 ノワールのスキルは色々あって、羨ましい。

 爪とか牙とかはショウカイにはないこともないがそれらはきっとウルフの姿の時を想定したものだ。


 主守之時はこれもある種の専用スキル的なものなので除外。

 あとのスキルは使えそうだ。


 鋭い嗅覚とか疾走とか面白そうだし、巨大化とか縮小化するとどうなるのか興味もある。

 メインの興味としては体術である。


 体の動かし方を補助してくれるスキルで、そういった意味では全ての戦闘関係の能力に補助がかかるスキルである。


「どうですか?


 私のスキルはお役に立ちますか?」


「うん、なかなか良いスキルを持ってるよな」


 ノワールの頭を撫でてやる。

 ただ戦闘中に借りてしまっていいのか悩むところではある。


 擬態スキルは借りたらショウカイも何かに化けられるのだろうか。

 ただそうするとノワールは人型になれなくなるからいつか試してみる必要があるかもしれない。


「次はシズクだな」


『シズク(従属)

 

 スキル:不完全物理無効、自由軟体、溶解、吸収、擬態、水魔法マイスター、衝撃吸収、高速再生、主攻之時』


「うん?」


 進化をしたせいか色々増えてる。

 材質はスライムだけど人っぽい姿にもなれるようなったりしたのは自由軟体という、軟体の進化版と擬態スキルのおかげ。


 衝撃吸収と物理無効は何が違うのか難しかったがよく見てみると物理無効は単にシズクに物理攻撃が通じないって話で、衝撃吸収は衝撃を他に通さない、つまりはショウカイを守るためのスキルであった。


 シズクはスキルや能力向上よりも知能を優先した。

 スライムとしてあるわずかな知能がショウカイに尽くしたい思いを抱き、より高い知能を持つことにリソースを割いた。


 なので見た目や知能的な変化はあっても能力的な変化は思っていたよりも大きくない。


 その中で何より気になったのは水魔法マイスターである。

 魔法に関するスキルは火魔法や水魔法といったそのものだけの名前がそのまんまスキルになったものが基本である。


 マイスターと付くと一つ上の上級スキルであって、かなり有効なスキルである。

 なので水魔法マイスターは強力で良いスキルなのであるがショウカイが引っかかったのが水魔法というところである。


 シズクはショウカイの魔獣になるにあたっての経緯から水があまり好きではない。

 なのにどうして水魔法を使うことを選んだのか。


「嫌いだからです」


 嫌いだからこそ。

 逆に扱えるようになることで避けることもできるし、嫌だから強い思いもある。


 そして水の魔法には他の魔法にない回復を出来る魔法もあったのでショウカイを癒したいという思いのために水魔法が使えるようになったのであった。


 溶解や吸収スキルはスライムだからのスキルだろう。

 借りるなら水魔法マイスターかなと思うが不完全物理無効や衝撃吸収も使いようによっては悪くない。


 高速再生も時と場合によっては有効になり得る気がする。

 こうしてみると色々なスキルがある。


 借りて試してみたいがクールタイムがあるのがネックだな。


「べいっ!」


「ノワールどうしっ……うおっ?」


「つ、潰れるである!」


 役に立ちそうだと褒められてご機嫌だったノワールはルンルンと歩いていた。

 ところがいきなり何もないところで後ろに頭を弾かれて転がっていく。


 ショウカイもなんだと思ったが歩みは咄嗟に止まらず、転がるノワールを横目に進んだところ、後ろに引っ張られた。

 後ろを見ると背負ったリュックが空中で止まって、そのために引っ張られていたのであった。


「な、なんだ?」


「ちょ、ちょっと後ろに下がってほしいである!」


 苦しそうなシュシュの声が聞こえてきて、ショウカイは数歩後ろに下がった。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

ブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントをいただけるととても喜びます。


頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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