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軽いお願い1

 ウルガスのみんなにまた会えてよかった。

 良い人に会うと気分が良くなるし、ルートの相談にも乗ってもらった。


 どうやらユニシアの東にある小国はユニシアの同盟国、ほとんど属国であるらしい。

 なんでそんな関係性なのかは知らないけれどユニシアとの関係は相当近いものであった。


 だから何かをされるわけではないけれどユニシアを避ける以上そうしたところも避けておくべきだろう。

 ユニシアが戦争状態にあることで状態もあまりよくないのでそう言ったところも避ける理由になる。


 多少遠回りでもユニシアの西側を通って回っていく方が安全で、今なら逆に早いかもしれないとテラットは教えてくれた。

 あまりにも国境に近く回っていくと偵察扱いされる可能性も出てくるので国境からは離れつつ国境に接する国を通って行くことがよい。


 結果的にユニシアの西側にある国を巡ってグルリと回っていくルートを行くことになった。


 相談に乗ってくれたのはウィランドとテラットだけどノーンの結婚祝いや久々に会えたレーナンへと思ってお高めな高級菓子をお礼として贈った。

 テラットも甘いものは好きだし、よほど嫌いじゃない限りは貰ってハズレなものじゃないだろうと思った。


「うまままま」


「黙って食えよ」


 お菓子はあげる分だけ買ったのではない。

 まとめて買うとちょっと値引きしてくれたので自分の分も買った。


 シュシュはショウカイの肩に乗ってクッキーみたいなお菓子を食べている。

 残っている足を巧みに使ってクッキーを持って少し図体サクサクと食べている。


 よほど美味しいのか感動の声を出しながら食べてるので意外と耳障りである。

 見晴らしのいい道なので誰かがいれば簡単に分かる。


 シズクやスーも出ていて、みんなで歩きながらお菓子を食べる。

 食べ歩きには不向きだけどみんなが食べたいと駄々をこねるものだからしょうがなく食べ歩きすることになった。


 いろいろなお菓子の詰め合わせ。

 比較的日持ちのする焼き菓子中心だけどシズクは焼き菓子ではなく、キャンディーのようなものを舐めている。


 舐めているというか体の中に取り込んで転がしてゆっくり溶かしていっている。


「あーん」


「あ、あーん」


 ノワールもノワールで人型で一緒に歩いているのだけどピタリとショウカイにくっついて口を開けて待っている。

 ペタペタと距離の近かったレーナンに何か思うところがあったのかノワールも非常に距離を詰めてきている。


 しょうがないからノワールの口にクッキーを放り込む。


「ムフフゥ」


 満足げなノワール。

 レーナンは妹みたいなものだし別に嫉妬することもないとショウカイは思うのだけどノワールが楽しそうならそれでよい。


「人間は自然の果物ぐらいしか持ってこないけどこんなものがあるならもっと持ってくればいいのに!」


 体ほどもあるクッキーにかじりつきながらスーがプリプリと怒っている。

 妖精の元には妖精の粉が欲しくて人が来ることがある。


 何かしらの対価を置いていくのだけど大体果物とか妖精が喜びそうなイメージのある自然由来のものが多い。

 お菓子を食べてスーは感動した。


 果物も悪くないが人が作ったお菓子も美味しく、これをくれるなら喜んで妖精の粉を提供することだろう。

 なんでこんなに美味しいものを持ってくることがなかったのか商人や冒険者の考えの至らなさに不満を感じた。


「まあ今食べられたからいいけど!」


 ただそこに固執することもない。

 みんなにも食べさせたいなという思いもあるがそんなこと忘れてすぐに焼き菓子に夢中になる。


「それにしても穏やかであるなぁ……」


 お菓子食べながら旅するなんてこの世界に呼び出された時には思いもしなかった。


「今日は野宿であるか?」


 みんなと一緒なら野宿も悪くない。

 魔物であるみんなの感覚は鋭く、近づいてくるものがいれば分かるし人が野宿するような浅いところに出てくる魔物はそんなに強くもない。


 準備は面倒だけどカバンのおかげで見た目以上に荷物も持てるようになったので外で活動するのもかなり楽になった。


「いや、もう少し先に村があるらしいからそこに泊めてもらえないかなと思ってる」


 村にしてはそれなりの規模があるみたいなので宿屋ぐらいは期待ができる。

 やっぱり部屋の中で寝られる方が野宿よりもいいのはしょうがない。


 小さい村では泊まりたいと言っても宿泊施設がありませんということもあった。


「そろそろみんな隠れるであるよ」


 歩いていると民家が見えてきた。

 そうなるといつ人に出会ってもおかしくないのでノワールを除いたみんなはリュックの中に入って隠れる。


 のどかそうな村。

 町と呼んでいいぐらいの規模があって、村に入ってすぐのところに宿があった。


 広めの部屋でのんびり休みたいと4人部屋を借りてそこに泊まることにした。

 田舎町の宿屋にしては部屋は綺麗だったし宿屋の店主の雰囲気も悪くない。


 当たりだったなと思いながら荷物を置いて宿を出る。

 こうした人のいる場所に寄ったら必要なのが食料品の補充である。


 次の村や町までの大体の日数は分かるが天気やアクシデントなどで遅れればギリギリの食料では心もとなくなる。

 常に余裕を持っておかなきゃならないのだ。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


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頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


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