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青色魔塔1

 一口に魔塔と言っても、魔塔は1つではない。


 元は1つだったのだけれど魔法を研究する人も一枚岩ではなく何を研究するか、方法、思想など様々な人がいる。

 当然衝突やあつれきが生まれ、派閥で魔塔は分裂した。


 同じく魔塔と呼ばれながらもそれぞれの魔塔にはそれぞれの特色があった。

 分裂当時は交流もなかったが今では魔塔同士で横の繋がりもある。


 仲の悪い魔塔もあるけれどいくつかある魔塔全てを1つの組織とみなして魔塔であると多くの場合は呼んでいる。


 ソリアが交流があるのは青色魔塔と呼ばれる魔塔である。

 その名の通り青い外観をした塔である。


 青色魔塔と呼ばれるから青いのか、青いから青色魔塔と呼ばれるのかは分からない。

 それほどまでに魔塔の歴史は古いのである。


「見えてきましたね」


「ほぇ……」


「ここからはもうノワールさんにも隠れてもらいましょう。


 人の姿でもバレはしないと思いますが魔塔の魔法使いさんは普通とは違いますから」


「だって、ノワール小さくなれる?」


「分かりました!」


 ショウカイの横を歩いていたノワールが小さくなってミクリャが入っているリュックの中に入る。

 ミクリャはノワールが入ってくると喜ぶ。


 この間はノワールが中に入って大人しいと思って見てみたらミクリャはノワールを抱いて寝ていた。


「なんだかチグハグだな」


 青色魔塔は塔と言われるだけあって上に長い建物であった。

 外壁は青を基調としていて綺麗な作りなのだけど、何というのか層になっている。


 大きく3つ。

 下から半分ほどまでと残りの半分がさらに二等分のところでデザインが異なっている。


 だから3つの層になっていて微妙に統一感がない。


「あれは拡張した結果ですね。


 魔塔が手狭になるとああして上に拡張したりもするのですが作る人によっては下を踏襲しないで自分なりのデザインで作ることがあるのです。

 そうするとああやってあるところで急に外見が変わってしまうんです」


「なーるほど」


「増築を重ねているので中も意外と複雑なんです」


 青色魔塔は比較的温厚な人が集まっていて、研究者気質な人が多いのが特徴的である。

 やっている研究も平和的なものが多く素材の入手も自分たちではなく外部に委託することもある。


 なのでソリアに依頼が来ることがあるので青色魔塔と関わりがあった。


 他にも赤色魔塔や黒色魔塔と言った色で分けられる魔塔があるのだけどソリアはそちらとは関わりがなかった。

 青色魔塔は魔物の素材の研究などが主で、赤色魔塔や黒色魔塔は魔法の研究が主である。


 見えているのですぐに着くと思っていたけれど思いの外遠い。

 魔塔がどんどんと大きくなっていき、真下に着いた時には想像以上の魔塔の大きさにショウカイはまた驚いた。


「魔塔ってこんな簡単に来ていい場所なのか?」


「簡単に来たわけではありませんよ。


 私がいたから簡単に来れたんです」


 別に自慢でもなんでもない。


 仮にショウカイ1人でここに来ていたなら魔塔に近づく前に止められて話を聞かれていたことだろう。

 魔塔の人は大体頭が固い。


 下手すると近づく前に話も聞かれずに追い返される可能性だってある。

 ショウカイは気づいていないがソリアは魔塔に近づいた頃から視線を感じていた。


 ソリアが青色魔塔に関わりのある人物だからただ監視されただけで済んだ。


「お名前とご用件をお願いします」


 青いローブをきたしわがれた声の男性が魔塔の入り口の前に立っていた。

 フードをかぶっているので顔は見えないけれど声だけで判断すると相当な年齢の方だと推測できた。


「私はソリア・ポーフィ。


 二級魔道士のゴーディアヌスにお会いしたくてここに来ました」


「……お約束はおありですか?」


「いえ、ありません。


 必要でしたらここで待ちます」


「……わかりました。


 少々お待ちください」


「あの人は一級魔道士の門番なんだ。


 魔法の実力でいったらSランクにも劣らない人なんだけど誰に聞いても名前が分からないんだ」


 魔塔に所属する魔法使いには冒険者ほどではないが実力や功績に応じて階級分けがなされている。


 使いパシリの五級魔道士から数字が小さくなるほど階級が上になり、一級の上には魔塔主や特別な才能を持った魔法使いがいて特級魔道士という階級までがある。


 冒険者と違って魔塔の階級は研究の実績も含まれるし、敵と戦う実力ではなく魔法の広い実力をみて決められるので階級だけを見て強い弱いは判断しにくい。

 しかし一級魔道士は実力的にAランクからSランクにも劣らないぐらいの魔法の能力はある。


 ソリアも冒険者の中では魔法も弱くはないけれど魔法職でもないし、魔法を極めているわけでもないのでせいぜい二級にいければ運がいい方である。


 青色魔塔の不思議な門番はずっと昔から青色魔塔の入り口を守っていて、ソリアも気になって聞いてみたのだけど魔塔の魔法使いたちもその名前すら知るものがいなかった。

 本人に尋ねてみてものらりくらりとかわされてしまってちゃんと確かめることもできなかった。


 ただ門番は一級魔道士なのではないかと誰かが言っていたのでそうなのだろうとは思う。

 実際に青色魔塔に用があって滞在している時に不躾な人が押しかけてきて、それを撃退している様を見たことがある。


 魔法の実力は非常に高くてソリアでは足元にも及ばなさそうだった。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

ブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントをいただけるととても喜びます。


頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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