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知らなきと偉そうな態度取れるよね1

「申し訳ありませんが寄るところが出来ました」


「うん、まあしょうがないよね」


 凍らせた生首持って魔塔まで行くつもりはショウカイにもさらさらない。

 どこかしらの冒険者ギルドによって証拠である首を提出してジュードを倒したと報告しなければならない。


 近くで大きな町に寄る予定はなかったのだけど少し予定を変更してどこかに寄らなきゃいけない。


「この惨状を生み出したのは領主の怠慢が原因です。


 どうしてそんなことになったのか問いたださなきゃいけません」


「……そうです…………ね」


 違った。

 生首云々はソリアにとっては些事であった。


 そもそも領主がこの問題を解決できていれば良かったのだ。

 おそらく領主の出した兵もジュードにやられたのだろうけど調査するなりどこかに助けを求めるなりすることはできたはずだ。


 ジュードがいることが分かれば冒険者ギルドは乗り出してくるし、仮に後続が討伐に失敗しても被害が大きくなれば鉄血団はその場では活動できなくなる。

 いくらでも止める機会はあったはずなのに領主はしなかった。


 その責を問う必要がある。


 さらに村人は必要に迫られたとはいえ必要な税金などを納めることをやめてしまって領民としての関係は断たれてしまっていた。

 このままでは同じようなことが起こった時や災害、不漁不作の時などに必要な支援が受けられない。


 誰かが取りなしをしなければ村人から関係改善をするのはとてもじゃないが簡単なことではない。

 きっと領主は自分の行いを棚に上げて義務を怠った村人を非難してしまうことは目に見えている。


 目の前の問題を解決して終わりではなく関わったのなら最後まで責任を持つこと。

 それもまたソリアの信条なのである。


 分からないことじゃない。

 この後のことはショウカイにも気がかりなことであった。


 本当にそこまで出来る人はきっと少数派だ。


 予想外の展開に困惑したがソリアならと思い始めているのでだいぶ毒されてきているショウカイだった。


「ノワールも痛いところはないか?」


 ショウカイは未だに顔が腫れ気味であった。

 ノワールも散々ジュードに殴られていたのでちょっと心配だった。


 今は普通サイズのウルフの姿で歩いているので状態がいまいち分からない。


「私は大丈夫です!


 ですがご主人様を守りきれませんでした……」


 尻尾を下げてしょんぼりとするノワール。

 ショウカイが殴られてしまった。


 それだけでなく命の危機まであった。

 そうならないために進化したのに力不足で守りきれなかった。


「あれはしょうがないよ。


 まだノワールも自分の力を分かっていないし敵も多かったからね。


 ジュードに1発与えたりしてたしノワールは良くやってくれたよ。

 次もお願いね」


 ソリアですら敵わなかった相手だ。

 無理矢理相打ちでもジュードを殴りつけたノワールはかなり良くやった方だとショウカイは思う。


「このような私に期待してくれるご主人様は心が広いです!


 もっともっと強くてご主人様を守れるようになります!」


 スッとショウカイの足元に寄ってくる。

 歩きながらノワールの頭を撫でる。


 ノワールは魔物なのでショウカイよりも回復力が高く本当にもう平気であった。


「ん!」


「ミクリャもよくやってくれたよ。


 服の中からもサポート出来ていたし最後動きを止めてくれたのはミクリャだろ?


 さすがだよ」


 ミクリャの頭を撫でてやる。

 しっかりと隠れながらもミクリャは戦いをサポートしてくれていた。


 ソリアにジュードが胸を貫かれた時、ミクリャによって動きが止められていた。


 ジュードは知らなかったとはいえ熊公を使ってショウカイを殺そうとした。

 ただし熊公にはドワーフが込めた魔法がかかっており、熊公でショウカイを傷つけることはできなかったのである。


 その動揺の隙を狙って、あえて姿を現すことでさらに動揺も誘い、ジュードの動きを完全に封じた。


「ミクリャは戦略家だな」


 無表情でわかりにくいけどミクリャはミクリャなりに色々考えている。

 小さくてまだ力は足りないのでその分考えて動かなきゃショウカイの役に立てないと周りの動きを見て学んでいるのだ。


「ワタクシも頑張ったであるぞ?」


「シュシュも撫でてほしいのか?」


「いらないである。


 代わりにお肉か甘いものが食べたいである!」


「分かった分かった」


 シュシュもしっかりとサポートをしてくれていた。

 クモの糸と単純に言うけれど物質的でありながら魔法的な要素も持ち合わせているのが高位のクモの糸である。


 実はヤンキーたちはシュシュが張り巡らせていたクモの糸によって全身糸まみれだった。


 だけど誰もそれに気づかず、かつ糸が勝手に効果を発揮することもない。

 魔力を通して使う意図を見せないと糸は糸として使われないのである。


 これもまたクモ系の魔物の恐ろしいところ。

 目に見える糸だけが糸ではなく、知らず知らずに糸がめぐらされている。


 だから本人、というか本魔物は簡単に自分の糸を引きちぎったりも出来るのだ。

 ちゃんと自分の糸を魔力でコントロール出来ているのである。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


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頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] サブタイトルの知らなきが次の話から知らないになっているのでどっちかが間違ってると思います。
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