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てってけてーと戦って4

 ノワールがイノシシの牙に貫かれる光景を誰もが予想した。

 美人なのでもったいないがノワールを制圧できるほどヤンキーたちは強くない。


「ご主人様を傷つけることは許しません!」


「と、止めやがった!」


 だいぶ押されこそしたもののノワールはイノシシの突進を受け切った。


「私はあなたに勝ってご主人様に褒めてもらうのです!」


「えっ、あなた魔物の言葉を……ぢょっ、ええええ!」


「はああああ!」


 ノワールは牙を掴んだままイノシシを持ち上げた。

 目玉が飛び出しそうなほどヤンキーが驚いている。


 ショウカイもノワールがイノシシを持ち上げるなんて想像もしていなかった。


「ば、バケモンだ!」


 飛んでくるイノシシを見ながらヤンキーたちはとんでもないやつを相手しているとようやく気づいた。


「ふんっ!」


 どうだと言わん表情のノワール。


 近くにいた強敵はマギナズだった。

 力が強くて割ともふもふでマギナズもショウカイのことを気に入っていた。


 マギナズに負けないように強くなる。

 そんな思いもあったノワールは力が大きく強化されていた。


「く、くそ!


 ま、負けない!」


 起き上がったイノシシがまた突進する。


「ノワール、今度はこっちの方に投げてくれ」


「分かりました!」


 ここまでの状況を見てショウカイはある可能性にかけてみることにした。


「ご主人様のご命令です!」


 力では押し負けないことが分かった。

 ノワールは腰を落とすと突進してくるイノシシに拳を突き出した。


 ひどく鈍い音がしてイノシシの頭が弾かれた。


「いだぁぁぁい!」


 ノワールは止まったイノシシの牙を掴むと今度はショウカイの側に投げつけた。


「ノワールは人の方を倒してくれ!」


「はいっ!」


 ショウカイが頼りにしてくれている。

 ノワールは良いところを見せるんだと大喜びでヤンキーたちを倒していく。


「シュシュ、ミクリャ、動けないように捕まえてくれ!」


「分かったである!」


 今ショウカイの方を見ている人はいない。

 ミクリャが飛び出してきて糸を出してイノシシを絡めとる。


「ひ、ひぃぃ!


 は、放してー!」


 クモの糸に絡め取られたらその先の運命なんて分かりきっている。

 イノシシは暴れてどうにか糸から抜け出そうとするけれどもう遅い。


 流石に全身真っ白な糸巻きにされてしまうと異常なのは目に見えているので足を中心に拘束してもらう。


「あ、あなたがた何者ですか!


 そちらの女性も人じゃないし、これは人の魔法ではないでしょう!」


「落ち着いて話を聞いてほしい。


 俺たちは別にあんたに危害を加えたいわけじゃないんだ」


「あなたがリーダーですか!


 この魔物殺し!

 お願いだから助けてぇ!」


 みんなクモの糸にグルグル巻きにされると話を聞かなくなる。

 そんな効果でもあるんだろうか?


「ミクリャ」


「ん!」


「うぐぅ、もご!」


 うるさいので口を塞ぐ。

 ミクリャの糸で口が開かないようにしてもらう。


「よく聞け、俺は人間だけど魔物の敵ってわけじゃない。


 俺は……えっと、なんていうか…………」


 知性があって話が通じそうならわざわざ魔物と敵対することはない。

 これまでも魔物を助けてきたことはあるしこのイノシシも話は通じそうなので出来れば話し合いで済ませたい。


 けれどそのことをどう伝えればいいのか。

 敵じゃないですよと言ったところでにわかには信じ難いことだろう。


「こちらのお方は魔物の何でも屋である!」


「もが?」


「ドラゴンの信頼も得ている、魔物のお助け屋さんなのである」

 

 助けようとしてくれたのはわかるけど何でも屋とかお助け屋とかなんなんだ。

 ショウカイには意外な感じだったけどそんな感じでシュシュはショウカイのことを見ていた。


 なんか分からないけど魔物のトラブルがショウカイのところに来てショウカイはそれを解決してくれている。

 今も大きな状況は魔物のお願いを解決する途中なのだ。


「……まあいいや、話を聞く気になった?」


 魔物の何でも屋とかお助け屋とかショウカイは一度も言ったことも思ったこともない。

 でも魔物のシュシュの言葉であるならとりあえず説得力もあるはずだ。


 それに確かに振り返ってみるとあながち間違いな表現でもない気がしてきた。


「話聞く気になったらうなずいて」


「むぐ」


 イノシシがうなずく。


「ミクリャ、口の糸を取ってあげて」


「ぷはぁ……あなたは一体……」


「そんなことどうでもいいだろ?


 大事なのは今どうするかだろ」


「どうするか……」


「時間がないから手短に事情を話してくれないか?


 きっと君は進んであいつらに協力しているんじゃないんだろ?」


「わ」


「わ?」


「私の姉があいつらに囚われているのです。


 私が言うことを聞かなければ姉を殺すとあいつら……」


「姉?」


 チラッと聞いた感じだとヤンキーたちは子供を捕らえていると言っていたような気がする。


「はい、私の姉です」


「なるほど……」


「本当は暴れるのもこんなところも好きじゃないです。


 お願いします、助けてください!」


「どうするであるか?」


「…………とりあえず助けよう。


 その後話を聴いて決めよう」


 人の村を襲った話もある。

 ひとまず悪そうなのは鉄血団なので鉄血団からなんとかしよう。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

ブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントをいただけるととても喜びます。


頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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