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再び会いに行って6

「あ、あなたは!」


 スーハッフルスに入ろうと冒険者証を出すと驚かれてしまった。

 ショウカイはスーハッフルスでおきた大捕物で活躍した人物で治安関係の仕事につく人にとっては今や有名な人物となっていた。


「どうぞおつれ様もお通りください」


 門を守る兵士はテラリアスナーズやマギナズを知らない。

 だからショウカイが連れているノワールのことをそのどちらかであると考えた。


 半ば顔パスのように中に入ったショウカイ。

 後ろで兵士がショウカイが来たことの連絡を飛ばしていることなどつゆほども知らずにいた。


 やはりノワールは注目を集めている。

 ケモミミケモ尻尾のクール美人がいたらショウカイでも一度は目を向けてしまう。


 ちょっと人の多さが怖いのかピタリとショウカイの側を離れないノワール。


「ちょっと怖いです……」


 魔物にとって人は脅威でもある。

 ジロジロと視線を向けられてノワールも若干萎縮してしまっていた。


「大丈夫だよ」


 本当にマズイ事態になったら巨大化して逃げるなり、ちっちゃくなって隠れるなり出来る。

 見た目で目立ってしまっているので潜伏スキルがあまり通じにくいとこは意外だった。


 ショウカイは身につけていたマントをノワールの肩にかける。

 ちょっとボロいマント。


 マギナズが守ってくれていたので出番がなかった隠し身のマントである。

 魔力を込めるということに困惑していたけどノワールもすぐに出来るようになった。


 それでもまだ時折視線を向けられるのでやはり見た目の特異さはマントじゃ消しきれない部分もあるのだろう。

 大体冒険者っぽい人が見てくるので気配に敏感な人がノワールに気づくのかもしれない。


 ウルフの姿の時も近かったのでしょうがないのだけどノワールは歩く時もショウカイに近い。

 迷子にならないのでいいんだけど体が触れてしまうとちょっとだけドキドキしちゃう。


 ショウカイは冒険者ギルドと迷ったけど自治部隊の本部に向かうことにした。

 久々なので道に迷いかけたけどなんとか自治部隊の本部に来ることができた。


「お待ちしておりました!」


「え?」


「あ、いや、お久しぶりです。


 ソリアさんならここにいらっしゃいますがちょっとだけ、ちょーとだけ待ってください!」


 自治部隊の本部に入ると勢いよく自治部隊の女性に声をかけられた。

 彼女は前の騒動の時も忙しなく動き回っていたことをショウカイもよく覚えていた。


 それにしても待っていたとはなんだ。

 ショウカイが来ることを分かっていたかのようでないか。


 ソリアに話を聞きたかったのでいいのだけど、ショウカイは自治部隊の女性に案内されて小さい会議室のようなところに通された。


「あれ、お連れ様も……」


 部屋まで連れてきてようやく自治部隊の女性はノワールに気がついた。


「近いような……


 まあいいです。

 もう少々お待ちください!」


 ソリアも暇な人ではないのだから忙しくても不思議ではない。

 約束もなしに来ては会えないことも考えていたので少し待つだけで会えるならなんの文句もない。


 外は暑いので、と治安維持部隊の女性が氷の入った水を持ってきてくれた。


 ウルフの時の癖でチロチロと水を舐めるノワール。

 しかしそれじゃ口は多少潤ってものどまでは潤わない。


 飲んでみせて人の姿の時はこうするのだと教えてあげる。


「誰に会うのですか?」


 両手でコップを持ってチビチビと水を飲むノワールは可愛い。

 そういえばノワールはソリアにあったことがなかったな。


 ノワールはほとんどお留守番だった。

 多分あの時にノワールとソリアを会わせていたら戦いになってただろうな。


「ソリアって人で剣帝と呼ばれるほど強い人だよ。


 色々知ってるだろうからちょっと助けてもらおうと思ってね」


「女性ですか?」


「女性だよ」


「ふぅーん……」


 ジトっとした目をするノワール。


「あ、あの、失礼します」


「あっ、どうぞー…………」


「あ、あんまり見ないでください……」


 コンコンとノックをしてソリアが会議室に入ってきた。

 その姿を見てショウカイは言葉を失った。


 白いワンピース姿のソリア。

 ワンピースの裾を掴んで恥ずかしそうに立っているソリアはうっすらと化粧もしていた。


「えっと……その格好は?」


「これは、みんながこうしろって……」


『褒めろ!』

 ソリアの後ろ、会議室の出入り口から大きなボードをショウカイに見せる治安維持部隊の女性。


「に、似合ってるよ……」


「ありがとうございます……」


「はっ、ジェシェン!」


『もっと!』とショウカイを促す治安維持部隊の女性ジェシェンにソリアが気づく。


「ヤバっ!」


 スッと逃げるジェシェン。


 追いかけようかとも思ったけどショウカイをほっぽり出していけない。


「すいません……」


 バタンとドアを閉めてソリアが席につく。

 促されて褒めた感じになってしまったけどソリアは清楚な美人になっていた。


 普段の感じでも凛とした美人だけど飾り気はないのでまた違った雰囲気がある。


「今日はなんの御用ですか……くぅ」


 真面目な顔を顔をして席につくけれど格好がつかない。

 すぐに顔を赤くして俯いてしまう。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

ブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントをいただけるととても喜びます。


頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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