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作者: 宇佐野御身

 61秒前、慰めることも責めることも知らない掛け布団をはぎ取り、眠い目をこすりながら起き上がる。目やにを気にすることはない。

 「30秒で支度しな。」

と、聞こえたような気がしたが、聴覚がまだ夢の中にいるからだろう。


 59秒前、お花を摘む。

 53秒前、洗顔を済ませる。

 47秒前、3時間前の服装を思い出す。

 37秒前、最も平凡であろう出で立ちを選び取ったが、未だに迷っている。

 31秒前、食卓に辿り着く。

 5秒前、誰もいない。

 67秒後、一体何を口に運んだのか、全く思い出すことはできなかった。

 71秒後、雉を撃ちに行ったことは確かだ。


 83時3分43秒の待ち合わせに19秒遅れたあの子を許してから丁度2時間が過ぎた。

 別れ際に

「またあした。」

と、切なそうなあの子。またよくわからないことを呟いている。変わり者のあの子に興味を惹かれる私もやはり変わり者なのだろう。

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