羅針盤
喪失の音
深淵に遠のく
大乗船に
希望積み込み
わがままな狂風と
大時化の悪戯に
祈る念いで
船荷を投げ棄てた
失う大切な物
見失う愛情
理屈っぽい羅針盤を
信じて裏切られた
日の光を全身に浴びて
凪のなか
辿った航路
なにもかも失った場所に
戻ることはなくても
この眼は捉えてる
残されたものは
この身と船
遂げるために
失うこともある
失ったのではない
容量を空けるために
削除した
そう思える日が来ると
馬鹿になって
後悔のない航海続ける
この先も幾度となく
エゴイズムの海に
翻弄されることだろう
この眼には
水平線に霞む
あの楽園を捉えて離さない
読んでくださりありがとうございました。