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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編恋愛シリーズ

恋とは、人を変え言葉を紡ぐ。

作者: 三上 空

 「はぁ・・・」

 

 今日何度目のため息だろう。

 数えることも億劫になり始め、冬空の向こうに白い息を吐く。

 

 俺の名前は小坂悠馬。高二だ。

 クォーターで、目は碧眼をしている。

 溜息とは幸せが逃げるという。

 実際問題どうなのだろうか、とも考えたことがあるが、よく分からないが結論だ。

 さて、溜息の原因。

 普通に考えたら遅い、初恋をしたのだ。   

 黒髪ロング、ストレートに綺麗な白い肌をした彼女は神坂あかり。

 同じクラスで隣の席。

 あまりに不名誉であろう二つ名は「隣の席ブレイカー」。

 隣の席になった男どもは彼女に惚れフラれるという事が多々あるため、周囲の誰かが言い出したらしい。

 身勝手な二つ名だなぁと最初は思っていたものだが、いざ惚れてしまうと何とも言えないのが事実。

 普段はクールな言動に対し、時たま見せる太陽のような笑顔は、どんな化学兵器よりも殺傷力だ高いだろう、マジで。

 ま、俺は基本的に彼女とはしゃべらない。

 彼女はどちらかといえば一人が好みらしく、いや一人でいることが非常に多く、あまりしゃべりかけられるのが得意ではない。

 イマドキJKのような言動は一切しない上に、校則に準じた凛とした態度がそれこそイマドキJKさんたちは気に入らないらしい。

 え?なんで俺がそんなことを知っているのかって?

 そりゃもう当然。

 それを吐かせた(・・・・)のは俺だからな。

 

 初恋にため息をついた、というよりは、実りようのない初恋を(・・・・・・・・・・)

どう自分の中で落ち着(・・・・・・・・・・)けるか(・・・)という事に対してだ。


 彼女に俺に対して好意がないことはわかっている。

 ただその一抹の希望を捨てたくもないというのも事実。

 だから俺はアクションをとることを覚悟した。

 

 ☆

 その日は家に帰り、入浴後、すぐに就寝した。

 翌日、いつも通り、制服を着て、食事をとる。


 「おはよう」

 「あら、おはよう・・・って、あらあら」

 「ん?なんだよ母さん。顔になんかついてるか?」

 「いーえなにも。ただ、覚悟が決まったみたいでよかったわぁ」

 「お見通しとかやめて、気持ち悪い」

 「えぇーん、息子が優しくないわぁー、お父さん~」

 「遅いなぁ、悠馬」

 「だから何だ」


 昨日の自分の中で今日決めたこと、それを見抜かれているらしい。

 

 「昨日と顔色が違う、鏡を見てみろ」

 「・・・」

 

 昨日まであった熊は消え去り、気怠げな眼もとは切れ味の上がったナイフのように悪い目つき。

 整ってはいるが、面倒だから普段からしていたマスクを外した。

 俺はなにとは言わず、思ったことを言う。 


 「まさかとは言わないけど、気付いてたんだ」

 「それはねぇ」

 「息子の一大イベントでしょ?」

 「はぁ・・・行ってくる」

 「「いってらっしゃい」」

 

 いつものように寒空は北風を乗せ、靄のカーテンと霜が朝日に照らされ、きらきらする。

 俺は足を踏み出す。

  

 ☆


 校門前に着き、教室に向かうため、下駄箱で靴を履き替える。


 「ヨース!悠馬!」

 「何の用だよ、イケメン宗助くん」

 

 俺がイケメンと呼んだこいつは鈴木宗助。イケメンでも何でもなくただのチャラ男だ。


 「・・・」

 「な、なんだよ人の顔じろじろ見て」

 「いや、イケメンだったのなぁ、お前」

 「あ、ああ」


 俺は普段からマスクをしていた。というのも整ってはいる顔だけで寄ってくる汚い女ばっかが俺に擦り寄ってきたりという事が多かったので、そういった面倒事を防ぐため、ほぼ常にマスクをして生きていたのだ。

 今まであったものが無くなったので少々スース―しているが、まぁ問題はないだろう。

 教室に向かい、俺はスクールバックを横のフックに引っ掛け、隣を見る。


 「小坂くん、おはよう」

 「おはよう」


 彼女の目を見て同じように返すと、目を逸らしてしまった。

 が、耳が赤くなっているように見えるのは気のせいだろか?

最近短編ばかり書いてるのは気のせい・・・じゃない!?

暇人だよって人は☆評価してってくれると嬉しいです。

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