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プロローグ 《宣戦布告》

「傘を忘れたの?水でびしょ濡れなんて、可哀想な野良犬みたいだねぇ」


とある雨の日。

同じクラスの女子生徒に言った第一声がこれだった。


水浸しになった制服と、髪が頬にくっついた彼女を見て、反射的に言ってしまった。

まるで息をするのと同じように、言葉が連なって行く。


これが、「ドSの王子」という俺の異名の由来なのだが、癖になってしまっているので直せない。


水浸しのせいで寒いのか頬が紅潮している少女の口が開いた。


「も……と……って」


「?何て言ったの野良犬君?ボソボソと話されても聞こえないんだけど?」


訝しく思い、覗き込んだ少女の表情が恍惚とした笑みを称えているのに気付き、今更ながら彼女が誰なのかを思い出す。

俺と似たような、異名があったはずだ。たしか……


《ドMの姫 月菜(るな)


俺と真逆な性格とも言える異名をもった彼女は頬を赤く染め、はっきりといった。


「びしょ濡れの野良犬って、もっと……!もっと、言って……!」


「……」


これが、ドMの姫と始めて二人だけで交わした会話だった。


。.:*:・'°☆ 。.:*:・'°☆ 。.:*:・'°☆


偏差値80という、全国でもトップの高校。

それが、音ノ葉(おとのは)高校。クラスも入学時のテストで実力分けされる。A~Cまでのクラスがあり、各学年60人という高校にしては少ない人数だ。

しかし、大学の合格実績は全ての生徒が国立のしかも偏差値の高い大学に合格というあり得ないようなことを成し遂げているものだから、毎年メディアからの注目が耐えない高校でもある。


2050年、メディアを驚かせたニュースがある。

新聞の見出しに大きく飾られた文字は、見た人に驚愕を及ぼした。


《音ノ葉高校 満点者が5人 伝説のSクラス登場か》


難解の入試テストで満点を採る者など、一人もいなかった音ノ葉高校で、一人だけでなく五人もの満点者が出た。


満点の人しか入れないと宣言していたSクラスを、急きょ高校側が作り上げたのも一時の話題になった。


荒路 一輝(あらろ ひとき)

実河卓 月菜(みがたく るな)

青木 紗也(あおき さや)

橋本 海空(はしもと かいる)

黒雲 涼(こくぐも りょう)


この五人の名を、音ノ葉校では知らない人などいない。

はじめまして、星巻 洸一です。

毎週月曜と木曜の19時に更新していく予定です。

まだ不馴れな作品ですが、応援よろしくお願いします。

次回は、3月19日の19:00に掲載予定です。


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