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悪代官ちゃんの玩具箱

【もちろんフィクションです】

 江戸時代。

 

 歴史に詳しい方なら、実は江戸時代は未だかつて無いほど治安が良かった……という事実を知っているかと思います。数多くある時代劇でバッサバッサと人が斬られているのを見て「江戸時代コエエエエ……」と思われている方が多いと思いますが、実際は本当にかなり治安が良かったのです。


 どのくらい良かったかと言えば、殺人事件は一年に一件あるかないか。勿論これは記録上の話です。実際記録に残らなかった殺人事件があったかもしれませんが、江戸時代にも現在の警察のような機関が存在しており、その記録は数多く残されています。


 何故そんなに治安が良かったのでしょうか。一説によれば、刑罰がハンパなく厳しかったからです。殺人事件なんて起こせば勿論問答無用で死刑です。そして合計一両盗んでも死刑です。一両の価値は現在のお金で数十万。時期によって換算は違うのでハッキリと何円! とは言えませんが、それでも高くて四十万円くらいです。


 現在で言えば、ちょっとブルジョワな人から財布盗んだら死刑です。それほど江戸時代は厳しい法が課せられていた為、治安が良かったという説があります。


 しかしもう一つ……有力な説が。

 それは……悪代官の存在。時代劇で最もポピュラーなボスキャラですが、実際に悪代官は存在していました。民草へと重税を課し、私腹を肥やす存在。時代劇ならば、悪代官は数人の主人公チームに破れてしまいますが、実際そう簡単には行きません。悪代官に歯向かう者は数の暴力で徹底的にフルボッコにされます。しかし殺しはせず、悪代官は主人公チームの精鋭をも戦力に加えてしまうのです。


 ここで話を戻しますが、何故悪代官が江戸時代の治安が良いとされる理由に加わるのか。

 それは……誰もが憎む悪だからです。デコイのように民草のヘイトを稼ぎ、自ら憎まれ役を買って出る存在。明確な悪が居れば、人々の憎しみのオーラはそちらへ向きます。


 この物語は……そんな憎しみのオーラを全て受け入れる一人の悪代官の……お話です。




 ※




「曲者じゃ! であえい! であえいであえい!」


 今宵も命知らずな英雄が誕生した。その名は義龍(ぎりゅう)正義(まさよし)

 名高い義龍門下一の腕自慢だと言う。その巨躯に物を言わせ、義龍正義と名乗る英雄は長刀を小枝のように振るう。そして彼を囲む私の部下達。その中には今まで私に歯向かってきた英雄達も混じっている。


 私の部下達は義龍を取り囲み睨みつける。悪い事は言わないから、さっさと逃げ出せと。今逃げるなら勘弁してやる、そう視線で語りかけるが、義龍はそれを鼻で笑いながら声を張り上げた。


「まさか……この街を支配している悪代官がこんな小娘だったとは! しかし悪である事に代わりは無い。己の今までの所業を悔いながら倒れるがいい!」


 そう、私は今年で十五の小娘だ。綺麗な着物に身を包み、民草へと課した重税で私腹を肥やす悪代官でもある。ちなみに民から徴収した税のほとんどは、毎年開催される美少女コンテストに使用されている。


 まるで演武を披露するかの如く長刀を振るう義龍。その巨躯からは想像も出来ない程に動きが軽やかだ。思わず拍手したくもなるが、私は悪代官。徹底的に潰した後、民へと見せしめとして“アレ”をしてやらねば。


 義龍の演武を見ても尚、部下達の態度は変わらない。早く逃げ出せと睨み続ける。しかし義龍はやる気満々だ。さっさとかかってこいと挑発までしてくる。


「どうした! 怖気づいたのか! ならば改心して、民一人一人に土下座でもすれば許してやろう! そしてその後……悪代官! 貴様は俺の嫁にしてやる!」


 小さく溜息を吐く私。正当なプロポーズでも丁重にお断りするが、まさかこの場で私を嫁にすると言い出すとは思わなかった。仕方ない、その挑発に乗ってやろう。


 私は部下達へと目の前の曲者を切り捨てよ(実際には殺さないけど)と命じる。


「ええい! 私を愚弄するか! この曲者を切り捨てよ!」


 その瞬間、部下達は一斉に抜刀。この瞬間は何度見ても圧巻だ。私の部下達はそれなりの強者揃い。義龍のように私に挑んできた者も数十人混じっている。そして何より、そんな英雄達を叩き伏せる程の剣力を持つ者も居る。


 義龍は抜刀した私の部下達へと視線を流し、舌なめずり。強がっているようだが、ようやく気付いたようだ。自分を上回る者達が何人も居る事に。顔は笑っているが、目が泣いている。恐らくその背中は冷や汗でベトベトだろう。


「ま、参る!」


 義龍は目の前に立つ少年剣士へと切りかかった。恐らく勝てると見込んだのだろう。しかし残念。その少年剣士は……


「秘儀……梟」


 静かに少年剣士は自身の持つ必殺技の名を唱えながら、脇構え。そして小気味良い剣戟が響いたかと思えば、少年剣士は既に義龍の背中側へと立っていた。


「ば、バカな……」


 呆気なく倒れる義龍。少年剣士はゆっくりとした動きで納刀すると、決め台詞を。


「安心しろ。峰打ち……じゃなかった! ぎゃー! 血が出てる! ちょ、救急車!」


 すぐに医務班が現れ、義龍をタンカに乗せて治療を施すべく屋敷の中へと運び込む。

 私は慌てふためく少年剣士へと手招きしながら、その頭をコツン、と小突いた。


「バカ、殺しちゃったらどうすんの。上様にどやされるよ」


「す、すんません……だって急に来るから……」


 私は小さく溜息を吐きながら、少年剣士……楓へとペナルティを課す。


「屋敷の外周を五十周。行って」


「は、はい! すみませんでしたぁ!」


 そのまま走りさっていく楓。まあ義龍は命に別状は無いだろう。あれだけデカいんだ、多少血を流し過ぎた所で問題は無い。たぶん。





 ※





 突然だが私は美少女が大好きだ。毎日のように街を練り歩いて、可愛い女の子を見つければ屋敷へと呼び寄せ抱き枕にしている。さて、今夜はどの子を抱き枕にしてやろうか。


「ぁ、悪代官ちゃーん。たい焼き食べてかない? 実は餡子、ちょっと変えてみたんだー」


 たい焼き屋の娘、(もみじ)。私は甘い物に目が無い。ちなみに今私は普通の町娘にしか見えない恰好をしているが、この街の大体の人間は私が悪代官だと知っている。


「椛、父の病の調子はどうだ。よくなったか?」


 たい焼きを受け取りつつ、椛へと質問する私。椛は満面の笑みを浮かべつつ


「うん、大分いいみたい。悪代官ちゃんのおかげだよ」


「悪代官になんて事言うんだ……って、アッツ! たい焼き熱い! 椛! 罰として今夜、抱き枕になれ!」


「はいはーい、喜んでーっ。それより、さっきデカイの屋敷に入っていかなかった? 大丈夫?」


 デカイの……あぁ、義龍の事だろう。


「楓がぶった切った。峰打ちしたつもりだったらしいけど……間違えちゃったみたい」


「あららら。って事は……アレやるの? あのデカいので」


「勿論だ。見せしめは必要だし……私は悪代官だからな」


 ギラっと目を輝かせながら、決め台詞。そしてたい焼きを頬張る私。

 むむっ、白あんだとぅ! なんて贅沢なたい焼きだ! 許せん! 


「椛! 罰として冷たいお茶を出せ! 私は悪代官だから言う事聞けよ!」


「はいはい。ちょっと座って待ってて」


 そのままベンチへと座りつつ引き続き、たい焼きを頬張る。

 白あんも中々にいい。美味なり。


「あ、悪代官様ぁー!」


 その時、私の前に土下座しながら叫ぶ男が現れた。

 コイツは……呉服屋の五平だ。父親の跡を継ごうともせず、遊郭で遊び惚けていたところを私が捕まえて懲らしめた過去がある。懲らしめたと言っても、一週間の間ムッキムキな私の部下達と共に寝泊まりさせただけだが。


「どうした五平、血相変えて」


「へへい! 実は……税をちょっとばかし軽くして頂けないかと……今のままでは私の店はやっていけません! なにとぞ……なにとぞ!」


 私は椛から冷たいお茶を受け取りつつ、それを一気飲み。

 そのまま大きく溜息を吐きながら……


「何、お前……またガチムチと一緒に寝泊りしたいの?」


「め、滅相もありません! マジで! あれだけはもう勘弁してください!」


 生粋の女好きである五平。ガチムチと暮らした一週間が凄まじく長かったと零していたのを思い出した。でも良かったじゃないか、そのおかげで割りと真面目に父親の跡を継ぐ気になったんだし。


「税が重い? 馬鹿言ってんじゃねえよ。別にお前だけじゃ無いんだよ、辛いのは皆同じなの!」


「そ、それは重々承知しております! しかしながら……このままでは私の店は潰れて家族を露頭に迷わす事に……」


 私は本日何度目か分からない溜息を吐きつつ、椛からもう一つたい焼きを受け取り割って見せた。


「五平、これを見ろ」


「はっ……それは……白あん……ですか?」


「そうだ。そして椛は私に税を軽くしろなんて一度も言ってきた事は無い。何故だと思う」


 五平は必至に脳をフル回転させ、私へと己の回答を提示する。


「……そ、それは……工夫……。たい焼き屋など他に溢れているのに、椛殿のたい焼き屋が愛されるのはバリエーションの多さ……椛殿はその器量で数多くのたい焼きをプロデュースし、他と差別化を図り厳しい生存競争で勝ち続けています……そして何より、その接客態度が素晴らしいの一言。明るく健気な彼女の笑顔が街行く人々を引き寄せ、無償で味見をさせる事により……その美味さを伝達させ更に客を呼び込み……何より素晴らしいのが……」


「長い! もういい! っていうか十分過ぎる程分かってんじゃねえか! 何、お前……椛に惚れてんの? 見過ぎだっつーの」


「け、決してそんな事は! 椛殿は悪代官様のお気に入りっ……! そんな無粋な想いなど抱いておりません!」


「いや、別にいいんじゃない? お前がちゃんと呉服屋継いで、この街で一番になれば椛も振り向くかもしれんぞ。なぁ、椛」


 突然会話を振られて苦笑いする椛。しかし小さく頷くのを見て、五平はやる気をMAXにさせる。


「五平、重税が苦しい事なんて分かってる。でもな、世の中助け合いが全てだ。人という字は支えあって初めて人と読むんだ。お前は黙って私を支えろ。そしたら私はお前をしっかり守ってやる。戦国の世から織田が攻めてこようが関係ない。私は誰が相手でも立ち向かう。それが私の義だ」


「あ、悪代官さまぁ……」


「分かったらさっさと仕事戻れカス! 父親泣かせたらガチムチと今度は一月監禁するからな」


「へ、へい! 失礼しましたぁ!」


 そのまま走って去っていく五平。

 その背中は何処か逞しくも見える。


 私は五平を見送った後、先程割ったたい焼きを平らげ、椛へと礼を言いつつ街の散策に戻る。

 すると息を切らしながら少年剣士、楓が走り寄ってきた。もう五十周走ったのだろうか。


「あ、悪代官様……先程の男が目を覚ましたそうで……」


「おう、分かった。じゃあ“アレ”やるか」


「え、えぇぇぇ! 今目覚ましたばかりですよ! 大怪我には変わりないですよ?!」


「ッチ……仕方ないな……じゃあ楓、お前代わりに“アレ”やれよ」


「えぇぇぇ! 僕なんですか?! ペナルティの五十周はちゃんと……」


「あー? ヤツの腹切ったのは誰だったかなぁ……あーあー、上様になんて報告しようかなぁー」


「わ、わかりましたよ! やればいいんでしょ……うぅ……」


 分かれば良し!

 そのままトボトボと屋敷へと帰っていく楓。

 

「上様……か」


 現在、この江戸幕府を統治しているのは徳川吉宗公。私はその上様から直々に命を受け、この街の悪代官として君臨している。もうあれから五年も経つのか……忘れもしない、あれは私が十歳の頃……





 ※





 《五年前》


 私は当時何の変哲もない大工の娘だった。唯一、他と違う事と言えば……私の頭だ。私の父は橋を建てるのが主な仕事で、その仕事っぷりは徳川吉宗公の耳にまで届く程の評判だった。どんな暴れ川だろうと、父は壊れない橋を作り続けた。しかしそんな父の仕事で欠かせない存在……それが私だ。橋の設計は全て私が行っていたからだ。

 川の水量、流れ、地形、全てを計算しつくし壊れにくい橋を作る。私にとってそれは遊びに過ぎなかった。というか最初は本当に遊びだと思っていた。私は父の真似をして橋を描いていただけなのに、いつのまにか父は私の描いた橋を建てるようになっていた。

 私は父が好きだ。本当に尊敬している。私が書いた図面を現実の物にしてくれる。私はそれが嬉しくて堪らなかった。だから私は橋の図面を引き続けた。もう手に豆が出来、その豆がつぶれてもお構いなしに。


 そんなある日、私達親子は徳川吉宗公へと招聘され、その目の前で仕事をすることになった。

 上様の前で図面を引く。私の手際の良さに上様は感心を通り越して畏怖を憶えたのかもしれない。たった十歳の私が完璧とも思える図面を引いてしまったからだ。だから上様は……こんな事を言い出した。


「お前の頭には悪鬼が住み着いている。というわけでお前は今日から悪代官になれ! その悪鬼を存分に暴れさせるがよい! お前に丁度いい街をくれてやる!」


 半分意味が分からなかったが、こうして私はこの街にやってきた。

 当時、この街は酷かった。街中で白昼堂々と刃傷沙汰が起き、他人の財は自分の物と思っている輩が跋扈する街。阿片が当たり前のように蔓延し、街中がゴミの吹き溜めのような雰囲気を醸し出していた。


 何故私がここに……本当に上様を恨んだ。しかし上様の要請を断る事など出来ない。私は無我夢中で悪代官になり切った。とりあえず始めたのは、街中の女という女を屋敷に連れ込む事。上様に頂いた部下は三十余名。元々結託や協力と言った言葉とは無縁のこの街の男達は、女を取り戻そうと単身屋敷に踏み込んできた。それをフルボッコにし、虐めぬいて味方に。あわよくば剣術を指南し、部下に取り入れる。それを繰り返していく内に戦力は増え、私は一個の強力な軍隊を作り上げた。橋の建造と同じだ。水に逆らうのではなく、水の勢いに任せるような橋を作り上げる。私はこの街に相応しい悪代官として、ひたすら暴力で支配した。逆らう者は多勢に無勢で叩き潰した。そうしている内に、街の住民は英雄の存在を求めるようになる。


 ちなみに英雄第一号は楓だ。この街がどんな街か知らないのに訪れ、暴力で支配する悪代官が居ると聞いて私のところへやってきた。その時の楓の年齢は私と同い年。天才という名をほしいままにする剣士だった。まあ、どんな天才でも数の力には敵わない。楓は呆気なく私の軍門に下り……アレを披露する事になった。アレの第一被験者は楓だ。楓のあられもない姿を見て街の男達は恐怖し、次第に従順になっていった。


 そして私は手に入れた。この街を……悪代官として。




 ※



 

 月明かりが街を照らす頃、私は正装し街の中央広場に設置された舞台が良く見える櫓へと。

 その舞台の中央には、美しい着物を身に着けた花魁の姿が。

 舞台の周りには人が詰めかけお祭り状態。私はマイクを手にすると、街の住民へと呼びかける。


『はーい、街の皆様……久しぶりの舞台です。今朝、私の元に一人の英雄が訪れました。彼は私にこう言いました。己の今までの所業を悔いながら倒れるがいい、と』

 

 民草は舞台に立つ花魁へと大ブーイング。

 そう、散々アレアレと言ってきたアレは、花魁の姿をさせて舞台に立たせる事。

 まあ、今舞台に立ってるのは楓なんだけど。


『しかし彼はものの見事に私の部下に切り伏せられました。どっかの馬鹿が本当に斬りやがるから、今は床に伏しています。ちなみに今舞台に居るのがその馬鹿です』


 花魁の姿となった楓は見事の一言。

 元々女みたいな美少年だが、ここまで綺麗になると軽く嫉妬してしまう。なので容赦なく見せしめになってもらおう。


『はい、じゃあ楓ちゃん。舞いなさい。その姿を皆に見せつけてあげなさい。恥を捨てよ、さすれば道は開かれん』


 もっともらしい意味不明な言葉を言いつつ、私はマイクを置き見物。楓は本場の芸者に習った舞を披露し始める。何処か楽しんでるような気もしないでもないが。


「はぁ、平和だ……少し退屈すぎるな……」


 最初、この街に来た時はどうしようかと思ったが……今では笑顔の絶えない良い街になった。皆私を恐れ、憎み、怯えながら細々と過ごしている。重税に苦しみながらも懸命に考え稼ぎを出し、その中で目標を見つけて必死になる者も居る。


 私はこの街を……いつまでも悪代官として上から目線で眺めていよう。

 私が作り上げた観賞用の玩具箱。この平和を……私はいつまでも……


「悪代官様! 大変です!」


 その時、私の部下が血相を変えて櫓へとやってきた。

 見るからに焦って顔面蒼白の状態。一体何だ、どうしたというのだ。


「こ、この街へ進軍してくる兵が……その数、約二十万!」


「二十万……? いや、っていうか進軍って……一体何なんだ」


「それが……私も目を疑ったのですが……その軍旗を見る限り……豊臣家、石田三成の……」


「……はぁ? お前、何言ってんの?」


「わ、私も分かりません! しかし事実、この街に向かってきてるんです! 如何致しますか!」


 如何も何も……私は悪代官だ。取るべき行動は一つ。

 私はマイクを再び手に取ると、舞台に夢中になる民草へと言い放つ。


『今すぐ全員屋敷へと入れ! 私の、この街に攻め入る愚か者共が現れた! 戦える者は武器を取れ! 悪代官として命ずる。お前達は一生私のモノだ! その人生は私のためにある! 全てを私に捧げよ! さすれば……何者が相手だろうと絶対に守ってやる』


 そのまま私はマイクを捨て、部下へと言い放つ。


「そういう事だ。早馬を上様の元へ。援軍を送られたしと」


「御意……!」


 こちらの戦力は私の作り上げた軍隊、約三百。

 どう足掻いても二十万の軍勢には敵わない。


 父は流れに逆らわない橋を作り続けた。私はそんな父を心から尊敬している。

 

「奴等を誘い込んで……一網打尽にしてやる」


 この日、私は命がけの賭場へと叩きだされた。

 悪代官として君臨し続けた代価を払えというなら、堂々と踏み倒してくれる。


「さあ、始めようか。命がけの……時間稼ぎだ」





 この後、この悪代官がどうなったかは……一切記録には残されていない。

 



【何度も言いますがフィクションです。最後まで駄文にお付き合いいただきありがとうございました! 歴史ファンの方……すみませんでしたーっ!orz】

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― 新着の感想 ―
[良い点] 何、これ⁈ めっちゃ面白かったんですけど‼︎ L ikaさまって、ひょっとして天才⁇ どうやったらこんな奇想天外なストーリー思いつくんですか? 椛ちゃんも楓の花魁もいい仕事してましたねー …
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