天地を喰らう2 諸葛孔明伝 〜魏を食らう〜
蜀を取ると早くも夏侯淵を大将に曹操軍が漢中に攻め込んできたので撃退するも、曹操が魏王に就いたとの報せ。これに対抗すべく劉備もやむなく漢中王を名乗ります。ここから対魏戦に入るのですが、関羽が荊州に、張飛が成都の守りに就くため戦線離脱。代わって関羽の次男関興、張飛の嫡男張苞が加わります。順調に攻め上るも天水の麒麟児、姜維伯約に手痛い敗北を喫します。その才能に惚れ込んだ孔明、姜維の母御を人質に、もとい曹操軍から救い出し、これを配下に加えることに成功。
その後、司馬懿仲達に退けられるものの、雪辱戦に勝利し、ついに曹操を壺盧谷に討ち取ります。余談ですが、この壺盧谷は孔明が火計を用いて司馬懿を窮地に追いやった場所。しかしにわかに起きた豪雨により火計は失敗。諸葛亮が天命を悟った場所なのです。しかし本作では立場が逆転。孔明が秘術で曹操の火計を打ち破り、逆に曹操に勝利する場面に改変されています。
「おもえばこうきんのらんにきょへいしてから、いくさばかりのじんせいであった。しかし、それももう・・・」
乱世の奸雄、ついに墜つ。
しかし戦いはまだ終わりません。曹操の息子、曹丕が仇討ちに挙兵するも司馬懿の裏切りに遭い悶死。軍権を掌握した司馬懿がラスボスとして立ちはだかるのです。
こうして戦いは孔明、司馬懿の全面対決になってゆくのです。
結末から言えば司馬懿を洛陽に破り、劉備が漢王室を再興するという架空ハッピーエンドで幕を閉じます。さすがにこのエンディングは史実と違うくらいは当時の筆者にも分かってましたが、やはり大団円の感慨はひとしおです。賛否両論はあるかも知れませんが、筆者的には全然オッケーなのです。
劉備や孔明は現実には善人ではなかったでしょうし、曹操も司馬懿も悪人だったわけではありません。さらに言えば曹丕は若くして病没したのであって、司馬懿が簒奪に走ったのも自己保身に過ぎません。でも、これはゲームなのです。ゲームでまで三国志のやるせないストーリーを追体験させても、ファンがどれだけできるか怪しいものです。それならいっそ分かり易い話にして、入門作としてゲームを楽しんでもらった方が良いと判断した製作陣にエールを送ります。その判断は正しかった、と。