すべてが灰になって
子供の頃から住んでいた家は、燃え残ることなく、全てが真っ白な灰になった。家の中で眠っていた三人もまた同じく。
逃げられはしなかっただろう。ぐっすりと眠っていたのだから。
それこそ、火に包まれてからようやく目を覚ますような、そんな状態だったのだから。
さらさらと乾いた風が灰を巻き上げ私へと吹き付ける。それによって私と世界は白く染まっていく。
真っ白に塗られた肌は白粉の施されたように。
白一色になった服はウェディングドレスのように。
空を舞う灰は紙吹雪のように。
私はシンデレラ。
あなた達にそう呼ばれるようになってから、いつかこの復讐をすることだけを考えて生きてきた。
私は今、あなた達の灰で輝きだす。
「さぁ、王子様。私に、ガラスの靴を履かせてくださいまし」