一話 転移と出会い
前のが気に入らなかったので全部書き換えました。2017/1/12
物理的って形容詞あるじゃないですか。
物理的。
僕は前々からこの言葉が気に入らないわけで、概ね容量が足りない場合とかに使われる。この言葉を聞くたびに、物理ってこうもっとあるだろと物の理だぞと、確かに容量とかも物理の話ではあるが、この言葉の使い方にひっかかるのだ。あわせて
あとアレ物理攻撃って言葉も同じで気にくわないところがある。物理じゃない攻撃ってなんだ?
精神攻撃か?
確かにそれは物理じゃないな、うん。
ただ、魔法攻撃の炎とかが物理扱いされてないことがある気がするのとかそういうのが気になるところだ。
なってるのだ。まあ気にしてる人は気にしてるし、用法に混乱が見られる用語なんだろうとそう割り切れなくもない。
でもやっぱり炎とか爆発という物理現象を魔法で起こしたところでそれは物理攻撃なんじゃないかと、まあそんな細かいことを気にしているわけだ。
ちなみに今何しているかというと、神社でお参りしているところで、あれ、なんでこんな思考になってるんだ?名乗りを上げて、あ、そうそう、自然現象が奥深すぎて素材開発の仕事がしんどいけどなんとかうまくいきますようにとか考えてたんだったな。で思考がそれたわけだ。あ、でも燃えるのは化学変化を伴うから化学なのかな?
かなりしょうもない話になってしまった。
ちなみに今何しているかというと、神社でお参りしているところで、あれ、なんでこんな思考になってるんだ?
おかしい。
名乗りを上げて…
あ、そうそう、素材開発の仕事をしてるんだけど自然界の偉大な物理法則や化学反応がむずかしくて全然わかんなくてしんどいけど私は元気です。
なんとかうまく生きてけるくらいに色々できるようになりますようにとか考えてたんだったな。
で思考がそれたわけだ。
あ、でも燃えるのは化学変化を伴うから化学なのかな?またずれた。
ずれたついでにお願いしとこう。
つまりこれはかっこいい魔法を使いたいですってことで!
それすぎた…。
<<其方の願い叶えられそうぞよ。我の編み出した万能物理魔法その身に授けて進ぜよう!なあに魂を分割してこっちの世界に来てもらうだけ大したことあるまいて。はっはっは!>>
想定外の返答が頭の中に響き、視界がブレて、ひっぱるような押しこまれるような感覚がしばらく続き、気持ち悪いなぁと思っているとそれも終わった。
…
ええええええええええ!?
突然の事態に茫然としつつ取り合えず、現状を把握しようと努めてみる。
まずは目を開ける。何も見えない。真っ暗だ。
っていうか全身生暖かい液体の中にいる気がする。
呼吸は…できているのかこれ?よくわからないが苦しくはない。
手を動かしてみる。うん、動く動く。
見えないからよくわかんないけど、なんとなくちっこい気がする。きっと気のせいだろう。
足はさっきからふわふわしてて、どこにもついかない。つまり浮いている。
まだ慌てるような時間じゃない。あわてず騒がずヒッヒッフー。深呼吸だ。
視覚は真っ暗闇だと思ってたんだけど、どうも意識すると体は赤っぽく、周囲の液体は青っぽくちょっと光って見えるようになってきた、気がする。
気がするというのは、体の表面と液体の境界があいまいでちょっと混ざってるからだ。
手のひらに意識を集中してみていると、意識している部分に向かって周りから色が流れてきて、だんだん光が強くなってくる。
ちょっと面白い。
体の中から集まる方が、液体の流れよりも早いみたいで手の形がはっきり見えるようになった。
一瞬だけ。
手の周りに液体の光が集まりすぎて何も見えなくなってしまった。
エネルギー弾でも打てそうなくらい光ってみえる。
しばらくトライアル&エラーしてると、こつをつかんできたのか体の光と液体の光を独立に動かせるようになってきた。
もう一個発見があって見え方もコントロールできるっぽく、自分の全身を見ることができるようになった。
真っ裸じゃん!
やっぱり体ちっちゃいじゃん!
どうみても小学生くらいじゃん!
そして何よりフエアーイズマイサン!
つまりアレだな。今の自分は培養槽だかにいる幼女先輩ってことか!なんでやねん!
髪の毛も長いし。肩まであるし。さっきまで耳にかからない長さだったじゃん!
うーむ。
ちなみに液体の方は両手を広げて届かないくらいの幅の円柱型をしている。1.5mくらいか?
下は足のちょいしたくらいまでで、上はよくわからんけど5mくらいだろうか。
どうみても培養槽みたいな内部っぽいです。本当にありがとうございました。
ちなみに外の様子は一切わからない。そろそろ何か起きてもいいと思うのだが。特にさっきの声の主に事情を説明してもらいたい。
さっきの声はたしか魔法をくれるとか魂をつれてくとか言ってたし、間違いなく犯人はあの声の主で、きっとロリコンだ。で、色がついてみえるのはきっと魔力とかそういうものだろう。そういうことで納得しておこう。
ぐぬぬ。
ていうか誰やねんあの声。
神社で声がしたってことは神様か?
神様が異世界転生させるなら不慮の事故やうっかりミスで死んじゃったときでしょ!
どっちかというとこれは拉致じゃないか?
いや、なんか分割とか言ってた気がするし、むしろマッドサイエンティストとかそっち系な気がする。
きっと幼女趣味のマッドサイエンティストな魔法使いが自分好みのホムンクルスを作ったはいいけど、魂が宿らずに困ったあげく、魂をさらいに来たに違いない。
いや、わざわざ違う世界まで行くのはなんか変だな。こっちの世界とかいうからには異世界で魔法のあるとこに拉致られたんだろう。
そうに違いない。ね、そうでしょ?さっきの声の人!
返事がない。そこには誰もいないようだ。
<<うむ。無事に定着したようだな。上々上々。何やら失礼なことを考えておったようじゃが、概ね間違っておらぬぞよ。お主を見つけたのは本当に偶々じゃ。1000年ぶりくらいに次元震があって久々に外に出れたわけじゃしの。>>
誰もいないと思った瞬間、返事が返ってきた。
とりあえず色々聞いておきたい。あんただれだよとか、ここはどこ?とか私はだれ?とか
<<ぬ。いろいろと返答をしたいがもう時間がないようじゃの。我の考えた最強魔法、存分に楽しむがよい!我こそが始まりの大魔導士マトr…
言いたいことだけ言って声の主は消えたようだ。名乗りを上げきれてないぞ、おい。
プシュー音を立てて目の前の壁が開いていく。同時に円筒を満たしていた液体があっという間に体に吸い込まれていく。
小さな小部屋のようだ。目の前に小さなテーブルがあり、ご丁寧にも服がおいてある。ドロワーズとローブだ。折角なので着させてもらう。
ローブは朱色で白い線で模様が入っていて、フード付きワンピースになっている。これで杖とか持ったら魔法使いっぽい。杖はなかった。
テーブルのちょうど服の下にかなり複雑な魔法陣が描いてある紙が置いてある。なんだこれ。
辺りは壁も床も真っ白で、天井がやんわり白く光ってるみたいだ。部屋にあるのはテーブルと入ってた培養槽みたいなのだけで扉も窓もない。どうみても密室だ。
良く調べるまでもなく魔法陣しかヒントがない。できのわるい脱出ゲームだ。
紙を持ってみたが特に何も起きずない。まあ、魔力がいるってことだよな?
ということで、紙を両手で持ってさっき感じた魔力っぽいやつを魔法陣に流すイメージをしてみる。
手から赤い光が流れ魔法陣にどんどん吸い込まれていく。
魔法陣がまばゆい光を放ち、視界が揺れた。
目の前には、白いローブの女の子がいた。
突然の出現に一瞬驚いたようだが、すぐににっこり笑って語り掛けてきた。
「えっと、言葉はわかるかな? 私はアカネ!こう見えてもAランクの冒険者なんだよ。ギルドの依頼で調査に来たの。よろしくね!」
こうして俺の異世界生活は、わけのわからんまま始まったのだ。
初投稿です。いざ自分で書いてみると難しいですね。