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青年の懺悔  作者: 風野道之
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見えるものと見えないもの

間をかなり開けて大変申し訳ございません。本業の方が忙しかったのですが、ひと段落ついたので更新します。

なぜかはわからなっかった。目の前の青年は語る声は興奮している様子だったが、表情は一ミリも変化していなかった。これも感情がないのだから当然のことかもしれない。ここまでの話で、青年は思春期でよく起こる周りとのギャップや違いに悩むごく普通の少年期を過ごしていたようだ。しかしなぜか彼は未来が見えるという。これは本当か嘘かわからないが、これほどの事件を起こしたのだ。本当なのであろう。たった一人で11人も殺害していて、全員彼が言わない限り行方不明になっていた。ここで疑問が生まれる。なぜ彼はわざわざ自首してきたのだろうか。もし未来が見えるのならば警察から逃げ続けることだってできたであろう。しかし彼は自首を選んだ。ここに私は違和感を感じた。もし自分が未来をみえるのならば、自首などせずに逃げ続けると思ってしまう。彼にはいったいどんな未来が見えてしまうのだろうか。

青年は口を開いた。


僕は別にグロテスクなものは好きではないんです。しかし棚田さんのバラバラになったのを見て興奮した。なぜかはわからなかった。だが、答えを知るのにそう時間はかからなかった。彼女の表情だ。いつも笑顔をみんなに振りまいている彼女が無機物のような無表情になっている。そう、自分と同じ何も感じていない表情だ。この時自分は一人じゃないとおもえた。だからうれしかったのだ。うれしいという感情が戻ってきたのだから正確に言えば同じではないのだが、こっち側になったのだ。それだけでうれしい。

しかし問題が一つある。今の彼女は心のある向こう側。いつこっち側になるのか。いつバラバラにされるのか。見たいその瞬間が見たい。僕はそう思った。そこで僕は彼女の一日を観察してみることにした。未来を見た時の情報は、満月の夜、首、胴体、両腕と両足に切られていたことだ。切断面はきれいに切れていた。骨をされて肉、靱帯、関節周囲の物のみを切り落として骨には傷がついていなかった。このことから、僕以上に人の体に詳しい人だと思った。僕は筋肉を鍛えていたためそれに付随する知識はかなり持っている方だった。ここから、自分以上に体に詳しい人物。理科の教師などかと思った。

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