固有モンスター
「これが、我の前世の全てです」
「……これは」
なんと反応すれば良いのかわからない。初代勇者とか初代魔王が絡む前世って、アドゥルはそんなに凄い存在だったのか?
「では、質問にお答えしましょう。なぜ我に前世の記憶があるのか。それは、かつて我だけしかカースキングというモンスターは存在しなかったためです。たった1つしかない固有のモンスターなら、そのモンスターがただ蘇るだけなのですよ。この我のように」
なるほど、つまりカースキングという種族はアドゥルしかいないからアドゥルが蘇る形でこのダンジョンに生まれたと。……ちょっと待てよ?
「それって、他のモンスターにも言えることなのか?」
「如何にも。固有のモンスターであれば、どのようなモンスターでも蘇ります。知性があるのなら、前世の記憶も持っているでしょう」
「……少し他のモンスターの様子を見てくる。アドゥルさん、また来ます」
「ええ、それが良いでしょう。我はこのようにもう一度チャンスを下さったダンジョンマスター様に従いますが、他のモンスターもそうだとは限りません。我はいつでも歓迎します。それでは行ってらっしゃいませ」
「ありがとうございます。それでは」
これは全ての大ボスと話を付ける必要がありそうだ。それもできるだけはやく。
私は、急いでダンジョンマスター権原で92階層に飛んだ。




