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日本円でダンジョン運営  作者: sterl
一章 獣神王の迷宮
30/145

死と不死の階層

「うっ、くさっ」


 カースキングの91階層に来たはいいものの、腐臭がキツいな。ジョセフィーヌを連れてこなくてよかった。


 それにしても、スケルトンとゾンビと、死霊系のモンスターしか見当たらないな。枯れ木の影や墓石の裏から複数の視線を感じる。姿を見せているモンスターだけでも気持ち悪いくらいにいるのに、まだまだ隠れてるのか。戦力が計り知れない。


「カースキングはどちらにいらっしゃるのでしょうか?」


 ……駄目元で近くにいたゾンビに訊ねてみたが、返事はなかった。所詮ただの屍か。


 行く宛もないので、なんとなくまっすぐ歩いてみる。ゾンビ達は警戒しているのか、一定の距離を置いてそれ以上近づいてこない。俺が生み出したモンスターじゃなくても襲って来ないようだ。


 それにしても、どこまでも墓地が続いているだけだな。ゾンビとスケルトンと幽霊と枯れた木のモンスターしか動くものがない。


「どこにカースキングがいるんだ?」


「カースキング様の屋敷はこちらでございます」


「ありがとうございます。って、あなたは」


 突然話しかけられたので思わず返事をしてしまった。話しかけてきたのはメイド服を着たゾンビだ。


「カースキング様のメイドでございます。カースキング様の屋敷まで、案内します」


 あ、本当にメイドだった。脳が残ったゾンビなのか?とりあえず案内してくれるなら素直についていこう。


「ありがとうございます。なんと御呼びすれば良いでしょうか?」


「冥土が私の名前です。では、こちらへ」


「あ、はい」


 冥土は、それだけ言うとスタスタと歩き始めた。皮膚とかは腐ってるのに、姿勢は正しいな。ゾンビなのに気品すら感じられる。かなり高位のゾンビだろう。

 それにしてもカースキングの屋敷か。そんなものはモニターで見たときは見当たらなかったが、このメイドや冥土の言った屋敷、かなりのこだわりを感じられるな。これは間違いなく人間並の知性はあると考えていいな。

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