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日本円でダンジョン運営  作者: sterl
一章 獣神王の迷宮
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side ダニエル part 3

 ラムの言う通り、少し歩くとボス部屋に繋がると思われる扉があった。


「さて、いよいよボスだけど油断しないようにね。できたばかりのダンジョンとはいえボスだけが強い場合もあるから」


「もっちろんよ!なにが出てきても私の魔法で焼き付くすわ!」


「それ、絶対解ってないだろ。それにしてもこの障気、本当にボスなのか?」


「ナーダルは小さいこと気にしすぎ。そんなことよりも、早く行くよ」


「ラムが言うなら仕方ねぇな。じゃ、行こうぜダニエル」


「ああ」


 扉に触れると、ひんやりとした鉄の感触が手に伝わる。ずっしりと重い扉を押し開ける。ボス部屋にいたのは……、


「ウルフね」


「ウルフだな」


「なーんだ、ただの雑魚じゃない。さっさと倒しちゃいましょ」


「お前ら、ウルフリーダーには気をつけとけよ。ウルフとはいってもCランクモンスターだ」


 ボス部屋にいたのはウルフが10体にウルフリーダーが1体だ。ウルフリーダーにさえ気をつけていれば俺たちなら楽勝だ。


「よし、行くぞ!」


「先手必勝よ!《フレイムハウンド》!」


 カレンが生み出した炎の猟犬がウルフの集団に飛び込む。動きが読みやすいので俺たちなら簡単に避けられるが、ウルフにとってはそうではない。今も3体のウルフが炎の猟犬の餌食になっている。


「……ッ!」


 ラムの放った3本の矢が、ウルフリーダーの両目と心臓を狙って飛んでいく。このままいけばウルフリーダーを倒せる……というところで別のウルフがその身を呈してウルフリーダーに迫る矢を受けた。そのウルフを一瞬で絶命したが、ウルフリーダーは健在だ。


「ウォオオォン!」


 ウルフリーダーの雄叫びに合わせて、生き残っている6体のウルフが、3体ずつ俺とナーダルに襲いかかってくる。


「ふんっ」


 ナーダルが飛びかかってくる2体のウルフをまとめて弾き飛ばす。背後から忍び寄って来たウルフはラム矢に貫かれ絶命する。


「そりゃあ!」


 正面から襲いかかってきたウルフを袈裟がけで斬り倒し、遠心力を利用して背後に迫っていたウルフも切り飛ばす。


「《フレイムバインド》!」


 少し離れた位置で様子を見ていたウルフが炎の鎖で縛られ、燃やし尽くされる。


「ウォオオオオオォオオォオンッ!」


「うっ、体が」


 ウルフリーダーが咆哮で威圧をしてくる。単純な能力で劣るカレンがその場で膝をついてしまった。


「ラム、援護頼む!ナーダル、行くぞ!」


「解った」


「おう!」


 ナーダルとウルフリーダーを挟み撃ちにするように駆けていく。ウルフリーダーは咆哮で硬直したカレンを殺しに向かおうとするが、ラムの矢がそれを許さない。


「おらぁあ!」


 ナーダルの大振りな一撃がウルフリーダーの胴体に襲いかかる。しかし、ウルフリーダーは小さく後ろに跳ぶことによってそれを躱す。そして、体制を崩し隙だらけとなったナーダルに爪を振りかざし、火の矢に前足を射ぬかれた。


「おいしいところを全部持ってくんじゃないわよ」


「サンキューな、カレン」


 カレンの魔法によって生まれた隙。それを逃さずに、剣を大きく振りかぶる。


「おりゃぁあ!」


 そして、俺の剣がウルフリーダーの頭を切り落とした。

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