side ダニエル part 2
「とりゃあ!」
俺の剣がスケルトンの胸にある魔石を貫く。
「おらあっ!」
ナーダルのメイスがスケルトンを頭から押し潰す。
「《フレイムアロー》!」
カレンの魔法が俺に飛びかかってきたウルフの頭を撃ち抜く。
「ふっ」
ラムの放った矢がウルフを吹き飛ばす。
「ウルフとスケルトンしかでないわね」
「ああ。やっぱり新しくできたばかりのダンジョンで間違いなさそうだ」
もう既に俺たちは地下10階を探索している。ここまで罠もなく順調に降りてこられたのだ。モンスターもスケルトンとウルフ、あとたまにスケルトンソルジャーが出る程度だ。Cランクパーティーの俺たちの敵じゃない。
それに宝箱もたくさん見つけた。中身はそこまで価値があるものはなかったが、できたばかりにしては稼げる方だろう。
「ん?あれ、ボス部屋の扉じゃないかしら」
俺には全く見えないけど、この4人の中で特に目が良いラムが言うのだからそうなのだろう。
「俺には見えないが……。障気の流れも違うような」
「ほら、細かいことは気にしないの!さ、行きましょ。ダンジョンコアはすぐそこよ!」
「そうだぞナーダル。カレンの言う通り細かいこと気にしてると禿げるぞ」
「ちょっと、禿げるとは言ってないわよ!」
「はは、ごめんごめん」
「そんなこと話してないで、早く行きましょ?」
「そう、だな。ラムが言うならそうするか」
やはり俺たち4人は女性陣の発言力が強い。一応ギルドには俺がリーダーだと登録してあるんだけどな。
それはさておき、いよいよボスか。そこまで強くないだろうけど、ダンジョンコアがそこにあると考えると緊張するな。