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伝説の始まりは現実の終わり  作者: 一ツ柳八重
第二章 奴隷都市ブロッサムプリズン
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[神代マリア視点]対応・衆合地獄

前から少し空きましたが、神代マリア視点の続きです。

変貌してる街を見た二人は今後どう動くのか?

 ゲートを潜ると夜の街並みが立ち並んでした。

 本来は人通りが多いが、今は噎せ返るような気持ち悪さがある。

 街のいたる所で蹲って倒れている人も居れば、声にならない嗚咽を漏らしている人、それこそ年齢指定行為が横行してそこら中に溢れかえっている。

 谷さんが蹲って倒れている人に近寄ると、その衣類は破かれていて、顔は赤くなり熱病に浮かされたように息が上がっている。

 その様子を一瞥し認識した時、海鮮物が腐ったような臭いに、熟しすぎて腐り始めたような甘ったるい臭い、雨上がりの腐った臭いなどが肺を充満させ吐き気を催すには十分だった。

 私以外ならね。


「アリスさん、の方がいいですよね。これは少々学生には悪影響なのでは?」

「そうね。アリスでお願い。この状況は先日のハックの問題よ。そして、暴走もこれが原因。詳しい話は向かう時に話すけど、これが終わったら、奴隷都市に行くわ」


 この谷さん、全く気にも留めてないのはさすがプロって事かしら。

 そう話しながら、パネルを操作する。

 送信先は、この世界にいるクリス博士だ。

 現状、私に来た感覚を見るに、奴隷都市の何かがこの町を牛耳って、いいえ、多分その根源が人の手から人間という存在を奪おうとしているように感じる。

 電子世界を元に作られているこのゲームでは、その影響下に居る何かに情報を取られる可能性がある為、クリス博士に専用の道具を取りに行くと、伝えた。


「現実世界でのあっち系のは綺麗だったとすら思えますね。これは煽情的というよりも、気持ち悪さや欲望の塊と言いますか」

「グダグダ言ってないで行くわよ。ガントレット形状だから、多分あなたはその職にとっての適正よ。簡単に飛び越えられるはずだから付いてきて。はぐれたら、あそこに見えるビルに着てちょうだい」


 そう言って、裏路地に入り走り出す。

 この状況は思ったよりもまずい。

 私の守護するモノは由紀による憤怒みたいなモノだ。

 あのガキ、自分の能力を盗られたわね。

 守護者はそれぞれのパートナーとの表裏一体の反面、同時に守護するモノを最大限に他人に向ける事が可能だ。

 私自身の能力は、現状無効にされているだろうと予想できる。

 色欲なんて気色悪い物にとらわれるって、由紀も本当にどうしちゃったのよ。


『貴女が、由紀の片割れですか?』


 いきなり頭の中で声がしたために、急停止をする。


「あなたは?」


 透き通った大人の女性の声が聞こえた。

 その淡々とした美しい声は、どこか圧を感じ、響いてくるようで全身がきしむ感覚を覚える。


「ちょっとアリスさん、速くないですか?」


 谷さんを置いていってはいるが、それでも付いてきてるので、やはりポテンシャルが高いのが解る。


『私はエル。止まらなくても話せるので、移動しながら聞いてください。それと声を出さなくても考えれば私につながります』


 分かった。

 そうして、再度走り出す。


『今の由紀はこの世界での裏面に存在するモノ、淫魔によって精神的に侵され始めてます』


 それは予想していたので驚くことではない。


『で? そのエルは力を使えずにおめおめ逃げてきたってこと?』

『いいえ。断罪の力や、守護への変更を行おうとしましたが、その前に由紀の方が理由がわかりませんが、堕ちました』


 由紀の事情までは知らなかったのは驚いた。


『それはそうでしょうね。思春期なんですから』

『それで一時的に私の力を貴女にお貸しします』


 すると指輪から深紅の粒子が少し舞う。


『これはエルの力なの?』

『いいえ。由紀の力ですが、私の効果を出すにはリンクが必要なだけです』

『使い方は』

『その時に執行と言えばいいだけです。あとは頼みました』


 一方的に言って声はしなくなった。

 視線を指輪に向けると、オレンジ色の粒子に、偶に赤い粒子も混じっているのが見える。


「とりあえず由紀を助けないとね」


 怒りの感情が頭の中で沸き起こるが、一時的に抑え込む。

 そうこうしているうちに、LTSに到着した。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

今回は、人の欲の暴走というかなりきわどい物を扱っていますが、世の中ではこの傾向が当たり前と、無意識に行われていると感じます。

特にこの場面が終わると同時に奴隷都市を書く予定なんですが、人の役割と、人の尊厳は他者から簡単に歪められてしまう、という事と、自分の意志と認識こそが突破の鍵であるという事を表現したくて扱ってます。


もし面白かったら評価の方もよろしくお願いします。

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