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初対面
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12歳の法水と米長が顔をあわせる。
米長が不遜に開口した。「カマっぽい奴だなおい。どうせ金持ちの坊ちゃんなんだろ。総身に知恵回ってなさそうなガタイしやがって」
「困ったな。こっちは『ドチビ』くらいしか罵る言葉が見つからない」
「……精々足引っ張ってくれるなよ。俺のパスにしっかりあわせるんだ」
「僕が君にあわせるんじゃない。君が僕にあわせるんだ。え、僕の名前?」
「聞いてないよ」
「法水好介さ。通り名は『千葉の災厄』。『現象』とも。君は?」
「……米長だ。ヨネでいい」
「下の名前は?」
「最後のテストをパスしたら教えてやる」
「じゃ通り名は?」
「普通の奴は持ってないんだよ」




