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第十話:”能力”と”器”の特別授業♪

〜作者の脳内小説メーカー〜「今回はかねてより理解不能だった”能力”を中心とした話です」「これでもわからない・・・という人がいたら教えていただけるともっと詳しく説明したいと思っていますので、遠慮せずに教えてくださいね」「ああ、先輩、俺、一つ質問があるんですけど・・・」「なんだ?」「小学校でならった算数とかは使うのは計算するのに必要なのは知っているんですけど、中学や高校で使う内容は社会人になっていつ使うんですか?」「・・・・そりゃ、あれだ・・自分の息子とかに教えるために習うんだよ!」「・・・ああ、なるほど・・・」

では、今日はこの世界について授業を行いたいと思います


・・質問がある人のみ、手をあげてください。あ、ちなみに手をあげる人が誰もいなければ一人一人点数を下げていきますのでそこのところは自分でよく考えてくださいね。


はいっ、ではとてもいい返事が聞こえてきたようなので授業を続けていきたいと思います。


さぁて、この中に授業が終わるまで点数が残っている人が何人いるでしょうかね♪


十、

 間違いなく先生の執権乱用で始まったこの生き残りをかけた謎の授業・・・・先生と目が合ってしまったら負けだ・・・先生と目があったら・・・・


ニコリ


「・・・・先生、質問があります!」

「はい、一番手は村雨時雨君ですね?どうぞ、質問してください♪」

 条件反射で手をあげたのはいいのだが、困ったことに何も考えていなかった。な、何か頭の中に・・・いや、隅っこでもいいから適当に思いつくものを片っ端から言葉に乗せて先生に送ればこのばを凌ぐ事は可能に違いない。辺りの皆が無言のエールを送ってくれているのはわかるのだが、そのエールが

「お前と過ごした一年間・・・来年、下級生になっても俺たちは友達だ・・・」というエールではないエールなのが頭にくる・・・

「・・・そもそも、“能力”って何ですか?」

「いい質問ですね♪」

 そういって先生はとても上手に一つのコップを描いた。

「・・・はい、まずは基本からいきたいと思いますが・・・皆さんはそれぞれが所持している“能力”を使うことが出来ますね?」

 まるで小学生低学年に聞くような感じで先生が聞いたためにあっというまに教室内は静かになってしまった。

「はい、出席番号十二番の君、先生に対してがん付けを決行したのでマイナス二点ですね♪小さい点数だと思わないでください、まだ授業が始まって五分も始まっていませんからね♪さ、皆さん返事は?」

「「「は〜い」」」

 その返事に先生は満足してうんと頷くと黒板に描かれているコップの右上辺りに夜間の絵をかいた。

「・・・それで、このやかんの中の水が皆がつかっている“能力”だと思ってください。あ、ちなみに“能力”は皆さんの体が成長していくごとに小さいですが強さを増していくといわれていますよ。さて、このやかんの水をコップに注ぐと、どこまで注ぐことが出来ますか?」

 僕に笑顔を見せながらたずねてくる先生(たぶん二十三歳ほど?)は

「さぁ、点数を減らされたくないのなら答えてみなさい」とまちがいなく思っているだろう。

「あ〜そのコップのぎりぎりまで注ぐことが出来ると思います」

「そうですね、それであってます・・・さて、このコップを君たちだとすると注がれている“能力”は個々で限界があるということです。酸素が地球が始まった当初、生物にとって毒であったと同時にこの“能力”も我々にとっては毒だったのです。ですが、進化の過程で“能力”という液体を支えるためのコップとなる“器”が形成されたのです。あ、ちなみに“器”は一般の人には見られないのでそんなに目を皿にしても君たちには見つけることが出来ないので馬鹿みたいに探さないで授業の邪魔をしないでくださいね♪さて、“器”の説明をまとめると、個々によってその大きさが違う!ということですね。この後に説明する“能力”についてでも補足説明をしますのでよく聞いておいてください。では、村雨時雨君が言っていた“能力”とは何か・・・先ほど比喩で液体といいましたが、このやかんの中の水を限界以上にコップに注ぐとどうなるでしょう?剣山剣治君、説明してください」

「私はそのコップの材質のほうを聞きたいと思います!」

「・・・はいっ、授業を邪魔するような質問はマイナス五点ですね♪ちなみに、彼の質問に答えるとこのコップはチョークと黒板で形成されています。さて、このコップに限界以上の水を注ぐと当然のようにコップからあふれてこぼれてしまいますね。こうなってしまった人もいると聞いています。こうなる確率は非常に低いのですが、なってしまうととても危険です。まず、そうなる危険性をかきたいと思います」

 そういって元からかかれていたコップの隣にもう一つのコップを書く。それは小さいものだった。

「・・・・生まれてきた中には元からこのようにコップ・・・つまり“器”が小さい人もいます。もしもそれに注がれる水・・・“能力”が限界点を超えてしまうとコップからこぼれてコップを覆ってしまいますね?先に告げておきますが、このコップは紙で作られたものだと仮定します。ずっと水につけられていたら当然、とけてしまいます。そうすれば能力は一気に解放されて、辺りに散らばってしまいます・・・・いずれ水・・“能力”は蒸発して消えてしまいますが・・・・ここで他の人コップを近くに持ってきます。そして、このようにひしゃくなどでその水を掬ってコップに入れるとどうなるでしょう?このとき、近くに持ってきたほうのコップにはほとんど水が入っていないと仮定しましょう・・・さて、どうなるでしょうか?村雨時雨君、答えてください」

「え〜っと、こぼれてしまった水が他人のコップの限界点まで入るということですか?」

「はい、その通りですね。そうすれば、紙コップもずっと濡れることなく、長生きすることが出来るでしょうね♪・・・ですが、この方法は間違ったら受けて側の紙コップも同じように濡れて双方駄目になる可能性があるので気をつけましょう!」

 そういって親指をなぜだか僕にぐっと突きつける先生だった。

「さて、ここから確信的な説明をしていきたいと思います。まず、一人の人間がこの状態に陥ってさらに、失敗してしまいます。そうすると、その人間は壊れてしまいそうだが、まだ形を保っている紙コップという状態を形成します。さて、そのよれよれの紙コップに何らかの刺激を与えるとどうなるでしょうか?見事にその紙コップは崩れて中に入っていた水はこぼれてしまいます。ここで実際のところは終わりなのですが、世の中には色々と面白いことがあり・・・ここでこのぼろぼろになったコップを隣にある丈夫なコップに入れるとどうなるでしょう?ああ、ちなみにこのコップは特別製のもので水では濡れても壊れないということにしておきます。まだこのコップには要領がありますので、当然、紙コップはこの大きなコップの中でぼろぼろながらもその形を保つことが出来ます。これを先ほどの人間に置き換えるとぼろぼろになってしまった人間でも誰か、自分と“能力”を受け入れるほどの“器”を持った人がいれば助かるということになりますね♪受け入れる側のメリットとして自分と違う“能力”の人ならばその人の“能力”を使うことが出来ますし、同じ“能力”ならばより強力な“能力”を使うことが出来ます。え?何故かって?それは1+1を足すと2になるのと同じことですよ。ああ、言い忘れていましたが飽和の状態から紙コップの形を形成している間の状態を私たちは“能力の固まり”と呼んでいます。この状態ならば人とも話せますし、その人物も自ら刺激を与えない限りは半永久的にその場にいることができます。まぁ、お化けって言っても間違いではないと思います。それと、中には近くに生えている桜の木に意思が移って化け桜と呼ばれるものも世界にあるそうですよ♪」

 そういって先生は黒板に書かれていたものを消していった。

「さ、他に何か質問はありませんか?」

 生徒を値踏みするような視線を送って今度は何を求めるのだろうか?

「せんせ〜質問いいですか?」

 一人の女子生徒が先生に尋ねる。

「はい、剣山亜末つるぎやまあみさん。何でしょう?」

「せんせ〜は時雨君の質問を受けたときに“能力”は小さいが成長していくって言っていたんですけど・・・それならいずれ私たちは全員“能力”があふれてしまうんじゃないんですか?」

 その指摘に先生は方眉を上げながらもせきをして亜末さんのほうを見る。ちなみに亜末さんは剣治の親戚との話である。詳しい紹介は今度したいなぁ〜

「はい、どうやらこれは私の説明ミスのようですね♪“能力”が成長するようにきちんと“器”も若干“能力”よりも大きく成長します。よって、基本的に“能力”があふれ出すようなことはありませ〜ん。中には他人の“能力”を移しているという人でも、移す前の人の“器”を少しでも持っているのなら心配しなくて結構です。さぁて、どうやらそろそろ授業を終了させてしまうチャイムが絶妙なタイミングで鳴りそうなので、今日の授業はここらで終わりにしようと思いますが・・・どうしましょうか?」

 先生がそう尋ねるとひとりの生徒が手をあげた。

「その意見には賛成です!」

「はい、君は剣治君と同じようにマイナス5点×2ですね〜」

「え!?私がいつ先生の気に触るようなことをしました?」

 先生が言ったとおりここで・・・・


キーンコーンカーンコーン


 絶妙なタイミングでチャイムが教室へと鳴り響いた。

「さて、最後に言い残しておきますがまたなにかわからないことがあったら聞いてくださいね?先生は場所、時、場の空気を読まずに現れる生徒の味方です。言ってくれれば詳しく説明してあげますからね♪」

 そうやって先生は去っていった。残された生徒は

「ようやく嵐が消えた。よかったよかった」と顔にかかれている。無論、僕もその中の一人だ。


「いや、本当に今回の授業は皆を貶めようとしている教師側の魂胆なのではないか?」

 剣治はとても難しい顔をしながら僕にそんなことを尋ねてくるが、そんなことを僕が知っている立場でもないのだ。知るはずがない。

「時雨君、しかしまぁ・・・・君があんなことを聞かなければ私は点数を減点されることなどなかったのだよ?わかっているのかね?」

「その責任転嫁はどうかと思うけど・・・」

 メガネを意味もなく光らせながら近づいてくる剣治を脇にどかしながらこれからどうしたものだろうかと思いながらも思考をめぐらせる。

「ああ、そういえば今日は生徒会の雑用係が休みだったな・・・時雨君、ぜひとも生徒会に来て一緒に仕事をしてくれないかい?」

 剣治が態度をころっと変えてそうたずねてくる。

「いや、どう見ても一緒じゃなくて僕だけじゃない?その仕事・・・」

「気のせいだ・・・彼女もいないし部活も入っていないやつを雑用に使って何が悪いんだ・・・おっと、今のは気の迷いだからな。決して本心が出たというわけではない」

 さわやかに笑って僕に返事を待っているようだったのだが、僕は同じように笑いながら彼に水鉄砲(僕が得意としている技)を浴びせてグッバイ!

「さ、これからどうなるんだろうねぇ・・・」

 後ろから追いかけてきている剣治をどのようにまこうか考えている放課後だった。


どうだったでしょうか?これでおおかたのこの世界のことについて少しは理解いただけたと思うのですが・・・。まぁ、このままでは自己満足で終わってしまう可能性がありますので、わからない人がいたら教えてください。そのときはまた、名前の決まっていない先生を自己紹介と共に再び登場させて説明してもらうことになっていますので、よろしくお願いしますね。

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