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第一話:舞い散る桜の元で舞う待ち人

〜作者との約束〜小説を読むときは暗いところで読まずに明るいところで読みましょう!

奴が来る


私の“能力”を奪い去った奴が来る


私をここに閉じ込めた男の息子が来る


この時を待っていた


私を閉じ込めた男の息子の実力、この私がその目で確かめる


…………それまで、私はここで舞っていよう。桜が舞い散る、この場所で………


一、

 僕の名前は村雨時雨むらさめしぐれ・・・桜吹雪が舞い散る世界に住んでいる。夢は“人類の敵”になることなのだが、それを実現させるために“悪の組織”を創立したいと思っている。“人類の敵”がどのようなものなのか、まだわからないが創立して考えればいいだろう。だが、今はそんなことより大変なことが起こった。


「ここ、どこだろう?」


 目が覚めたら一つの港に倒れていた。周りには僕が所持しているバッグや旅行鞄が置かれている。別に記憶喪失にも何にもなっていないのだが、この状況はどうしたものだろうか?もしかして、悪の組織に僕が捕まったのか?おいおい、冗談きついわ・・・


「あ〜生徒の皆さんは至急、島の中央にある学校に来てください」


 港の近くでそんなことを言っている一人の男性を発見した。ジャージ、胸元に笛・・・そして、角刈り・・・これは間違いなく

「体育の先生」に違いないだろう。これ以外、僕の頭の中での

「体育の先生」というイメージはない。

「あの、すみません!」

「どうした?えっと、お前は・・・村雨だったか?」

「はい、でも・・・ここはどこなんですか?」

「あ〜なるほど、やっぱりこういう奴がいるんだな・・・・また拉致か?」

 やれやれといった様子でため息を吐くと笛を吹いた。

「はいは〜い!何ですかぁ?」

「村雨のお手伝いさん、事情を察していない人物だったぞ。こいつを・・・」

 遠くに見える学校を指差す。

「・・・学校につれてってくれ。俺はまだ他の連中を誘導しないといけないからな」

 そういって僕の背中を思いっきり押して他にもいた人たちに指示を飛ばし始める。

「いたた・・・あの人、一体全体僕に何の恨みがあるんだ?」

「それはですね、こんなに可愛い私に案内をしてもらえるのをひがんでいるのでしょう♪」

 漆黒のスーツ姿の女の人はそういってにこりと僕に微笑みかけてくる。

「・・・・・」

「ありゃ?反応薄いですねぇ〜私、そんなに可愛くないですか?やっぱり、メイド姿のほうがもてますかね?いえ、萌えますかね?」

「そんなことはどうでもいいので、この状況を僕に説明してくれませんか?」

「おっと、そうでしたね」

 こほんとせきをして彼女は真剣な顔をして僕のほうを見る。

「・・・・・この度は『長決め選手権第一回戦』にご出場、おめでとうございます。失礼ながら、村雨時雨様の日々の日常、実力などを見定めさせてもらいました結果、見事“水の一族”の代表選手として選ばれました」

 そういって頭を下げる女性。僕は首を傾げるばっかりだ。

「え・・・そんなの聞いたことがないんだけど・・・」

「そうでしょう。実際のところは時期当主や、次点で能力が高いものたちがこの島に招かれます。二十歳以下の人たちが主にここには集められますね。村雨様は特例だと思われます。さて、他に、何か聞きたいことはありませんか?」

「・・・・あの、僕は今帰れないんですか?」

 今度の英語の時間では和訳がある!僕、当てられてたんだよなぁ・・・・

「今は無理ですね。先ほど、乗られてきた船が完璧に沈んだようで・・・・まぁ、ここでの生活はそこまで苦労しないと思いますし、何かありましたら私に言ってください。あ、ちなみに私は村雨時雨様が島にいる間村雨様を個人的にお世話するお世話係です。名前は美奈といいます。よろしくお願いしますね?」

「あ、はい・・・・」

 荷物を持ってもらったまま、僕と美奈さんは共に学校へと向かったのだった。しかし、まぁ、おかしいものがあるもんだなぁ・・・“一族”を束ねている“当主”になる予定だったのは僕の妹だ。実力だって僕より上のはずなのだが・・・なんでだろうか?


 向かった先の学校は大きかった。いや、大きすぎた。集められた人数はこれの半分でも充分の人数だし、この島にいるほかの先生方もすべてを集めても両手でことが足りるだろう。

「さ、村雨様のお部屋はこちらです。どうぞ、ついてきてくださいね♪」

 学校にはいって今度は地下へと向かう。地下にはどうやら居住区があるようだ。地下に進むごとに僕は何かを感じ始めていた。

「・・・なんか寒くありません?」

「ええ、地下ですから・・・それと、噂ではこの地には守り神としてどこかの“一族”の

当主の墓があるそうですよ?この時期にいつもこのようなことをしていますのでもしかしたら怒っているのかもしれませんし、ちょっと驚かしてやろうと思っているだけかもしれませんね♪ああ、夜中に肝試しを行っても構いませんよ?毎年、そのようなことをして行方不明者が出ますからねぇ♪おばけって実際にいるんでしょうか?」

 そこは笑って言うところじゃないだろうと思いつつ、僕は美奈さんの後ろを追いかけていく。

「それとですね、この島には立ち入ってはいけないといわれている場所が数箇所あります。間違って入ってしまったとしても助けることが出来ないので気をつけてください。先ほどの話と少々被るところがあるかもしれませんが、当主の墓があるのは立ち入り禁止区域のどこかだそうです。あ、学校内にも勿論ありますので気をつけてくださいね?ちなみに、私たちが向かう村雨様のお部屋の隣も既に立ち入り禁止区域ですからね♪」

 うわっ、かなり嫌なところにとめられてしまうなぁ・・・しかも、なんでそこまでうれしそうなんでしょうか?僕としては強制拉致で既に参っているんですが・・・

「さて、ここです」

 いきなり美奈さんが止まったので僕は前につんのめりながらも自分の部屋を見る。今まで見てきたように廊下の左右に取り付けられている扉と何の代わりもない。別に僕の隣が既に壁だったりしないし、まだまだ奥には部屋だってあるし、人の気配もする。

「ここから先は立ち入らないほうが身のためですので、先に申しておきますね。どうしてもというときは私を連れて行ってください。危険ですからね・・・わかりました?」

 少しだけ真剣そうな表情を見せて僕にそう告げ、返事を待っているようだった。

「・・・わかりました。でも、何がこの先に・・・?」

「知ることはいいことです。ですが、勉強をするためには時間を犠牲にしなければなりません・・・・この先にあることはもしかしたら時間以外のものを犠牲にしなければならないかもしれませんよ?」

 そういって微笑む。だが、その顔がぜんぜん笑っていなかったりしたものだから僕は

「あ〜そうなんですか・・・じゃ、お部屋に入っていいですか?」とたずねて勝手に入ったのだった。ちょっと疲れたので部屋の中で休もうと思ったのだが・・・・世の中とは残酷なものだった。いや、意外と僕にだけ厳しいのかもしれない・・・これって僕の被害妄想?

「やぁ、時雨君」

「剣治!?」

 僕の目の前に現れたのは僕の学校の親友である剣山剣治つるぎやまけんじだった。少数の“一族”の次期当主といわれており、その実力は郡を抜いていた。生徒会長を現在やっており、生徒中心の学校運営を目指している。そういえば、来年には当主になるっていってたかなぁ?まぁ、剣治の実力ならここにいてもおかしくないのだが・・・

「何で僕の部屋にいるの!」

「心配しないでくれ。私は別に君の趣味が実は“年上のお姉さん”だったとは言いふらさないさ」

 そういって僕の後ろに立っている美奈さんを見ている。

「え、この人はお手伝いさんだよ?剣治にもいるでしょ?」

「まぁ、先ほどまでいたな。だが、私のお手伝いさんは猿だったぞ?」

 剣治の目は

「なぜだ?何故この私に君のようなお手伝いさんがついてくれないのだ?」と語っていた。その視線を美奈さんは見事に理解したらしい。僕から一歩前へ出るとこ本と咳をした。気がつけばメイド服になっている。いつ着替えたのだろうか?

「・・・・一言で申し上げますと、今までとってきた行動が一番よいもののみ、お手伝いさんなど必要ないと考えられていますのでこの度はつけられなかったのでしょう。しかしながら剣山様、あなたのお部屋は校長室の隣だと思われましたが?」

「うん、その通り・・・私の部屋は一階の校長室の隣。だけど、まぁ・・・知り合いがいたって聞いてここまでやってきたのさ」

 僕になにやら目配せをした。その意味をきちんと理解できたかわからないが、僕は剣治が何をしたいのか、僕にどうして欲しいのか僕なりに理解した。

「じゃ、私は時雨君の顔を見に来ただけだからおいとまさせてもらいましょう。じゃあね、時雨君」

 剣治はそのまま去っていき、僕と美奈さんが残された。

「美奈さん、ここから一番近いトイレはどこかな?」

「トイレですか?部屋に備え付けられていますが?」

「う〜ん、ここは学校なんだし、共同のトイレがいいんだけど・・・・どこかな?」

「一階にあります。お連れしましょうか?」

「はい、お願いします」

 僕らは荷物を置いてそのまま一階へと向かったのだった。


 一階の男子トイレを見つけ、僕は美奈さんに外で待ってもらうことにして中に入る。

「やぁ、来たね?」

 そこには剣治がおり、先に用を足しているようだった。

「どうかしたの?」

「私なりに思ったんだが・・・・ここ、なんかいるぞ?しかも、動いてる・・・・いや、地下で蠢いている。まるで、何かを求めるようにさ?」

 シリアスな雰囲気が立ち込めるなか、用を足している剣治の前のほうからも煙が立ち込める。おいおい、雰囲気台無しだよ・・・・と思った僕だったのだが、とりあえず話を聞くために外の美奈さんに

「大をしてきますね」と伝えておいたのを幸運に思った。


さて、以前短編でかきました小説なのですが、非常に間をあけてしまって申し訳なく思っています。ちょっとわかりづらいって人もいるかと思いますが、これからゆっくりと物語は動いていきますので長い目で見てもらいたいです。では、これからよろしくお願いしたいと思います。

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