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ミーウェイ=木村未兎編 第三部

未兎の嫌な予感は当たった。

翌朝、由香里は学校へこなかった。

なんでも、昨日夜遅く帰ってきたから

親がさんざん怒って、家から出してくれないらしい。

たしか、由香里の家は、佐藤グループの社長なんだとか。


「木村。お前、とうとうほかの子にまで危害を及ぼしやがって」

あたしは昼休みに呼び出された。センコーは呆れていた。

「あたし、悪くないもん。由香里が行きたいっつーからつれてってあげたのに。

あたし、なんでとばっちり受けなきゃならないの」

反省はしなかった。いや、する必要もなかった。

それからうだうだグダグダ言われてから、あたしは解放された。


「未兎・・・・・・・・。よそ様の子に何かしたってほんとなの?」

帰ると、扉の前で母さんがいた。あたしの気はめいった。

「ちがうもん!あたし悪くないもん!あたしがなにしたってのよーー!!」

あたしは、不覚にもその場で泣き崩れてしまった。


苦しかったので、あたしは、今日のサークルを休むことにした。

「紗枝ちゃん?ゴメン。あたし今日のアレ、休むわ」

友達の紗枝はびっくりしていた。

「なんでぇー?いつも来てたじゃん!どしたの?風邪!?だったらお大事にネ!」

風邪とは言ってないのに風邪と決め付けている。

これが、紗枝の悪いところ。

まぁ、この状況じゃそのほうがいいけど。

「んー。そんなもんかな・・。明日もいけるかどうか分かんないからっ」

「えー、つまんないなぁ。明日渋谷歩くのに・・・・・」

「マジで!?行こっかな・・」

「じょーだんだよーだ!」

「紗枝ちゃん!!」

こんな会話が、10分くらい続いた。


「じゃ、お大事に〜。ゆっくり休むんだよ。リーダーにはウチから言っとく!それでいい?」

「ん、ありがと。それじゃぁお願いね。バイバイ」

「うん。バイバ〜イ」


次の日は、学校を休んだ。

由香里は、学校に来たそうだ。

そんで、あたしのトコロに見舞いに来た。

「由香里ちゃんって子が来てるけど、出る?出れる?」

出たくないけど、母さんが出ろと言ったので、仕方なく玄関へ行った。

母さんは言ってることがおかしい。


「ごめんね。私のせいで、未兎ちゃんが怒られちゃって・・・・・」

「別に、気にしてないから」

言う事がなくなって困った。

由香里の口が開く。

「あ・・こんな事言って、なんだろうって思うだろうけど・・・

これからも友達でいてくれるかな」


あたしは正直嫌だった。

でも、気が変わってOKしてしまった。


なんであんなことしたのかな・・・・・・・・



この子と友達にならなければ

あたしは、殺人鬼にはならなかった。



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