ミーウェイ=木村未兎編 第二部
「あんたさぁ・・授業出たほうがよくね?
仮にも優等生だしさ」
由香里はしゅんとした顔でこっちをむいた。
「・・なの・・・・・」
「んぇ?」
「勉強、したくないの。もう、やなの・・・・」
あたしはびっくりした。
昔のあたしと、同じ、そっくり・・・・。
「み・・未兎ちゃんはね、先生にも屈しないし、好きに生きてるし
いいなぁ・・なんて思っちゃって・・・」
あぁ
この子もレールの上に乗せられているんだ。
親や、センコーが決めた、勉強という期待のレールの上に
乗せられて、それでもがんばってたんだ。
「じゃ、今日一日だけ、あたしと遊ぼ
今日だけね。今日だけ」
「ほんとに!?ありがとうっ!」
「おい!木村はともかく、佐藤はどうした!?誰か、知らんのか!?」
1−2の教室。先生も、生徒も、ざわついている。
「せんせー。木村さんと由香里が一緒に屋上行ってるのを見たらしいでーす」
後ろの方から、何か聞こえる。
「由香里どうしちゃったんだろ・・?あんなヤバイのと一緒にいたなんて」
「カツアゲとかされてないよね・・・・」
「あたしにはわかんないって!!」
その頃、二人は街中のゲーセンにいた。
「こんなうるさいトコロ初めて来た・・・」
「ゲーセンだよ。知らないの?」
「うん。ゲーセンってゲームセンターの略したやつ?」
ほんとに、何も知らないんだな
その後、あたしはいろいろ案内してやった。
カフェとか、カラオケとか、いろいろ。
そしたら、午後10時を回っていた。
「やばぁ!!あんた、一人で帰れる!?あたし用事あるから!!」
「用事?こんな遅くに?」
「うん!!じゃぁバイバイ!!」
「未兎おっそーい!どしたの?まだ制服のままだし!」
「ちょっと・・・・あって」
「ふぅ〜ん。ま、いいや!いこっ!」
あたしはなぜか、由香里のことが、とても、とっても気になっていた。