アメ=遠藤亜魅編 第六部
カラン・・
カフェのドアが開いた。
私は飲んでいたオレンジジュースを手に持ったまま後ろを振り返った。
年は、私が小6だから、同じくらい。
でも、なんかお嬢様?みたいな・・・。
「アイスコーヒー。一つ。頂けますか?」
「はいよ」
瑞貴は奥に消えた。
(未兎。臭うんだけど・・・)
(血・・じゃないね。詐欺かペテンか・・)
以外にも、アンナは私達の近くに座った。
ピンクのカーディガンに淡い白のロングスカート。
それに似合わない黒のバレッタ。
「ねーねぇ。名前なんてーの?」
先に切り出したのは未兎だった。
「名前?楠杏奈」
「私、遠藤亜魅。こっち、未兎!木村未兎」
瑞貴は3人の様子を遠くから見ていた。
(未兎の奴。危ないのを拾ってきたな・・・)
「私の専門は詐欺カナ・・・。3年生くらいの時から人を騙すのはスキだったな・・」
「あたしは殺人だネ。専門の凶器は、釘とかそんな感じ?
瑞貴もだよ。あ、瑞貴ってのはさっきの男の子ねっ」
そのとき私は思った。
人の命を塵とも思わないこいつらなら
一緒に居られるんじゃないかって。
「アイスコーヒーだよ」
「有難う」
「ねぇ、提案があるんだけど」
私は切り出した。みんながこっちをむく。
「どした?なんか面白い事?」
「うん!あのね・・・・」
私は乗出した。
「PCサイトを作ろうと思うんだけど」
「パソコンサイト!?なんで?」
私は飲み干したオレンジジュースのコップを瑞貴に渡した。瑞貴はしかめっ面をした。
「パソコンサイトってのは思いつきだけど
なんか、今の自分が嫌いだから
名前も、性格も、喋り方も、全てを変えたいの」
未兎はニヤリと笑った。
「あたし、その案のる!瑞貴もね!」
「俺も!?」
「私ものる。いいでしょ?」
それから向かった場所は、未兎の家の近くにあったプレハブ小屋。
「せっま・・。こんなホコリ臭いとこはじめて来た・・・」
「マジで!?杏奈お嬢様だったんだぁ〜」
「そうじゃないけど・・、こーゆーのは見たことないから・・」
遅れて瑞貴が入ってくる。
「パソコン。コレでいいだろ?コードとかならちっといじれば出来るし」
「瑞貴すごーい。そんな事できたんだー」
3人が話してる間、私は新しい名前を考えていた。
新たな私として生きるために。
「ねー。私名前決まったよ。発表してもいいカナ?」
「名前!もう決まったの?言ってみて」
私は座布団の上にちょこんと座って笑った。
「アメ、なのです」
「アメェ?なんで?つーか、なのですってナニ?」
「その辺は、秘密〜なのですぅ〜」
ほんとは、母との思い出だけを残したくて
一番好きな、雨にした。
次に声を上げたのは瑞貴だった。
「俺!俺決まった!」
「ナニ??」
未兎も安奈も座布団に座る。
「コウヤ!!」
「コウヤァ??何よそれ」
「荒野っていう漢字あるだろ。あれ」
今まで考え事をしていた杏奈が顔を上げた。
「私は、アンナでいいや。カタカナにするだけで、印象変わると思うし」
「えっ!アンナも決まったの!?あたしだけ!?どーしよっかな・・・」
「もう、未兎のままでいいんじゃね?」
「やだよ!仲間はずれっぽいじゃん!!」
一生懸命頭をひねっていた未兎がにやりと笑った。
「ミーウェイ!これでいこう!!」
「ミーウェイ?変わった名前なのです」
「面白いでしょ。一味違って」
ここから、小悪魔通販は始まる
その辺は、みんなの過去話が終わってから、お伝えするとしましょう、なのです。