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アンナ=楠杏奈編 第四部

「おはよう。麗チャン」

朝、学校で麗に出くわした。

「・・・おはようございます」

麗は無愛想に返事した。恵美がじとーっと麗を見つめる。

「やーな感じー」

誰にも聞こえないように、恵美はぼそっと呟いた。


麗は私といるときも、どこか遠くを見つめていた。

そばにいるのにいないような、なんだか不思議な存在。

騙しようがなくて、私はちょっと退屈だった。


「ね、杏奈。騙しやめたの?」

「止めたわけじゃないけど・・・」

恵美はしつこく聞いてきた。

うっとうしいなぁ・・・。

「じゃ、何でやらないのさー!」

「だーかーらー!出来ないの!」

ぎゃんぎゃん喚く恵美がうっとうしくて

私は適当に言い訳した。

「そのうちやるよ。あんないいカモ見逃さない」

「前も同じようなこと言わなかったー?怪しいっ」

「ふざけないでよ!何であんたに嘘言わなきゃいけないのよ」

それ自体が嘘だけどね。


「・・・・・・」

この会話を麗が聞いているなんて

私はそのとき知る由も無かった。



「麗チャン。おっはよーぅ!」

次の日、麗は私を殺意のこもった目で睨んだ。

「ん?どしたの。機嫌悪いの?」

「えぇそうよ!あんたの所為でね!!!」

私はナニがなんだか分からなかった。

麗は涙目で睨んでくる。

「私は最高のカモだってね!ふざけんじゃないわよ!」



聞かれてた。

私の頭の中で回想が始まった。


「れ・・・麗!ちょっとどうしたのよ」

「うるさい!離して離して!私はコイツと話がしたいのよ!

私をただ利用しただけのこの最悪女にね!」

「ちょ・・・っ麗!」


気づけば周りが皆私を見ている。

白い目。

「最悪女!死んじゃぇ!」

麗が必死になって叫ぶ。

「いい加減にしな!先輩にその言い草は聞き捨てならないよ」

とりまきが私を囲む。

麗が何か叫んでいる。



あぁ、もう訳が分からない・・・・・。








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