コウヤ=高野瑞貴編 第七部
未兎にあった後、立て続けに亜魅・杏奈にあった。
亜魅は、口の悪いクソガキ。杏奈は上品ぶった子供にしか見えなかった。
後、なんで女ばっかりなんだろう。
そいつらのおかげで、また仲間が出来たけど・・・・・・・・・。
今は、人を殺すのに躊躇いが無い。自分でも、その事に身震いするくらい。
あの時、姉の部屋からひったくって来たあの写真は
一度たりとも視界に入れていない。
自分の犯した罪を、また見なければいけないから。
自分の罪を見て、目尻が焼けるように熱くなり
目玉や胸に熱い熱い針が、一本なのにグサグサと刺さるような感覚が
自分を容赦なくガリガリと引っ掻くように襲う。
逃げてるみたい。いや、逃げてる。
でも、それでいい。
このままの自分が保てるのなら
これで、なにも悪いことは無い。
「コウヤーァ。机に突っ伏して寝るなよー。こらぁー」
ミーウェイの声にはっとする。
「みぅ・・じゃなぃ、な。っと・・・・ミーウェイ?」
「そーだよ。あたし以外に誰がいるってゆーのさ!
もしかしてアンタ、あたしの名前まだ覚えてないのぉ!?」
今現在の自分は、「高野瑞貴」ではなく「コウヤ」だ。
もう「高野瑞貴」という弱い人間は、この世界に、この世に存在しない。
今は強くて、何事も屈しない、「コウヤ」だ。
それでもいい。
それでいい。
それが一番いい方法なんだ。
弱い自分を、見なくてすむから。
姉の笑顔を、見なくてすむから・・・・・・・・・。