ミーウェイ=木村未兎編 第四部
意味の無い正義感なんか、振りかざさないほうがマシ。
あの日から、由香里はきっとつらい思いをし続けていただろう・・・
「おっはよ〜由香里!美術の宿題や・・・った・・・」
次の日、あたしは登校した。由香里と一緒に。
「おはよ!どしたの?美術の宿題ならやったよっ」
「ち・・違う違う!ちょっとこっちきて!!」
その子は、由香里を引っ張って、ベランダまで連れて行った。
あたしは別に気にすることも無く、自分の席に座った。
「あんた、なんであんなヤバイのと一緒にいるのよ!」
「え?未兎のこと?やばくなんかないけど?」
「呼び捨て!?あんた・・・自殺行為だよ!それ!自殺してるようなもんだよ」
いきなり、由香里の大きな声が、あたしの耳に入ってきた。
寝耳に水とはこのことだと思う。
「未兎はこわくないもん!ほんとは優しいんだよ!」
それから、由香里は、前いた班から、ハミゴにされた。
「だから・・もうあたしといるのやめたら?
あんた、これ以上嫌われたくないでしょ」
由香里は、首を横に振るばかりだった。
「わがまま言ってごめん。でも、やだ。私、未兎といたい」
あたしは、なんとなく知ってたんだ。
この子とは、もう会えないだろうって
案の定、彼女は、翌日から、家から出してもらえなくなった。
そして、あたしに助けを求めて、電話してきた。
彼女は、泣いてた。
「未兎・・?私ね・・家から出してもらえなくなっちゃった・・・ひくっ」
「ほーら言わんこっちゃ無い。だからやめろっていったじゃん」
「あのね、わたし、殺されちゃうかも・・・」
あたしはめちゃめちゃ驚いた。
「殺されるって!?どういうこと!?」
「お母さんが、決まりを守れない奴は
殺してやるって、息をまいてて・・」
意味不明。
決まり?
「佐藤家は・・・・がらの悪い子と、一緒にいちゃいけないの
お姉さんも、弟も、そうしてきたの。私一人破って・・
でも私、未兎のこと、柄悪いなんて思ってないからね!
未兎は、私の大好きな友達なのに・・・なのに!!」
あたしは愕然とした。
そして、怒りがこみ上げた。
それ如きで、彼女の自由を奪うのか
確かにウザったいと思ったこともある
でも、あたしがなにより心配したのは
彼女が嫌われないかどうかってことなんだ。
嬉しかった、ほんとは、学校で友達が出来たから・・・・
由香里の親を、殺してやる・・・・
あたしは、金属バットを持って、家をでた。