きもちをつたえる、だいじなことば
ぼくの友だちの、まさとくん。
まさとくんは、かわってる。
まさとくんは、おもったことを、ぜんぶ言っちゃうんだ。
あっ、ゆうとくんが、あかりちゃんにぶつかった!
あかりちゃんは、ころんじゃった。
それを見て、まさとくんは言った。
「ゆうとくんは、あかりちゃんにちゃんとあやまった方がいいよ」
「えー、やだよ! まさとくんに言われたくない!」
ほら、またまさとくんはそう言って、ゆうとくんがいやな気もちになった。
「あかりちゃんも、ゆうとくんをゆるしてあげてね」
あかりちゃんは、まさとくんからにげた。
「どうして、みんなちゃんとつたえないんだろう」
まさとくんは、ぼくにたずねた。
「うーん」
ぼくにも、わからなかった。
「おれね、おかあさんとおとうさんがケンカしちゃったんだ」
まさとくんは、はなしはじめた。
※
おれは、まさと。
おかあさんは、おとうさんがすき。
おとうさんも、おかあさんがすき。
いつもそう言ってた。
だけど、このまえね。
おかあさんはおとうさんとケンカをした。
「あなたが、わたしをきらいなのは、しってるわ!」
「そんなことはない!」
「だって、あなたはいつも、なにも言わないから! なにをかんがえているのか、わからないわ!」
「もうやめて!」
おれがそう言うと、ふたりはおれをなでてくれた。
「ごめんね、まさと。こわかったね」
「ごめんな、まさと。おれが、ちゃんと母さんとおはなししていれば」
※
「だから、おれは、ちゃんとおもったことをつたえることにした」
「そうなんだ」
「おれはいま、ちゃんときいてくれたきみに、ありがとうとおもった。いつも、おれとなかよくしてくれて、ありがとう」
「どういたしまして」
ぼくは、まさとくんとあくしゅをした。
「さっきはごめんなさい」
それを見ていたゆうとくんが、あかりちゃんにごめんなさいと言った。
あかりちゃんは、「もういいよ」と言って、ゆうとくんと手をつないで、あるいていった。
「おれがいま、なにかんがえてるかわかる?」
まさとくんは、ぼくにきいた。
「わかんないよ」
ぼくはしょうじきにこたえた。
「そうだよ、わかんないんだよ。だから、ちゃんとことばにしないと、ずっとわかんないんだ」
まさとくんは、ぼくの手をひっぱって、あるいていった。
ただ今、オーダーメイド短編を書く企画をやっています。
書いて欲しいテーマがありましたら、送ってくださいね。




