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きもちをつたえる、だいじなことば

作者: Setaria.v
掲載日:2026/07/05

 ぼくの友だちの、まさとくん。


 まさとくんは、かわってる。

 まさとくんは、おもったことを、ぜんぶ言っちゃうんだ。


 あっ、ゆうとくんが、あかりちゃんにぶつかった!

 あかりちゃんは、ころんじゃった。


 それを見て、まさとくんは言った。


「ゆうとくんは、あかりちゃんにちゃんとあやまった方がいいよ」


「えー、やだよ! まさとくんに言われたくない!」


 ほら、またまさとくんはそう言って、ゆうとくんがいやな気もちになった。


「あかりちゃんも、ゆうとくんをゆるしてあげてね」


 あかりちゃんは、まさとくんからにげた。


「どうして、みんなちゃんとつたえないんだろう」


 まさとくんは、ぼくにたずねた。


「うーん」


 ぼくにも、わからなかった。


「おれね、おかあさんとおとうさんがケンカしちゃったんだ」


 まさとくんは、はなしはじめた。


 ※


 おれは、まさと。


 おかあさんは、おとうさんがすき。

 おとうさんも、おかあさんがすき。


 いつもそう言ってた。


 だけど、このまえね。

 おかあさんはおとうさんとケンカをした。


「あなたが、わたしをきらいなのは、しってるわ!」


「そんなことはない!」


「だって、あなたはいつも、なにも言わないから! なにをかんがえているのか、わからないわ!」


「もうやめて!」


 おれがそう言うと、ふたりはおれをなでてくれた。


「ごめんね、まさと。こわかったね」


「ごめんな、まさと。おれが、ちゃんと母さんとおはなししていれば」


 ※


「だから、おれは、ちゃんとおもったことをつたえることにした」


「そうなんだ」


「おれはいま、ちゃんときいてくれたきみに、ありがとうとおもった。いつも、おれとなかよくしてくれて、ありがとう」


「どういたしまして」


 ぼくは、まさとくんとあくしゅをした。


「さっきはごめんなさい」


 それを見ていたゆうとくんが、あかりちゃんにごめんなさいと言った。

 あかりちゃんは、「もういいよ」と言って、ゆうとくんと手をつないで、あるいていった。


「おれがいま、なにかんがえてるかわかる?」


 まさとくんは、ぼくにきいた。


「わかんないよ」


 ぼくはしょうじきにこたえた。


「そうだよ、わかんないんだよ。だから、ちゃんとことばにしないと、ずっとわかんないんだ」


 まさとくんは、ぼくの手をひっぱって、あるいていった。

ただ今、オーダーメイド短編を書く企画をやっています。

書いて欲しいテーマがありましたら、送ってくださいね。

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