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転生したら魔王が勇者になりました。  作者: よく分からん生命体
三章 白の死神 第二幕 タルタロスの迷宮
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91話:海龍を乗りこなす王

 俺とシャカを残して他のメンバーが巣穴の探索を開始したのを確認できた。


「さて、それじゃあ作戦会議とするか!

 と言っても、もう作戦は決まってるんだろ?」


 シャカとの会話はストレスがなくて助かるな。


「決まってはいるけど、反対はしないでくれよ?」

「そりゃ内容次第だな。」


 程度は違うがシャカとの会話はロロやララと会話しているのとそう変わらない。


 そのせいか、この作戦を伝えた後の反応にも予想が着く。


「今回の作戦なんだが、まずは俺一人が水中に潜って囮になる。」

「ダメだ。お前にそんな危ねぇことさせられるかよ。」


 想像通りなんだけど、やっぱりあの子たちとそっくりなんだよな。


「じゃあ、誰が囮になるんだ?」

「それはオイラが……」

「俺の方がやつの食いつきはいいはずだろ?」


 ドラゴン種は異様に縄張り意識が高い上に五感が鋭い。


 以前接敵して取り逃した相手が再度自分のテリトリーに入ったとなれば即座に気づいて襲ってくるだろう。


 それは、ドラゴンと戦ったことのあるシャカならよく理解しているはずだ。


「最初から一人で戦うつもりなんてないさ。

 バカ正直に相手の土俵で戦う必要なんてないだろ?

 俺は飽くまで囮であってあいつを地上へ引きずり出すための餌。今回の作戦はお前が居て初めて成立する作戦だ。」


 これで説得できなければどうしようもない、妥協案を考えておかないといけなくなるな。


「……危ねぇのは変わりねぇだろ。」


 ダメなやつか……?


「まさか文字通り釣り餌になるなんてことは言わねぇよな?」

「え、まぁ……?」


 さすがに本気で自分から食われるな賭けをする運と度胸は俺にはない。


 まぁ、食われかける所までは行くんだけどな。


「なんか、自信無さそうだな?」

「いやいや!絶対成功するさ!」


 そうだ、絶対成功させる。


「はぁ……、わかったよ。

 それで、具体的にオイラは何をすればいいんだよ。」


 良かった、不服そうではあるが納得してくれたみたいだ。


「まぁ、ほとんど待機だね。

 ここで飛び出して来たシーサーペントを全力で倒してくれ。」

「お前……討伐はこっちに丸投げかよ。」


「失敗しても構わないよ。

 でも、こっちも命懸けで囮になるんだ。

 せめて水中に戻らないよう足止めくらいはしておいてくれよ。」


「ははっ!シーサーペントに足はねぇだろ!

 よし、しっかりぶっ殺してやるから思いっきり引っ張り出して来い!」


「活きのいいまま連れてきてあげるよ。」


 でもまぁ、やっぱりシャカはみんなとは違う。


 結局、目をキラキラさせて期待しているのが丸わかりなんだから。


 ずっとそうなんだよな。


 あれ、でもシャカとはそんなに長い間一緒に旅をしていた訳では無いのになんで……?


 まぁ、色々あったし。そのせいで体感がおかしくなったのかもしれないな。


「さて、行ってこようか。」


 さっきは咄嗟のことであまり気にしていなかったが、湖の水は物凄く冷たいな。一気に体温を持ってかれる。


 それに、水が物凄く澄んでいるな。


 さっき見た穴は……水深二、三十メートルってところか。

 落ち着いて行かないと危ない距離だな。


 しかし、まだ来ないな。ここはまだ縄張りにはならないのか、それとも警戒して出てこないのか。


 いずれにせよもう少し深いところまで潜らないと出て来なさそうだ。


 おっと、その前にちゃんと罠を張っておかないとな。


 ”ゴォォォォ”


 この音は……来たか。


「ガァァァァァ!」


 うわぁ、改めて見るとシーサーペントさん迫力満点ですね……。


 物凄く速いな、さすが海龍と呼ばれるだけはある。水中ならスカイドラゴンよりも速そうだ。


 ”ゴォォォォ”


 近づいてくる度に速度が増しているように見えるな。


 焦るな、できる限り引きつけろ。


 やつが俺を捉えて口を開けるまで……


 ────今だ!


 影の触手(シャドーテンタクル)


「ガァァアアア!?」


 よし!影の触手(シャドーテンタクル)でぐるぐる巻きにしてやったぜチクショウ!


 いや、調子づくな。ここまで影を引き伸ばしたならすぐに壊される。


 ここからは賭けだ。


 先に影が破壊されるか……

 やつが先に疲れ果てて隙を作るか……


「ガァァァァ……。」


 来た!


 影が壊れるギリギリ!先に疲れてくれた!


 ここから次のステップ。こいつの上に乗るんだけど、その前に影の補強をしておこう。


 影の触手(シャドーテンタクル)


「ガァァァァ!」


 影を足しておいてよかった。


 やっぱりドラゴン種は頭がいい、体力を敢えて残していたな。


 あのまま乗っていたら絶対に振り落とされていた。


 でも、今の抵抗で体力が底をついたんじゃないかな?


 それじゃあ背中失礼しますよ。


「ガァァァァ!!?」


 乗ったはいいけど、やっぱり暴れるなぁ……。弱ってもいるけど。


「ガァァ!!」


 よし来た。


 こういう手足のない生物は体に異物が着いた時、体を壁に擦り付けて異物を排除しようとするんだ。


 でも、ここまでぐるぐる巻きにされて弱ってるんだ。


 悪いけど、ここまで来たら手網を使って進行方向を操ることなんて難しくはないんだよね。


「ガァァァァァァァァ!!」


 さぁ、もうそろそろ外に出ていきましょうね!!


 ”バシャーンッ”


「お待たせしました!こちら海龍の活魚でございます!」

「それじゃあ俺がしっかり締めてやるよ!!」


 シャカの方も準備万端!


 あとはタイミングを見て俺が飛び降りるだけ。


 大剣がシーサーペントの首を捉えた時……


 ────今だ!


 ”ドォォォォン”


 痛てて……、相変わらず物凄い衝撃波だ、飛び降りたと同時に来たせいで空中で吹き飛ばされてしまった。


 シーサーペントはどうなった……?


「おーい!これ見ろ!」


 煙が立ってしまってまだよく見えないけど、 シャカのあの嬉しそうな声を聞いたら結果はもうわかったな。


「シーサーペント 討伐完了!!」

最後まで読んでいただきありがとうございます。


ひとまず三層からは抜けれそうですね。


もし良かったらどちらかだけでもいいのでブックマークと評価をしてくやってください。


それと、感想も書いてくれると励みになります。

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