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あーかい部! 24話 キャラメル

ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立池図女学院。


そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。



3度の飯より官能小説!池図女学院1年、赤井ひいろ!


趣味はケータイ小説、特筆事項特になし!

同じく1年、青野あさぎ!


面白そうだからなんとなく加入!同じく1年、黄山きはだ!


独り身万歳!自由を謳歌!養護教諭2年生(?)、白久澄河(しろひさすみか)



そんなうら若き乙女の干物4人は、今日も活動実績(アーカイブ)を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。

池図女学院部室棟、あーかい部部室。




「……、……、」




あさぎは1人、キャラメルを貪っていた。




「あさぎ早いな。」




少し経ってひいろ入室。




「……、」


「?……なんで喋らないんだ?」




ジェスチャーで挨拶をするあさぎを不思議に思ったひいろに、あさぎは続けてジェスチャーした。




「……、」


「いや、荒ぶる鷹のポーズしたってわからないないって。」


「…………、」




見かねたあさぎは、持っていたキャラメルの箱を手に取りもう片方の手で自分の口を指差した。




「ああ、キャラメル食べてるのか。確かに、口にものを入れたまま喋るのは行儀悪いもんな。」


「……、」




あさぎは両手で大きく丸のジェスチャーをして、正解であることを全身で表現した。




「……あ、さっきのは荒ぶる鷹のポーズじゃなくて大阪のアレか!?」


「……、大正解。ひいろも食べる?」


「飲み込んだんだな。あとでもらうよ。」


「そ。……はむっ、」




ひいろが保留すると、あさぎは次のキャラメルを頬張った。




「またジェスチャーの時間か……。」


「……、」




ひいろがボヤくと、あさぎはサムズアップで肯定した。




「コミニュケーションとるのも一苦労だな……。」


「……、!」




あさぎが何かを思いついたらしく、キャラメルの包み紙に器用に折り目をつけだした。





「折り紙でも折るのか?」


「♪」




ひいろに当てられて機嫌を良くしたあさぎによって、キャラメルの包み紙は目にも留まらぬ速さで一機の紙飛行機へと変貌した。




「お〜、器用だな。」


「……、」




ひいろが褒めると、あさぎは部室のドア付近のゴミ箱を狙って包み紙の飛行機を放った。




「え?」




包み紙の飛行機は緩やかに下降しながらゴミ箱にホールインワンした。




「♪」


「どうせ捨てるなら、普通に捨てればいいのに……な、なんて時間の無駄遣いなんだ……!?」


「……、まあお菓子なんて極められた無駄みたいなもんだし。」


「『極められた無駄』か……。確かに、時間をかけてちょっと食べることに関しては、時間の無駄を極めてるな。」


「その無駄を楽しむのがお菓子の醍醐味なんだけどね。」


「だな♪」




それから、あさぎとひいろはキャラメルを貪っては包み紙で折り紙をして楽しんだ。




「やっほー、2人とも元気?」


「あ、白ちゃん。」

「白ちゃん先生。」




白ちゃん入室。




「お菓子について話していたんだ。」


「お菓子?ああ、キャラメル。」




白ちゃんは机上にあったキャラメルの箱に目を留めた。




「懐かしいわね。」


「懐かしい……ですか?」


「昔、モーラと遊びに出かけたときによく持って行ったわ。」


「持ち運びやすいもんな。」


「そうそう、汗かいて疲れ切った体に染みるのよねぇ……♪」


「キャラメルってカロリーの塊みたいなものですからね。」


「箱でいっちゃうと摂取カロリーが恐ろしいことになるのよね……。」


「練った糖だからな。」


「……というわけで残りは白ちゃん先生にあげます。」


「あら、いいの?ありが……何か、軽くない?」




白ちゃんがあさぎからキャラメルの箱を受け取ると、白ちゃんは箱の軽さを不審に思って早速箱を開けた。


すると中からは大量のちっちゃい折り紙達がカサカサと音を立てて箱から転げ落ちた。




「……。」


「白ちゃん、長生きしろよ……?」


「うっせ。」






あーかい部!(4)




ひいろ:投稿完了だ!


きはだ:今日は何してたのぉ?


あさぎ:キャラメル貪ってた


きはだ:羨ま……


白ちゃん:ほんと


きはだ:白ちゃんは食べてないの?


白ちゃん:箱いっぱいのキャラメル風味の紙飛行機なら貰ったわ


きはだ:草ァ!

きはだ:クチャクチャ…


白ちゃん:なにクチャクチャしてるの


きはだ:キャラメル食べてる


ひいろ:ストックしてるのかよ


きはだ:災害用


あさぎ:災害起こってないけど


きはだ:『飯テロ』という災害用さ……!


ひいろ:なら仕方ないな


きはだ:白ちゃんはキャラメル食べないのぉ?わたしは食べたぞ


きはだ:[画像を送信しました]


あさぎ:あ、折り鶴


ひいろ:器用だな


白ちゃん:うぐぁぁぁああ


あさぎ:若干1名にめっちゃ効いてる


ひいろ:え、まだ食べてないのか?


白ちゃん:やめろぉぉぉ


きはだ:可哀想だから明日千羽鶴あげるね

きはだ:数足りないから8羽でいっか


あさぎ:内容量8個かぁ


白ちゃん:もう怒ったコンビニ行ってくる


あさぎ:え


ひいろ:夜だぞ……!?


きはだ:もう止まらんよ




白ちゃん:[画像を送信しました]


ひいろ:おでん!?

あさぎ:美味しそう

きはだ:キャラメル関係なくて草ァ!


白ちゃん:ほれほれこれが大人の財力だキャラメルの分苦しめお子様ども


あさぎ:いや、別に……

ひいろ:うん

きはだ:そうでもない


白ちゃん:なんでよ!?


ひいろ:おでんは重いからな


きはだ:入らないよぉ

ひいろ:えっっ

あさぎ:豪華な食事で『おでん』ってのが……


ひいろ:哀れだな

きはだ:哀愁ただようねぇ


白ちゃん:やめろやめろ

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